ベージニオ ® (アベマシクリブ)
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ベージニオ(アベマシクリブ)の用法及び用量で、休薬期間が設定されていない理由は?なぜ連日投与できるのか?
アベマシクリブは、CDK4及び6の阻害作用を持続的に保つために、連日投与できることを目標に開発され、休薬期間を設定しない連日投与で臨床試験を行い、有効性と安全性が確認されています。
[解説]
アベマシクリブは、CDK4及び6の阻害作用を持続的に保つために、連日投与できることを目標に開発されました。
一方、アベマシクリブは休薬期間を設定しない連日投与で臨床試験を行い、有効性と安全性が確認されています。国際共同第III相試験(MONARCH 2試験及びMONARCH 3試験)では、アベマシクリブ+内分泌療法群において好中球減少症*によりアベマシクリブの休薬を要した患者、減量を要した患者、治験薬の投与中止を要した患者は次のとおりでした(表1)1)~3) 7)。
表1)好中球減少症*によるアベマシクリブの休薬、減量、及び治験薬の投与中止例(アベマシクリブ+内分泌療法群)1)~3) 7)
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MONARCH 2 試験 |
MONARCH 3 試験 |
アベマシクリブの休薬を要した患者 |
72/441例 (16.3%) |
51/327例 (15.6%) |
アベマシクリブの減量を要した患者 |
44/441例 (10.0%) |
37/327例 (11.3%) |
治験薬の投与中止**を要した患者 |
7/441例 (1.6%) |
6/327例 (1.8%) |
*統合語(好中球減少症、好中球減少)
**いずれかの治験薬(アベマシクリブ、フルベストラント、NSAI、任意の内分泌療法)のうち1剤以上を投与中止した場合。2剤を同時に投与中止した場合又は継続している残り1剤を投与中止した場合や、治験薬投与中に発現した有害事象による死亡も含む。
アベマシクリブはCDK4及びCDK6キナーゼ活性を阻害しますが、CDK6-サイクリンD3よりもCDK4-サイクリンD1に14倍高い選択性を示すことがin vitroの結合阻害定数(Ki)の比較試験で示されています(表2)4) 5)。CDK4-サイクリンD1が乳癌の増殖ドライバーであるのに対し、CDK6-サイクリンD3は骨髄での造血幹細胞の分化に関与することから6) 7)、好中球数に対する影響の違いは、このCDK4及び6選択性の違いに起因している可能性が考えられます。
表2)CDK4及び6-サイクリンD複合体に対する選択性(Ki)(in vitro)7)
CDK4-サイクリンD1 |
0.6±0.28 nM |
CDK6-サイクリンD3 |
8.2±1.1 nM |
[引用元]
ベージニオ(手術不能又は再発乳癌)申請資料概要 CTD2.7.6.15 (承認時評価資料)
ベージニオ(手術不能又は再発乳癌)申請資料概要 CTD2.7.6.16 (承認時評価資料)
ベージニオ(再発高リスクの乳癌における術後薬物療法)申請資料概要 CTD2.7.6.3 (承認時評価資料)
Torres-Guzmán, R., Calsina, B., Hermoso, A., et al.: Preclinical characterization of abemaciclib in hormone receptor positive breast cancer. Oncotarget, 8(41): 69493-69507, 2017(ONC50218)
Gelbert, L. M., Cai, S., Lin, X., et al.: Preclinical characterization of the CDK4/6 inhibitor LY2835219: in-vivo cell cycle-dependent/independent anti-tumor activities alone/in combination with gemcitabine. Invest New Drugs, 32(5): 825-837, 2014(ONC50196)
Malumbres, M., Barbacid, M.: To cycle or not to cycle: a critical decision in cancer. Nat Rev Cancer, 1(3): 222-231, 2001(ONC50219)
最終更新日: February 2024
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