エムガルティ ® (ガルカネズマブ(遺伝子組換え))
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エムガルティ(ガルカネズマブ)の肝機能障害患者さんへの投与において制限はあるか?
電子添文上、エムガルティ(ガルカネズマブ)の肝機能障害患者さんへの投与に制限はなく、用量調整は不要です。ただし、臨床試験において肝機能障害患者への投与は除外されています。
[解説]
電子添文上、ガルカネズマブの肝機能障害患者さんへの投与に制限はありません。用量調整は不要と考えています1)。
肝機能障害患者におけるガルカネズマブの薬物動態に関する検討は行っていませんが、IgGモノクローナル抗体は主に細胞外異化経路により消失し、肝機能障害はガルカネズマブのクリアランスに影響しないと考えられます1)。母集団薬物動態解析*1に基づくと、ビリルビン濃度はガルカネズマブの見かけのクリアランスに影響を及ぼしませんでした1) 2)。
ガルカネズマブの臨床試験では、肝機能障害患者は除外*2されていたため、肝機能障害患者を対象に有効性及び安全性を評価した臨床試験結果はありません。
*1:主に外国の片頭痛患者を解析対象として実施した母集団薬物動態解析
*2:関連する除外基準
CGAN試験 主な除外基準3) |
・Visit 1で肝機能検査値に臨床的に問題となる正常基準範囲外の項目があった患者。ALTが基準範囲上限の2倍を超えた場合、TBLが基準範囲上限の1.5倍を超えた場合、又はALPが基準範囲上限の2倍を超えた場合は、組入れ前に、治験依頼者の医学専門家と協議し臨床的に問題がないかを判断しなければならない。 |
CGAP試験 主な除外基準4) |
反復性片頭痛 ・CGAN試験中の肝機能検査値に臨床的に問題となる正常基準範囲外の項目があった患者。ALTがULNの2倍を超えた、TBLがULNの1.5倍を超えた、又はALPがULNの2倍を超えた場合は、組入れ前に、治験依頼者の医学専門家と協議し臨床的に問題がないかどうかを判断しなければならない。
慢性片頭痛 ・Visit 1で肝機能検査値に臨床的に問題となる正常基準範囲外の項目があった患者。ALTがULNの2倍を超えた場合、TBLがULNの1.5倍を超えた場合、又はALPがULNの2倍を超えた場合は、組入れ前に、治験依頼者の医学専門家と協議し臨床的に問題がないと判断しなければならない。 |
CGAW試験 主な除外基準5) |
・Visit 1で肝機能検査値に臨床的に問題となる正常基準範囲外の項目があった患者。ALTがULNの2倍を超えた、TBLがULNの1.5倍を超えた、又はALPがULNの2倍を超えた場合は、組入れ前に、治験責任医師及び治験依頼者の医学専門家が協議し臨床的に問題がないかどうかを判断しなければならない。 |
[引用元]
エムガルティ申請資料概要 CTD2.7.2.3.1.1.6 (承認時評価資料)
エムガルティ申請資料概要 CTD2.7.6.6.1 (承認時評価資料)
エムガルティ申請資料概要 CTD2.7.6.13.1 (承認時評価資料)
エムガルティ申請資料概要 CTD2.7.6.7.1 (承認時評価資料)
[略語]
IgG = 免疫グロブリンG
ALT = アラニンアミノトランスフェラーゼ
TBL = 総ビリルビン値
ALP = アルカリホスファターゼ
ULN = 基準値上限
最終更新日: April 2024
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