オルミエント ® (バリシチニブ)
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<円形脱毛症>オルミエント(バリシチニブ)の効能又は効果「円形脱毛症(ただし、脱毛部位が広範囲に及ぶ難治の場合に限る)」とは?どのような患者が投与の対象か?
「効能又は効果に関連する注意」として、「本剤投与開始時に、頭部全体の概ね50%以上に脱毛が認められ、過去6ヵ月程度毛髪に自然再生が認められない患者に投与すること」と規定されています。
[解説]
<円形脱毛症>
「円形脱毛症(ただし、脱毛部位が広範囲に及ぶ難治の場合に限る)」の“広範囲”や“難治”については、「効能又は効果に関連する注意」として、「本剤投与開始時に、頭部全体の概ね50%以上に脱毛が認められ、過去6ヵ月程度毛髪に自然再生が認められない患者に投与すること」と規定されています1)。
本邦の承認審査で評価された円形脱毛症患者を対象とした第III相試験(JAHO及びJAIR試験)では、頭部の脱毛巣が頭部全体の50%以上(SALTスコア50以上)かつ過去6ヵ月以内に毛髪に自然再生が認められない患者が対象とされました。ただし、現在の罹病期間8年以上かつ過去8年間に頭部の脱毛巣の毛髪再生が認められていない患者は除外されました2)。
なお、臨床試験では除外されていた、脱毛面積が頭部全体の50%を超えていない一部の円形脱毛症の患者においても、治療に難渋している場合があり、バリシチニブの投与対象に対する脱毛面積に係る厳格な規定を設けることは避けることが望ましいとの意見が審査の過程で出されました3)。審査の結果、「効能又は効果に関連する注意」で「本剤投与開始時に、頭部全体の概ね50%以上に脱毛が認められ、過去6ヵ月程度毛髪に自然再生が認められない患者に投与すること」のように、“概ね”や“程度”といった記載とされました1)。
また、日本皮膚科学会より「安全使用マニュアル バリシチニブ ~円形脱毛症~Ver. 20220704」が公開されており、そこでは、以下のような患者がバリシチニブの投与対象とされています4)。
投与対象となる患者
【患者選択について】
投与の要否の判断にあたっては、以下に該当する患者であることを確認する。
日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドラインを参考に、円形脱毛症の確定診断がなされている。
以下のいずれにも該当する状態。
頭部の概ね50%以上の脱毛が認められる
現在の罹病期間が6ヵ月程度以上
[引用元]
オルミエント 申請資料概要(円形脱毛症)(CTD 2.7.6.2.1、2.7.6.3.1)(承認時評価資料)
オルミエント 審査報告書(円形脱毛症)
日本皮膚科学会:脱毛症治療安全性検討委員会 委員会からお知らせ 円形脱毛症 安全使用マニュアル(バリシチニブ)(https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/k_20220704datumouanzenmanyuaru.pdf)最終アクセス日:2023年12月6日
[略語]
SALT = Severity of Alopecia Tool (National Alopecia Areata Foundationのワーキンググループが開発した頭髪の脱毛範囲を評価するツール。SALTスコア100は全頭の脱毛、SALTスコア0は脱毛なしを示す。)
最終更新日: January 2024
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