トルツ ® (イキセキズマブ(遺伝子組換え))
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炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)とIL-17との関連は?トルツ(イキセキズマブ)投与によって炎症性腸疾患の発現リスクは上がるか?
炎症性腸疾患(IBD)において、IL-12、IL-23、及びIL-17の相互作用は、腸の防御機構及び組織の炎症の調節に重要な役割を果たします。 イキセキズマブの17の臨床試験を統合した安全性解析においてIBDの発現率は以下のとおりでした。
[解説]
炎症性腸疾患(IBD)において、IL-12、IL-23、及びIL-17の相互作用は、腸の防御機構及び組織の炎症の調節に重要な役割を果たします1)。
動物実験では、IL-17阻害剤の腸の炎症治療における役割について矛盾した結果が示されています2)。
IBDの正確な病因は不明ですが、IL-17が腸の炎症に果たす機械的及び病理学的役割は、環境、遺伝、及び微生物の要因との相互作用を含む可能性があります3)。
乾癬患者は一般集団よりもIBDの負担が大きく4)、クローン病や潰瘍性大腸炎を発症するリスクが高いです5) 6)。
イキセキズマブの17の臨床試験を統合した安全性解析では、IBDの発生率は1%未満であり、確認されたIBDの症例は31例で、そのうち13例がクローン病、18例が潰瘍性大腸炎でした。IBDの大部分は新規発症(27例/31例)でした7)。IBDの既往歴がある患者44名のうち、41名はイキセキズマブ投与中に悪化しませんでした。報告された発生率は乾癬患者集団において予想されるIBDの発生率と一致していました6) 8)。
中等度から重度の乾癬患者では、イキセキズマブの治療を検討する際に、クローン病や潰瘍性大腸炎の確定診断を慎重に評価し、治療開始後にIBDの観察を十分に行う必要があります。
[引用元]
Moschen, A. R. et al.: Nat Rev Gastroenterol Hepatol, 16(3): 185-196, 2019
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Griffiths, C. E. M. et al.: Dermatol Ther (Heidelb), 12(6): 1431-1446, 2022(AIM00864)
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最終更新日: February 2025
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