レイボー ® (ラスミジタンコハク酸塩)
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レイボー(ラスミジタン)を服薬していったん頭痛消失した後、片頭痛発作が再発した場合に、再度服薬した際の有効性は?
ラスミジタン初回服用後に頭痛が消失し、初回服用後24時間以内に再発した片頭痛発作への再服用について、ラスミジタンの有効性が示唆されました。
[解説]
片頭痛患者を対象とした外国第III相臨床試験SPARTAN(LAHK)試験及びSAMURAI(LAHJ)試験は、治験薬(プラセボ又はラスミジタン50 mg※1、100 mgもしくは200 mg)を追加服用するレスキュー治療※2及び再発治療※3を許容しました1) 2)。
※1:SPARTAN(LAHK)試験のみ
※2:治験薬初回投与2時間後に頭痛消失が認められず、治験薬以外の片頭痛に対する急性期治療薬を使用していない場合の治験薬の追加投与
※3:初回投与後2時間以内に頭痛消失が認められたが、それ以降に再発した場合の治験薬の再投与
SPARTAN(LAHK)試験及びSAMURAI(LAHJ)試験の併合解析(追加解析)において、ラスミジタン初回服用後に再発治療を行った被験者において、片頭痛の再発治療のための治験薬の再服用2時間後に頭痛消失が認められた被験者の割合は、ラスミジタン(初回服用)/ラスミジタン(再服用)群と、ラスミジタン/プラセボ群との間に有意差は認められませんでした(p>0.05、Wald検定)(表1)3)。
一方、最も煩わしい随伴症状(MBS)の消失及び頭痛改善は、ラスミジタン/ラスミジタン群とラスミジタン/プラセボ群との間に有意差が認められました(p=0.02[最も煩わしい随伴症状(MBS)の消失]、p=0.03[頭痛改善]、Wald検定)(表1)3)。
ラスミジタン初回服用後に頭痛が消失し、初回服用後24時間以内に再発した片頭痛発作への再服用については、解析対象となった症例数は限られるものの、いずれのラスミジタンの用量でもプラセボを上回る有効性が示唆されたと考えられました4)。
表1)治験薬の再服用2時間後に、頭痛消失、最も煩わしい随伴症状(MBS)の消失及び頭痛改善が認められた被験者の割合(ITT-second dose-再発治療集団)(SPARTAN[LAHK]試験及びSAMURAI[LAHJ]試験の併合解析)3)
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初回服用/再服用 |
群間差* |
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ラスミジタン /プラセボ群 |
ラスミジタン /ラスミジタン群 |
||
頭痛消失 |
8/25(32) |
24/48(50) |
p>0.05 |
最も煩わしい随伴症状(MBS)の消失 |
9/22(41) |
29/41(71) |
p=0.02 |
頭痛改善 |
13/25(52) |
37/48(77) |
p=0.03 |
例数(%)、*Wald検定
なお、治験薬の再服用は初回服用と同量のラスミジタン又はプラセボのいずれかであったため、初回用量と異なる用量のラスミジタンを再服用した場合の有効性のデータは得られていません3)。
《評価項目の定義》
頭痛消失 |
頭痛の重症度が治験薬服用前の軽度、中等度又は重度から消失になること。 |
頭痛改善 |
頭痛の重症度が治験薬服用前の中等度又は重度から消失又は軽度になること、もしくは治験薬服用前の軽度から消失になること。 |
最も煩わしい随伴症状(MBS)の消失 |
治験薬服用前に最も煩わしい随伴症状(MBS)として選択された片頭痛随伴症状(悪心、音過敏、光過敏のいずれか)が消失していること。 |
【SPARTAN(LAHK)試験の概要・安全性】1) 5) 6)
試験デザイン |
第III相、多施設共同、前向き、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間試験 |
対象 |
日常生活への支障がある片頭痛を有する外国人成人患者3005例 |
方法 |
1回の片頭痛発作に対して、頭痛の重症度が中等度又は重度で改善が認められない場合に、治験薬(プラセボ又はラスミジタン50 mg、100 mg、もしくは200 mg)を発作発現後4時間以内に服用した(初回服用)。本試験では1回の片頭痛発作に対して、必要に応じて初回服用2時間後の評価完了後から初回服用後24時間以内に、レスキュー治療又は再発治療のための治験薬の追加服用又は再服用をしても良いこととした(追加服用)。 |
治療する発作回数 |
1回の片頭痛発作 |
安全性 |
副作用発現割合は全ラスミジタン群で31.5%(611/1938例)でした。全ラスミジタン群で初回服用後の最も多い副作用は浮動性めまい14.5%でした。 |
【SAMURAI(LAHJ)試験の概要・安全性】2) 6) 7)
試験デザイン |
第III相、多施設共同、前向き、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間試験 |
対象 |
日常生活への支障がある片頭痛を有する外国人成人患者2231例 |
方法 |
1回の片頭痛発作に対して、頭痛の重症度が中等度又は重度で改善が認められない場合に、治験薬(プラセボ又はラスミジタン100 mgもしくは200 mg)を発作発現後4時間以内に服用した(初回服用)。1回の片頭痛発作に対して、必要に応じて初回服用2時間後の評価完了後から初回服用後24時間以内に、レスキュー治療又は再発治療のための治験薬の追加服用又は再服用をしても良いこととした(追加服用)。 |
治療する発作回数 |
1回の片頭痛発作 |
安全性 |
副作用発現頻度は、全ラスミジタン群で35.7%(442/1239例)でした。全ラスミジタン群で初回服用後の最も多い副作用は浮動性めまい13.6%でした。 |
上記の試験は承認時評価資料ですが、追加服用に関して一部承認外の成績が含まれることをご留意ください。 |
【レイボーの国内における用法及び用量】8)
通常、成人にはラスミジタンとして1回100 mgを片頭痛発作時に経口投与する。ただし、患者の状態に応じて1回50 mg又は200 mgを投与することができる。
頭痛の消失後に再発した場合は、24時間あたりの総投与量が200 mgを超えない範囲で再投与できる。
[引用元]
レイボー申請資料概要 CTD2.7.6.24.1表2.7.3.1-1 (承認時評価資料)
レイボー申請資料概要 CTD2.7.6.23.1表2.7.3.1-1 (承認時評価資料)
Loo, L. S. et al.: BMC Neurol, 19(1): 191, 2019(CNS31639)
レイボー審査報告書
社内資料(治験総括報告書SPARTAN[LAHK]試験)
社内資料(治験総括報告書SAMURAI[LAHJ]試験)
[略語]
ITT = intent-to-treat
MBS = most bothersome symptom(悪心、音過敏及び光過敏に関連した症状から被験者が選択した最も煩わしい症状)
最終更新日: September 2024
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