オルミエント ® (バリシチニブ)
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<効能共通>オルミエント(バリシチニブ)を投与する際に医療従事者が考慮する必要がある静脈血栓塞栓症(DVT/PE)のリスク因子は?
関節リウマチ患者を対象とした臨床試験において静脈血栓塞栓症を発現した患者が有していた静脈血栓塞栓症に関するリスク因子は、肥満、手術歴、可動性低下等でした。SARS-CoV-2による肺炎患者を対象とした臨床試験において静脈血栓塞栓症を発現した患者が有していた静脈血栓塞栓症に関するリスク因子は、肥満、年齢(65歳以上)、うっ血性心不全、慢性呼吸器疾患等でした。
[解説]
<効能共通>
関節リウマチ患者を対象とした臨床試験において静脈血栓塞栓症を発現した患者が有していた静脈血栓塞栓症に関するリスク因子は、肥満、手術歴、可動性低下等でした1)。また、SARS-CoV-2による肺炎患者を対象とした臨床試験において静脈血栓塞栓症を発現した患者が有していた静脈血栓塞栓症に関するリスク因子は、肥満(BMI 30kg/m2以上)、年齢65歳以上等でした2)。なお、COVID-19患者では静脈血栓塞栓症の発現リスクが高まることが知られています3)。多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎患者を対象とした臨床試験において肺塞栓症を発現した患者では、肺塞栓症の既知のリスク因子である過体重[BMI:28.42kg/m2]、脂質異常症、及び血小板数の増加が認められました4)。なお、静脈血栓塞栓症の発現率は成人と比べて子供で低く、小児の静脈血栓塞栓症の約90%~95%がリスク因子(代謝疾患や症候群の診断、肥満、埋め込みデバイス、手術歴、年齢等)と関連していると報告されています5)。
これらの静脈血栓塞栓症のリスク因子を有する患者にバリシチニブを投与する場合は、観察を十分に行いながら、慎重に投与してください。また、SARS-CoV-2による肺炎患者にバリシチニブを投与する場合は、やむを得ない場合を除き、抗凝固薬の投与等による血栓塞栓予防を行ってください6)。
[引用元]
オルミエント 適正使用ガイド(関節リウマチ/多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎)
オルミエント COVID-19申請資料概要CTD2.5.5(承認時評価資料)
Porfidia, A. et al. Venous thromboembolism in patients with COVID-19: Systematic review and meta-analysis. Thromb Res. 2020; 196:67-74.(AIM00838)
オルミエント 多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎申請資料概要CTD2.7.4.2(承認時評価資料)
Georgopoulos G, et al. Incidence of deep vein thrombosis and pulmonary embolism in the elective pediatric orthopaedic patient. J Pediatr Orthop. 2016; 36(1):101-109.
COVID-19 = SARS-CoV-2による感染症
DVT = 深部静脈血栓症
PE = 肺塞栓症
SARS-CoV-2 = 重症急性呼吸器症候群コロナウイルス-2
最終更新日: June 2024
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