エムガルティ ® (ガルカネズマブ(遺伝子組換え))
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エムガルティ(ガルカネズマブ)の中止、休薬後の効果の持続期間は?
エムガルティ(ガルカネズマブ)は1ヵ月間隔で投与する薬剤ですが、中止、休薬後の効果の持続期間について検討した臨床試験を実施していないため、効果の持続期間は不明です。
[解説]
ガルカネズマブ(以下、本剤)は1ヵ月間隔で投与する薬剤ですが、中止、休薬後の効果の持続期間について検討した臨床試験を実施していないため、効果の持続期間は不明です。
国内臨床試験では4ヵ月間(本剤投与終了から5ヵ月:ガルカネズマブ半減期の約5倍)の後観察期間を設け、有効性を評価した結果、国内第II相試験(CGAN試験)において、本剤120 mg投与期間終了時(6ヵ月時点)で50%反応を示した患者のうち、投与終了後5ヵ月までに50%反応を示さなくなった患者が52.4%いました1)。
またCGAN試験の継続投与試験として長期投与を行った国内第III相長期投与試験(CGAP試験)においても12ヵ月間の観察期間の後、4ヵ月間の後観察期間を設け、有効性を評価していますが2)、本剤120 mgを投与した患者の後観察期間終了時(16ヵ月時点)での1ヵ月あたりのMHD*1のベースラインからの平均変化量は反復性片頭痛患者で-1.5日(120 mg継続例)及び-4.0日(プラセボからの移行例)、慢性片頭痛患者で-8.5日でした3)。
<CGAN試験>
ITT解析対象集団459例のうち、204例(プラセボ群100例、本剤120 mg投与群52例、240 mg投与群52例)が後観察期間*2に進みました4)。
投与6ヵ月時点で50%反応を示した患者のうち、後観察期間中に50%反応を示さなくなっていた患者はプラセボ群で58.7%、本剤120 mg投与群で52.4%でした。後観察期間中、片頭痛発症を抑制する薬剤の使用を開始した患者はプラセボ群で4.0%、本剤120 mg投与群で0.0%でした1)。
当該試験における副作用発現頻度は本剤120 mg投与群で29.6%(34/115例)、プラセボ群で7.4%(17/230例)でした5)。本剤120 mg投与群の主な副作用は注射部位紅斑14.8%、注射部位腫脹10.4%、注射部位そう痒感8.7%、注射部位疼痛6.1%でした6)。
*1:片頭痛又は片頭痛の疑いが起こった日数。
*2:CGAP試験に参加しない患者又は6ヵ月の二重盲検投与期間中に何らかの理由により早期中止した患者は後観察期間(休薬期)に進み、開始1ヵ月後以降、症状の悪化により臨床的に必要であると治験担当医師が判断した場合は片頭痛発症を抑制する薬剤の使用が許容された。
<CGAP試験>
ITT解析対象集団311例のうち、301例(反復性片頭痛-本剤120 mg投与群117例、反復性片頭痛-本剤240 mg投与群120例、慢性片頭痛-本剤120 mg投与群32例、慢性片頭痛-本剤240 mg投与群32例)が後観察期間*3に移行しました7)。
◆1ヵ月あたりのMHDのベースラインからの平均変化量3,8,9)
|
反復性片頭痛- 本剤120 mg/120 mg投与群a (58例) |
反復性片頭痛- プラセボ/本剤120 mg投与群b (62例) |
慢性片頭痛- 本剤120 mg投与群 (32例) |
12ヵ月時点 |
-1.8日 |
-4.3日 |
-9.4日 |
16ヵ月時点 |
-1.5日 |
-4.0日 |
-8.5日 |
a CGAN試験で本剤120 mgを投与され、CGAP試験で本剤120 mgを投与された患者。
b CGAN試験でプラセボを投与され、CGAP試験で本剤120 mgを投与された患者。
◆MHDのベースラインからの変化量の推移8,9)
注)一部承認外の成績が含まれますが、承認時評価資料のためご紹介します。本剤240 mg群は、承認外の用法及び用量のため、試験結果から削除しています。
当該試験における副作用発現頻度は反復性片頭痛患者の本剤120 mg投与群で32.5%(39/120例)であり、慢性片頭痛患者の本剤120 mg投与群で28.1%(9/32例)でした。反復性片頭痛患者における主な副作用は注射部位紅斑17.5%、注射部位そう痒感14.2%、注射部位腫脹8.3%でした。慢性片頭痛患者における主な副作用は注射部位そう痒感15.6%、注射部位紅斑9.4%、注射部位疼痛6.3%でした6)。
*3:非盲検投与期間中に何らかの理由により治験を中止した患者には、早期中止時の手順を実施し、後観察期間を開始した。
【CGAN試験の概要】6,10)
試験デザイン |
多施設共同、無作為化、プラセボ対照、二重盲検、並行群間比較試験 (国内第II相試験) |
対象 |
日本人反復性片頭痛患者459例 |
方法 |
ガルカネズマブ120 mg(開始用量240 mg)、240 mg又はプラセボを1ヵ月間隔で6ヵ月間皮下投与した注)。 |
投与期間 |
二重盲検投与期間(6ヵ月)後に後観察期間(4ヵ月)を設定 (後観察期間はCGAP試験に参加しない患者のみ) |
【CGAP試験の概要】6,10)
試験デザイン |
多施設共同、無作為化、非盲検、長期安全性試験(国内第III相試験) |
対象 |
CGAN試験を完了した日本人反復性片頭痛患者246例及び新規参加の日本人慢性片頭痛患者65例(計311例) |
方法 |
ガルカネズマブ120 mg(開始用量240 mg)又は240 mgを1ヵ月間隔で12ヵ月間皮下投与した注)。 |
投与期間 |
非盲検投与期間(12ヵ月)後に後観察期間(4ヵ月)を設定 |
注)本剤120 mgが投与された群にも初回は240 mgが投与されています。本剤の承認された用法及び用量は、「初回に240 mgを皮下投与し、以降は1ヵ月間隔で120 mgを皮下投与する。」です6)。
[引用元]
エムガルティ(ガルカネズマブ) 申請資料概要(CTD2.7.6.6.2.3.4)
エムガルティ(ガルカネズマブ) 申請資料概要(CTD2.7.6.13.1)
エムガルティ(ガルカネズマブ) 申請資料概要(CTD2.7.6.13.2.3.3)
エムガルティ(ガルカネズマブ) 申請資料概要(CTD2.7.6.6.2.1)
エムガルティ(ガルカネズマブ) 申請資料概要(CTD2.7.6.6.2.4.3)
エムガルティ(ガルカネズマブ) 添付文書
エムガルティ(ガルカネズマブ) 申請資料概要(CTD2.7.6.13.2.1)
エムガルティ(ガルカネズマブ) インタビューフォーム
エムガルティ(ガルカネズマブ) 申請資料概要(CTD2.7.6.13.2.3.1)
エムガルティ(ガルカネズマブ) 申請資料概要(CTD2.7.4.1.1.1)
[略語]
MHD = 片頭痛日数
ITT = intent to treat
最終更新日: January 2022
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