レイボー ® (ラスミジタンコハク酸塩)
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レイボー(ラスミジタン)を腎機能障害患者に投与してもよいか?投与する際の注意点(用量調整など)は?
電子添文上、ラスミジタンは腎機能障害患者への投与に制限はなく、投与時の用量調整の規定はありません。
[解説]
ラスミジタンは、主にCYP以外の酵素により肝内及び肝外で代謝されます。主要な代謝経路はケトン還元によるアルコール生成(S-M8)で、投与量の約66%がS-M8として尿中に排泄されました。ラスミジタンは主に代謝によって消失し、尿中未変化体排泄率は約3%で、腎排泄はわずかでした1) 2)。
腎機能障害患者を対象とした外国第I相臨床試験LAHN試験において、重度腎機能障害患者(eGFR:30 mL/分/1.73 m2未満)と正常腎機能者(eGFR:90 mL/分/1.73 m2以上)では、ラスミジタンのPKパラメータに臨床的に意義のある差はみられませんでした2)~4)。
《LAHN試験》
重度腎機能障害患者及び正常腎機能者各8例に、ラスミジタン200 mg(最大臨床用量)を空腹時に単回投与したときのラスミジタンのPKパラメータを評価しました3) 4)。
正常腎機能者と比較して、重度腎機能障害患者では、ラスミジタンのCmaxの幾何平均値は13%上昇し、AUC0-∞の幾何平均値は18%増加しましたが、個体間変動(Cmax、AUC0-∞の個体間変動は、正常腎機能者でそれぞれ44%、44%、重度腎機能障害患者でそれぞれ35%、32%)の範囲内でした(表1)3) 4)。
表1)ラスミジタンのPKパラメータに及ぼす腎機能障害の影響3) 4)
パラメータ |
被験者 |
n |
最小二乗幾何 平均値 |
最小二乗幾何平均値の比 重度腎機能障害/正常腎機能 (90%信頼区間) |
|
Cmax (ng/mL) |
正常腎機能 |
8 |
259 |
1.13(0.81, 1.58) |
|
重度腎機能 障害 |
8 |
293 |
|||
AUC0-∞ (ng・h/mL) |
正常腎機能 |
8 |
1600 |
1.18(0.85, 1.64) |
|
重度腎機能 障害 |
8 |
1890 |
|||
パラメータ |
被験者 |
n |
中央値 |
中央値の差 重度腎機能障害/正常腎機能 (90%信頼区間) |
p値* |
tmax (h) |
正常腎機能 |
8 |
2.50 |
0.38(-0.50, 1.25) |
0.4684 |
重度腎機能 障害 |
8 |
1.78 |
*Wilcoxon順位和検定
腎機能障害の程度は、米国腎臓財団(National Kidney Foundation)の定義に従い、またModification of Diet in Renal Disease(MDRD)分類を用いて分類しました3)。
[引用元]
レイボー申請資料概要 CTD2.7.2.3.1.4,2.7.2.3.1.5,2.7.6.6 (承認時評価資料)
レイボー申請資料概要 CTD2.7.2.2.2.2.4.4,2.7.6.8 (承認時評価資料)
[略語]
AUC0-∞ = 0時間から無限時間まで外挿した血漿中濃度-時間曲線下面積
Cmax = 最高血漿中濃度
CYP = チトクロームP450
PK = 薬物動態
tmax = 最高血漿中濃度到達時間
最終更新日: August 2024
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