レイボー ® (ラスミジタンコハク酸塩)
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レイボー(ラスミジタン)の臨床試験における「血圧や心拍」への影響は?影響を及ぼす機序は?
ラスミジタンによるバイタルサイン(血圧又は心拍)への影響として、臨床薬理試験において、収縮期血圧及び拡張期血圧のわずかな上昇、心拍数の減少がみられました。影響を及ぼす機序については不明です。 なお、電子添文上、心拍数を減少させる薬剤(プロプラノロール)が併用注意に設定されています。これらの薬剤との併用の際には慎重に投与する必要があります。
[解説]
ラスミジタンは経口の急性期治療薬であるため、国内外の第II、III相臨床試験では血圧や心拍等のバイタルサインを治験施設内で測定する試験方法ではありませんでした1)。
ラスミジタン服用に近い時点でバイタルサインの測定を行った臨床薬理試験成績※は、以下のとおりです。
※健康被験者を対象とした単回投与試験、健康被験者を対象とした反復投与試験、高齢健康被験者を対象とした単回投与試験及びその他の特別な集団を対象とした単回投与試験の併合解析(外国第I相臨床試験19試験の併合解析)
《臨床薬理試験成績》
全体として、ラスミジタン投与の約1時間後に収縮期血圧及び拡張期血圧のわずかな上昇がみられましたが、いずれの投与群(プラセボ群及びラスミジタン各用量群)でも血圧の変動は生理的な変動の範囲内と考えられました2)。
また、全体として、ラスミジタン投与後に心拍数の減少が一貫して認められました。ベースライン値からの変化量の最大値は、プラセボ投与時で約-2~5 bpm、ラスミジタン(50 mg~200 mg)投与時で約-5~10 bpmで2) 3)、生理的な変動でも起こり得る範囲での一時的な変化でした4)。
徐脈(50 bpm未満かつベースラインから15 bpm以上の減少)が認められた被験者の割合は、プラセボ投与時で1.1%、ラスミジタン50 mg投与時で7.1%、100 mg投与時で2.9%、200 mg投与時で4.1%でした2) 3)。
なお、健康被験者を対象とした外国第I相臨床試験LAHD試験において、ラスミジタンとプロプラノロールの併用投与により心拍数の減少が認められたことから5) 6)、電子添文上、心拍数を減少させる薬剤(プロプラノロール)は併用注意に設定されています7)。これらの薬剤と併用する際には慎重に投与する必要があります7)。
《プロプラノロールとの薬物相互作用試験(LAHD試験)》
健康成人44例に、プロプラノロール80 mgを1日2回6日間反復経口投与し、プロプラノロール投与6日目に併用薬としてラスミジタン200 mgを単回経口投与して、ラスミジタンとプロプラノロールの薬物相互作用を評価したところ、併用投与時に心拍数の平均変化量が最大19.3 bpm減少し、プロプラノロール単独投与時と比較して、さらに5.1 bpm減少しました5) 6)。
《影響を及ぼす機序》
ラスミジタンがバイタルサインに影響を及ぼす機序については不明です。
【レイボーの相互作用】(抜粋)7)
10.2 併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等 |
臨床症状・措置方法 |
機序・危険因子 |
心拍数を減少させる薬剤 プロプラノロール |
プロプラノロールと本剤を併用すると、心拍数が平均最大19.3 bpm低下し、プロプラノロールを単独投与したときと比較して、更に5.1 bpm減少した。 心拍数を減少させる薬剤と併用する場合は、慎重に投与する必要がある。 |
本剤は心拍数の減少と関連しているため、作用が相加的にあらわれることがある。 |
[引用元]
レイボー申請資料概要 CTD2.7.4.4.1,2.7.4.4.2 (承認時評価資料)
レイボー申請資料概要 CTD2.7.4.4.5,2.5.5.5.2 (承認時評価資料)
社内資料(Integrated Summary of Safety Section 19.10)
レイボー審査報告書
Tsai, M. et al.: Clin Pharmacol Drug Dev, 9(5): 629-638, 2020(CNS31611)
レイボー申請資料概要 CTD2.7.2.2.2.2.5.1,2.7.6.12.1 (承認時評価資料)
最終更新日: August 2024
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