トルリシティ ® (デュラグルチド(遺伝子組換え))
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トルリシティ(デュラグルチド)1.5㎎が2型糖尿病患者の腎機能へ与える影響は?
海外第Ⅲ相二重盲検並行群間試験[GBDJ試験(REWIND)]の探索的解析において、その他の副次評価項目である、腎症複合評価項目を評価した結果は以下のとおりです。(参考情報)
[解説]
※本試験には、一部国内承認外の用法及び用量を含む成績が含まれていますが、承認時評価資料のため紹介します
外国人2型糖尿病患者を対象に既存の血糖降下療法に加えて、デュラグルチド1.5 mg週1回投与が主要な心血管イベントに及ぼす影響をプラセボ投与と比較した海外第Ⅲ相試験であるGBDJ試験1)の探索的解析において、新たな顕性アルブミン尿の発現、推算糸球体濾過量(eGFR)の30%以上の継続的な低下、又は慢性腎代替療法と定義した、その他の副次評価項目である腎症複合評価項目を評価した結果は以下のとおり(表1)でした2)(参考情報)。
ベースライン時に顕性アルブミン尿が認められた被験者は791/9901例(7.9%)であり、平均eGFR(SD)は76.9(22.7) mL/分/1.73 m2でした。
追跡期間中央値5.4年(IQR:5.1、5.9)、51820人年の間に、腎症複合評価項目はデュラグルチド1.5 mg投与群で848例(17.1%)、プラセボ投与群で970例(19.6%)に発現し、ハザード比は0.85(95%CI:0.77、0.93)でした2)。
表1)腎症複合評価項目及び重篤な腎機能関連有害事象(副次評価項目)2)
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デュラグルチド (N=4949) |
プラセボ投与群
(N=4952) |
ハザード比 (95%CI) |
848 (17.1%) |
970 (19.6%) |
0.85 (0.77、0.93) |
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新たな顕性アルブミン尿の発現a |
441 (8.9%) |
561 (11.3%) |
0.77 (0.68、0.87) |
eGFR≥30%b |
453 (9.2%) |
500 (10.1%) |
0.89 (0.78、1.01) |
慢性腎代替療法c |
16 (0.3%) |
21 (0.4%) |
0.75 (0.39、1.44) |
重篤な腎機能関連有害事象d |
84 (1.7%) |
93 (1.9%) |
0.90 (0.67、1.20) |
発現例数(%)
a UACR>33. 9mg/mmol。ベースライン時に顕性アルブミン尿が認められた791例を除く。
b eGFRの30%以上の継続的な低下。連続する2回のeGFR値に基づく。
c 透析又は腎移植を含む。
d GBDJ試験(REWIND)データベースの急性腎不全に関連する有害事象の報告検索に基づく。
※国内で承認されている効能又は効果は、「2型糖尿病」です3)。
※国内で承認されている用法及び用量は、「通常、成人には、デュラグルチド(遺伝子組換え)として、0.75 mgを週に1回、皮下注射する。なお、患者の状態に応じて1.5 mgを週に1回投与に増量できる。」です3)。
[引用元]
トルリシティ1.5 mg申請資料概要CTD2.7.6.3.1(承認時評価資料)
Gerstein HC, Colhoun HM, Dagenais GR, et al. Dulaglutide and renal outcomes in type 2 diabetes: an exploratory analysis of the REWIND randomised, placebo-controlled trial. Lancet. 2019;394:131-138.(HMN30671)
[略語]
CI=信頼区間
IQR=四分位範囲
UACR=尿中アルブミン/クレアチニン比
SD=標準偏差
最終更新日: June 2024
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