レイボー ® (ラスミジタンコハク酸塩)
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レイボー(ラスミジタン)の片頭痛の随伴症状への有効性は?
ラスミジタンの国内外の臨床試験成績において、最も煩わしい随伴症状(MBS)の消失が認められた被験者の割合は、プラセボ群と比較してラスミジタン群で高くなりました。 なお、最も煩わしい随伴症状(MBS)のうち、光過敏及び音過敏ではラスミジタン群とプラセボ群の間で有意差が認められましたが、悪心では認められませんでした。
[解説]
片頭痛患者を対象とした国内第II相臨床試験MONONOFU(LAIH)試験、並びに外国第III相臨床試験SPARTAN(LAHK)試験及びSAMURAI(LAHJ)試験の併合解析において、最も煩わしい随伴症状(MBS)の消失が認められた被験者の割合は、以下のとおりです(副次評価項目)。
《MONONOFU(LAIH)試験》
服用4時間後までの各評価時点で、最も煩わしい随伴症状(MBS)の消失が認められた被験者の割合は、ラスミジタン50 mg群では服用3時間後から、100 mg群では服用1時間後から、200 mg群では服用2時間後から4時間後に、プラセボ群との間に有意差が認められました(p<0.05、ロジスティック回帰モデル)(表1)1)。
表1)服用4時間後までの各評価時点で最も煩わしい随伴症状(MBS)の消失が認められた被験者の割合(mITT集団)(MONONOFU[LAIH]試験)1)
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プラセボ群 (n=211) |
ラスミジタン50 mg群 (n=85) |
ラスミジタン100 mg群 (n=207) |
ラスミジタン200 mg群 (n=179) |
0.5時間 |
28/157(17.8) |
11/59(18.6) |
36/150(24.0) |
20/121(16.5) |
1時間 |
45/157(28.7) |
19/59(32.2) |
63/150(42.0)* |
40/121(33.1) |
1.5時間 |
63/157(40.1) |
27/59(45.8) |
82/150(54.7)* |
59/121(48.8) |
2時間 |
73/157(46.5) |
33/59(55.9) |
87/150(58.0)* |
73/121(60.3)* |
3時間 |
75/157(47.8) |
39/59(66.1)* |
99/150(66.0)* |
81/121(66.9)* |
4時間 |
87/157(55.4) |
43/59(72.9)* |
107/150(71.3)* |
90/121(74.4)* |
例数(%)
*p<0.05(vs.プラセボ群。投与群、ベースラインでの予防薬の使用の有無を説明変数としたロジスティック回帰モデル)
《SPARTAN(LAHK)試験及びSAMURAI(LAHJ)試験の併合解析》
初回服用120分後までの各評価時点で、最も煩わしい随伴症状(MBS)の消失が認められた被験者の割合(mITT集団)は、ラスミジタン50 mg群では初回服用120分後、100 mg及び200 mg群では初回服用30分後から120分後に、プラセボ群との間に有意差が認められました(p<0.05。試験、投与群、ベースラインでの予防薬の使用の有無を説明変数としたロジスティック回帰モデル)2)。
なお、光過敏の消失が認められた被験者の割合(mITT集団)は、ラスミジタン50 mg及び100 mg群では服用60分後から、200 mg群では服用30分後から、音過敏の消失が認められた被験者の割合(mITT集団)は、100 mg群では服用60分後から、200 mg群では服用30分後から120分後に、プラセボ群との間に有意差が認められました(p<0.05。試験、投与群、ベースラインでの予防薬の使用の有無を説明変数としたロジスティック回帰モデル)3)。
一方、悪心の消失が認められた被験者の割合(mITT集団)には、いずれのラスミジタン群もプラセボ群との間で有意差は認められませんでした(p≥0.05。試験、投与群、ベースラインでの予防薬の使用の有無を説明変数としたロジスティック回帰モデル)2)。
頭痛消失 |
頭痛の重症度が治験薬服用前の中等度又は重度から消失になること。 |
頭痛改善 |
頭痛の重症度が治験薬服用前の中等度又は重度から消失又は軽度になること。 |
最も煩わしい随伴症状(MBS)の消失 |
治験薬服用前に最も煩わしい随伴症状(MBS)として選択された片頭痛随伴症状(悪心、音過敏、光過敏のいずれか)が消失していること。 |
《評価項目の定義(SPARTAN[LAHK]試験、SAMURAI[LAHJ]試験)》
頭痛消失 |
頭痛の重症度が治験薬服用前の軽度、中等度又は重度から消失になること。 |
頭痛改善 |
頭痛の重症度が治験薬服用前の中等度又は重度から消失又は軽度になること、もしくは治験薬服用前の軽度から消失になること。 |
最も煩わしい随伴症状(MBS)の消失 |
治験薬服用前に最も煩わしい随伴症状(MBS)として選択された片頭痛随伴症状(悪心、音過敏、光過敏のいずれか)が消失していること。 |
【MONONOFU(LAIH)試験の概要・安全性】3) 4)
試験デザイン |
第II相、多施設共同、前向き、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間試験 |
対象 |
日常生活への支障がある片頭痛を有する日本人成人患者846例 |
方法 |
1回の片頭痛発作に対して、頭痛の重症度が中等度又は重度で改善が認められず、他の片頭痛治療薬を服用していない場合に、治験薬(プラセボ又はラスミジタン50 mg、100 mg、もしくは200 mg)を発作発現後4時間以内に服用した。 |
治療する発作回数 |
1回の片頭痛発作 |
安全性 |
副作用発現頻度は、全ラスミジタン群で67.3%(321/477例)であった。全ラスミジタン群で最も多い副作用は浮動性めまい38.4%であった。 |
【SPARTAN(LAHK)試験の概要・安全性】5)~7)
試験デザイン |
第III相、多施設共同、前向き、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間試験 |
対象 |
日常生活への支障がある片頭痛を有する外国人成人患者3005例 |
方法 |
1回の片頭痛発作に対して、頭痛の重症度が中等度又は重度で改善が認められない場合に、治験薬(プラセボ又はラスミジタン50 mg、100 mg、もしくは200 mg)を発作発現後4時間以内に服用した(初回服用)。本試験では1回の片頭痛発作に対して、必要に応じて初回服用2時間後の評価完了後から初回服用後24時間以内に、レスキュー治療又は再発治療のための治験薬の追加服用又は再服用をしても良いこととした(追加服用)。 |
治療する発作回数 |
1回の片頭痛発作 |
安全性 |
副作用発現割合は全ラスミジタン群で31.5%(611/1938例)であった。全ラスミジタン群で初回服用後の最も多い副作用は浮動性めまい14.5%であった。 |
【SAMURAI(LAHJ)試験の概要・安全性】7)~9)
試験デザイン |
第III相、多施設共同、前向き、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間試験 |
対象 |
日常生活への支障がある片頭痛を有する外国人成人患者2231例 |
方法 |
1回の片頭痛発作に対して、頭痛の重症度が中等度又は重度で改善が認められない場合に、治験薬(プラセボ又はラスミジタン100 mgもしくは200 mg)を発作発現後4時間以内に服用した(初回服用)。1回の片頭痛発作に対して、必要に応じて初回服用2時間後の評価完了後から初回服用後24時間以内に、レスキュー治療又は再発治療のための治験薬の追加服用又は再服用をしても良いこととした(追加服用)。 |
治療する発作回数 |
1回の片頭痛発作 |
安全性 |
副作用発現頻度は、全ラスミジタン群で35.7%(442/1239例)であった。全ラスミジタン群で初回服用後の最も多い副作用は浮動性めまい13.6%であった。 |
上記の試験は承認時評価資料ですが、追加投与に関して一部承認外の成績が含まれることをご留意ください。 |
[引用元]
レイボー申請資料概要 CTD表2.7.3.3-34 (承認時評価資料)
Ashina, M. et al.: Headache, 59(10): 1788-1801, 2019(CNS31615)
レイボー申請資料概要 CTD2.7.6.20.1,2.7.3.1.1表2.7.3.1-1 (承認時評価資料)
レイボー申請資料概要 CTD付録表2.7.6.20-2 (承認時評価資料)
レイボー申請資料概要 CTD2.7.6.24.1,2.7.3.1.1表2.7.3.1-1 (承認時評価資料)
社内資料(治験総括報告書SPARTAN[LAHK]試験)
レイボー申請資料概要 CTD2.7.6.23.1,2.7.3.1.1表2.7.3.1-1 (承認時評価資料)
社内資料(治験総括報告書SAMURAI[LAHJ]試験)
[略語]
MBS = most bothersome symptom(悪心、音過敏及び光過敏に関連した症状から被験者が選択した最も煩わしい症状)
mITT = modified intent to treat
最終更新日: August 2024
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