レイボー ® (ラスミジタンコハク酸塩)
以下は適正使用情報として、本邦における承認事項(用法・用量、適応、剤形など)以外の情報が含まれる場合がございます。薬剤の使用に際しては、製品情報ページにある最新の電子化された添付文書をご確認ください。
三叉神経血管説におけるレイボー(ラスミジタン)とCGRPの関係は?
片頭痛の病態には三叉神経系の過活動が関係しているとされ、片頭痛発作時には、三叉神経からの神経伝達物質(CGRP、グルタミン酸など)の放出が増加します。薬理試験の結果から、ラスミジタンは三叉神経系におけるCGRP放出阻害作用を有することが示されています。
[解説]
片頭痛の病態には、三叉神経系の過活動が関係しており、三叉神経系や視床、大脳皮質の神経細胞やシナプスに発現しているセロトニン1F受容体は、この過活動の調整に関連しています。片頭痛発作時には、三叉神経における神経原性炎症や疼痛シグナル伝達に関わる神経伝達物質(CGRP、グルタミン酸など)の放出が増加すると考えられています1) 2)。
ラスミジタンは速やかに中枢に移行して、セロトニン1F受容体に選択的に結合し、末梢では、三叉神経からの神経伝達物質(CGRP、グルタミン酸など)の放出を抑制し、中枢では、疼痛シグナル伝達を抑制することで、片頭痛発作に対する効果を示すと考えられています1) 2)。
マウス三叉神経系からのCGRP放出に対する阻害作用を検討したex vivo試験において、塩化カリウム刺激によるCGRP放出は、ラスミジタン群と溶媒群との間に有意差がみられました(硬膜[n=9]:6.4 ± 1.2[溶媒群] vs. 2.6 ± 0.5[ラスミジタン群]、三叉神経節[n=12]:7.4 ± 2.6 vs. 2.1 ± 0.7、三叉神経尾側核[n=9]:10.9 ± 3.0 vs. 3.6 ± 1.1、p<0.05、片側Wilcoxon符号付順位検定)3) 4)。
このことから、ラスミジタンの作用機序の1つが三叉神経系におけるCGRP放出阻害である可能性が示唆されました3)。
[引用元]
Clemow, B. D. et al.: J Headache Pain, 21(1): 71, 2020(CNS31603)
レイボー申請資料概要 CTD2.6.2.2.2.2.1 (承認時評価資料)
Labastida-Ramírez, A. et al.: Pain, 161(5): 1092-1099, 2020(CNS31632)
[略語]
CGRP = カルシトニン遺伝子関連ペプチド
最終更新日: July 2024
お探しの情報が見つからない場合は、こちら よりお問い合わせください。