エムガルティ ® (ガルカネズマブ(遺伝子組換え))
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エムガルティ(ガルカネズマブ)投与患者が妊娠した場合、胎児、新生児への影響はあるか?投与した報告は?
国内外において妊娠又は妊娠している可能性のある患者を対象とした臨床試験は行われておらず、ガルカネズマブ投与患者が妊娠した場合の胎児、新生児への影響、ガルカネズマブのヒトの乳汁中への移行及び授乳された乳児への影響はまだ明らかになってはいません。なお、安全性報告のグローバルデータベースには、データベースの開始から2019年12月31日までの間に、ガルカネズマブを投与した14歳から46歳までの女性を対象に、自然流産以外の妊娠に関連する安全性報告が31例ありました。
[解説]
<投与患者が妊娠した場合、胎児、新生児への影響>
臨床試験において、妊娠中及び授乳中の女性は除外されました1)。また、潜在的なリスクを管理するために、生殖能力を有する女性及び男性は、臨床試験期間中及びガルカネズマブ(以下、本剤)最終投与後5ヵ月間は避妊をすること、そして妊娠は治験薬投与の中止基準とされています1)。そのため、妊娠中の女性、又は本剤が投与された男性のパートナーを介して曝露した女性に対する本剤の安全性に関するデータは限られています。
国内外の臨床試験(CGAG試験、CGAH試験、CGAI試験、CGAB試験、ART-01試験、CGAJ試験及びCGAP試験)では、22例の女性に22件の妊娠の報告がありました1)。また、本剤に曝露した男性患者2例のそれぞれのパートナーに2件の妊娠が認められました1)。24件の妊娠の転帰は以下の通りです。
■本剤に曝露した女性患者/男性患者のパートナーの妊娠の転帰1)
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報告件数 |
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報告件数 |
母体経由の曝露 |
22 |
父親経由の曝露 |
2 |
妊娠時曝露:通常の転帰 早産児 自然流産(2);稽留流産(1) 選択的中絶 不明又は追跡不能 妊娠時曝露:転帰保留 |
9 2 3 1 5 2 |
妊娠時曝露:通常の転帰 父親経由の曝露 (先天性舌小帯短縮症の新生児) |
1 1 |
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合以外は投与しないでください2)。動物実験(ウサギ及びラット)において胎児への移行が報告されていますが、胎児に有害な影響は認められませんでした2)。また、本剤のヒトの乳汁中への移行及び授乳された乳児への影響は不明ですが、ヒトIgGは乳汁中へ移行することが知られていることから、ガルカネズマブも授乳された乳児へ移行する可能性があります2)。
また、日本頭痛学会ホームページにある『CGRP関連新規片頭痛治療薬ガイドライン(暫定版)』の「CGRP関連抗体薬の休止や再開についてのエクスパートオピニオン」には以下の記載があります3)。
休薬を考慮するべき状況
1. 妊娠した(している)可能性がある, 妊娠を予定している(挙児希望がある).
2. 授乳を行う予定がある.
<投与した報告>4)
安全性報告のグローバルデータベース(VigiBase)には、、データベースの開始から2019年12月31日までの間に、ガルカネズマブを投与した14歳から46歳までの女性を対象に、自然流産以外の妊娠に関連する安全性報告が31例ありました。
投与された安全性報告の詳細は以下の通りです。
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ガルカネズマブが投与された安全性報告(n= 31) |
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薬物暴露のみの報告 |
薬物有害反応を報告 |
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妊娠前 |
1例 |
- |
妊娠中 |
26例 |
3例 |
父親の暴露 |
1例 |
- |
授乳中 |
- |
- |
不明 |
- |
- |
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ガルカネズマブ投与で |
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交絡因子なし |
交絡因子あり |
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自然流産 |
1例 |
- |
先天性欠損症 |
- |
- |
早産/未熟児 |
- |
- |
母体薬物有害反応 |
1例 |
1例 |
授乳薬物有害反応 |
- |
- |
[引用元]
1. エムガルティ申請資料概要(CTD 2.7.4.5.4)
2. エムガルティ電子添文
4. Roberta Noseda, et al.: 2021 Jun;41(7):789-798.
最終更新日: November 2024
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