レットヴィモ ® (セルペルカチニブ)
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<効能共通>レットヴィモ(セルペルカチニブ)の副作用「肝機能障害」の発現機序、危険因子は?PD-1/PD-L1阻害剤の投与歴との関連はあるか?
セルペルカチニブ投与による肝機能障害の発現機序は不明です。得られている臨床試験及び海外の製造販売後のデータから、セルペルカチニブ投与による肝機能障害は、年齢、性別、癌種、既往歴にかかわらず発現が認められています。特定の背景を有する患者で増加する傾向は認められていません。
注意:セルペルカチニブの電子添文では「副作用」の集計結果を記載していますが、以下の解説(臨床試験での発現状況)においては、「有害事象」の集計結果を紹介しています。「有害事象」は試験期間中に生じたすべての好ましくない又は意図しない疾病・徴候を意味し、かぜや外傷等も含みます。有害事象のうち治験薬との因果関係が否定できないものが「副作用」と定義されます1。
<発現機序>
セルペルカチニブ投与に関連する肝機能障害の発現機序は不明です2。
<危険因子>
得られている臨床試験及び海外の製造販売後のデータから、セルペルカチニブ投与による肝機能障害は、年齢、性別、癌種、既往歴にかかわらず発現が認められており、特定の背景を有する患者で増加する傾向は認められていません2。
<PD-1/PD-L1阻害剤投与歴と肝機能障害関連事象aの関連>
セルペルカチニブの国際共同第I/II相試験(LIBRETTO-001試験)の化学療法歴のある(コホート1の)非小細胞肺癌(NSCLC)患者のうち、PD-1/PD-L1阻害剤の投与歴の有無別の解析結果は表1、表2のとおりでした。
表1:化学療法既治療のNSCLC患者におけるPD-1/PD-L1阻害剤による前治療有無別の
肝機能障害関連事象aの発現例数及び発現割合1
表2:化学療法既治療のNSCLC患者のうち、PD-1/PD-L1阻害剤による前治療歴のある患者における、PD-1/PD-L1阻害剤の最終投与日と本薬開始日の間隔別(3ヵ月未満、3ヵ月以上6ヵ月未満及び6ヵ月以上)の肝機能障害関連事象aの発現例数及び発現割合1
以上より、重篤な肝機能障害等の発現にPD-1/PD-L1阻害剤による前治療歴、特に投与間隔が6ヵ月未満であることが影響を及ぼしている可能性があるものの、一般的にPD-1/PD-L1阻害剤による肝機能障害の発現が、PD-1/PD-L1阻害剤投与開始から1~14週の間に発現するデータもあり3、肝機能障害がPD-1/PD-L1阻害剤自体によるものである可能性も否定できません2,4。
本試験において検討された患者数が限られていること等を考慮すると、PD-1/PD-L1阻害剤による前治療歴、とくに投与間隔が6ヵ月未満であることが、明確なリスク因子であると判断することは困難です4。
なお、LIBRETTO-001試験では、PD-1/PD-L1阻害剤の治療歴が肝機能検査値異常の潜在的な要因である可能性があること、また一部の患者では、ステロイドの併用が持続的な肝機能検査値異常の改善に関係している可能性があることから、肝機能検査値の異常が継続的に認められ、その原因として免疫系の関与が疑われた患者、つまりPD-1/PD-L1阻害剤の前治療歴がある患者、又は肝生検の結果免疫浸潤が認められた患者においては、セルペルカチニブの休薬、減量又は中止に加え、ステロイドの投与が推奨されていました5。
a:SMQ「肝臓関連臨床検査、徴候および症状」(広域)、SMQ「肝臓に起因する胆汁うっ滞および黄疸」(広域)、SMQ「非感染性肝炎」(広域)、SMQ「肝不全、肝線維症、肝硬変およびその他の肝細胞障害」(広域)、SMQ「肝臓に関連する凝固および出血障害」(広域)を含む。ICH 国際医薬用語集(Medical Dictionary for Regulatory Activities:MedDRA)標準検索式(standard MedDRA queries:SMQ)
[引用元]
2. 社内資料:レットヴィモ照会事項回答(非小細胞肺癌)(承認時評価資料)
3. Martins F et al. Nat Rev Clin Oncol. 2019;16(9):563-580.(ONC50352)
4. レットヴィモ 審査報告書(非小細胞肺癌)
5. Subbiah V et al. Lancet Oncol. 2022; 23:1261-73.(ONC50351)
最終更新日: August 2024
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