エムガルティ ® (ガルカネズマブ(遺伝子組換え))
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肝機能障害がない患者において、エムガルティ(ガルカネズマブ)投与による肝に対する影響はあるか?
エムガルティ(ガルカネズマブ)の投与により、肝機能検査値について臨床的に問題となる影響は認められませんでした。
[解説]
ガルカネズマブはモノクローナル抗体であり、タンパク質の異化経路によりペプチド及びアミノ酸に分解されて体内から消失すると考えられることから、代謝に関する試験は実施しませんでした1)。
第II相及び第III相試験において、ガルカネズマブの投与を受けた期間中に肝機能検査値の増加が認められましたが、Hy’s Lawの基準*1を満たした患者はいませんでした2)。
国内第II相試験(CGAN試験、安全性解析対象症例数459例)では、二重盲検投与期間に肝機能検査値の増加の基準*2を満たした患者はいませんでした3)。
国内第III相長期投与試験(CGAP試験、安全性解析対象症例数311例)において、非盲検投与期間に肝機能検査値の増加が認められた患者の割合は以下のとおりです3)。
・ALTが基準範囲上限の3倍以上増加
慢性片頭痛患者:本剤120 mg投与群3.1%(1/32例)
・ALTが基準範囲上限の5倍以上増加
慢性片頭痛患者:本剤120 mg投与群3.1%(1/32例)
・ASTが基準範囲上限の3倍以上増加
慢性片頭痛患者:本剤120 mg投与群3.1%(1/32例)
*1:以下の3項目からなる薬剤性肝障害の指標
Hy’s Lawの基準 |
・薬剤に起因するALTの基準範囲上限の3倍以上の増加が認められる。 ・胆汁うっ滞の初期所見がなかった(ALPは基準範囲上限の2倍未満)にも関わらずTBLの基準範囲上限の2倍以上の増加が認められる。 ・他の要因による肝障害がない。 |
*2:ALT又はASTのベースライン後の値が基準範囲上限の3倍以上、ALPのベースライン後の値が基準範囲上限の2倍以上、TBLのベースライン後の値が基準範囲上限の2倍以上
[引用元]
エムガルティ申請資料概要 CTD2.6.4.5 (承認時評価資料)
エムガルティ申請資料概要 CTD表2.5.5-7 (承認時評価資料)
エムガルティ申請資料概要 CTD2.7.4.2.1.6.2.5 (承認時評価資料)
[略語]
ALP = アルカリホスファターゼ
ALT = アラニンアミノトランスフェラーゼ
AST = アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ
TBL = 総ビリルビン値
最終更新日: April 2024
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