レイボー ® (ラスミジタンコハク酸塩)
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レイボー(ラスミジタン)を妊娠を希望する患者、妊婦、授乳婦に投与可能か?投与した報告はあるか?
妊娠への投与は禁忌ではありません。 ただし、妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみラスミジタンを投与してください。 また、授乳婦では、治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止をご検討ください。 臨床試験において女性21例が妊娠したとの報告があります。妊娠転帰は表1の通りです。
[解説]
<妊娠を希望する患者/妊婦>
妊娠への投与は禁忌ではありません1)。
ラスミジタンがヒトの胎児の発育に及ぼす影響は知られていないことから、ラスミジタンの臨床試験では妊婦及び授乳婦を除外しており、生殖能力を有する女性は効果の高い避妊法(経口避妊薬など)の使用が推奨されました。さらに、すべての臨床試験で、妊娠を治験薬の投与中止基準としました。そのため、妊婦への投与に関する安全性データは限定的で、授乳婦への投与は安全性情報が得られておらず、安全性は確立しておりません2)。
片頭痛有病率は20~40歳代女性で高く、妊娠可能な患者も少なくないことから、妊娠転帰はベネフィット・リスク評価に重大な影響を及ぼし得ると考えられます3)。妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみラスミジタンを投与してください1)。
《生殖発生への影響(ラット、ウサギ)》
受胎能及び初期胚発生に関する試験において、ヒトへの最大臨床用量(200 mg/日)を超える曝露量(2.8~64倍)を、ラット及びウサギに投与したとき、母体毒性に起因した所見と考えられる胎児の体重減少及び骨格異常を含む胚・胎児毒性が発現しました4) 5)。ウサギを用いた胚・胎児発生に関する試験では、臨床曝露量の2.8倍に相当する曝露量で、着床後胚損失率の増加及び胎児の心血管系の異常が認められました4) 5)。
また、出生前及び出生後の発生並びに母体機能に関する試験において、ヒトへの最大臨床用量(200 mg/日)を超える曝露量(約60倍)を、ラットに投与したとき、死産及び出生後の死亡の増加が認められました3) 4)。
《胎盤通過(ラット)》
[14C]ラスミジタンを妊娠ラットに投与したとき、胎児組織中の放射能濃度は投与1又は2時間後に最高値に達し、投与24時間後もすべての胎児組織中で放射能が検出されました6)。
<授乳婦>
ラスミジタンのヒト乳汁中への移行や、授乳中の乳児及び母乳産生への影響に関するデータはありませんので、授乳婦では、治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止をご検討ください1)。
《乳汁中排泄(ラット)》
[14C]ラスミジタンを授乳ラットに投与したとき、乳汁中の放射線濃度は投与4時間後に最高値に達し、乳汁/血漿中濃度比は投与1、4、8及び24時間後のすべての時点で3.24~3.84の範囲でした1) 5) 7)。
<妊婦への投与例>
片頭痛患者を対象とした外国第III相臨床試験SPARTAN(LAHK)試験と、外国第III相長期安全性試験GLADIATOR(LAHL)試験において、女性21例が妊娠しました2)。妊娠転帰は表1のとおりです。
表1)臨床試験※中の妊娠転帰2)
|
臨床試験中の妊娠(例数) |
女性3439例に占める割合(%) |
ラスミジタン曝露(例数) |
女性3439例に占める割合(%) |
正常出産 |
8 |
0.23 |
4 |
0.12 |
早産 |
2 |
0.06 |
1 |
0.03 |
自然流産 |
5 |
0.15 |
3 |
0.09 |
人工妊娠中絶 |
1 |
0.03 |
1 |
0.03 |
不明 |
5 |
0.15 |
3 |
0.09 |
上記すべて(母体を介した曝露) |
21 |
0.61 |
12 |
0.35 |
※外国第III相臨床試験(SPARTAN[LAHK]試験及びGLADIATOR[LAHL]試験)
【レイボーの国内における用法及び用量1)】
通常、成人にはラスミジタンとして1回100 mgを片頭痛発作時に経口投与する。ただし、患者の状態に応じて1回50 mg又は200 mgを投与することができる。
頭痛の消失後に再発した場合は、24時間あたりの総投与量が200 mgを超えない範囲で再投与できる。
[引用元]
最終更新日: July 2024
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