マンジャロ ® (チルゼパチド)
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マンジャロ(チルゼパチド)投与による悪性腫瘍の発現状況は?
悪性腫瘍は、国内第3相試験[GPGO試験(SURPASS J-mono)]ではチルゼパチド5 mg群の2例(1.3%)、チルゼパチド10 mg群の3例(1.9%)、 に認められましたが、いずれも治験薬との因果関係は否定されました。国内第3相試験[GPGP試験(SURPASS J-combo)]ではチルゼパチド5 mg群の1例(0.7%)、チルゼパチド15 mg群の 4例(2.7%)に認められ、うち1件にチルゼパチドとの因果関係が認められました 。
≪GPGO試験(SURPASS J-mono)における悪性腫瘍の発現状況≫
日本人2型糖尿病患者を対象にチルゼパチド投与とデュラグルチド投与を比較検討した国内第3相試験であるGPGO試験(SURPASS J-mono)において、7例[チルゼパチド5 mg群2/159例(1.3%)、チルゼパチド10 mg群3/158例(1.9%)、デュラグルチド0.75 mg群2/159例(1.3%)]で計8件の悪性腫瘍が報告されましたが、いずれも治験薬との因果関係は否定されました1)。
表1)悪性腫瘍の詳細[GPGO試験(SURPASS J-mono)]1)
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事象(基本語) |
重症度 |
重篤性 |
治験薬との因果関係 |
チルゼパチド5 mg |
副腎新生物 |
軽度 |
なし |
なし |
腎細胞癌 |
高度* |
あり |
なし |
|
チルゼパチド10 mg |
前立腺癌 |
軽度 |
なし |
なし |
軽度* |
あり |
なし |
||
中等度* |
あり |
なし |
||
小脳橋角部腫瘍 |
高度* |
あり |
なし |
|
デュラグルチド0.75 mg |
前立腺癌 |
高度* |
あり |
なし |
肺の悪性新生物 |
高度* |
あり |
なし |
*治験薬投与中止
≪GPGP試験(SURPASS J-combo)における悪性腫瘍の発現状況≫
日本人2型糖尿病患者を対象にチルゼパチドと経口血糖降下薬の併用療法について検討した国内第3相試験であるGPGP試験(SURPASS J-combo)において、5例[チルゼパチド5 mg群1/148例(0.7%)、チルゼパチド15 mg群4/148例(2.7%)]で計6件の悪性腫瘍が報告され、チルゼパチド15 mg群の膀胱癌1件についてチルゼパチドとの因果関係が認められました1)。
表2)悪性腫瘍の詳細[GPGP試験(SURPASS J-combo)]1)
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経口血糖降下薬 |
事象(基本語) |
重症度 |
重篤性 |
治験薬との因果関係 |
チルゼパチド15 mg |
SU薬 |
膀胱癌 |
軽度 |
あり |
あり |
チルゼパチド15 mg |
α-グルコシダーゼ阻害剤 |
腎新生物 |
中等度 |
なし* |
なし |
腎新生物 |
中等度 |
あり |
なし |
||
チルゼパチド15 mg |
α-グルコシダーゼ阻害剤 |
結腸癌 |
中等度 |
あり* |
なし |
チルゼパチド15 mg |
チアゾリジン系薬剤 |
基底細胞癌 |
中等度 |
あり** |
なし |
チルゼパチド5 mg |
速効型インスリン分泌促進剤 |
皮膚の新生物 |
軽度 |
なし |
なし |
SU=スルホニルウレア
*治験薬投与中止
**治験薬投与中断
[引用元]
マンジャロ申請資料概要CTD2.7.4.4.2.16(承認時評価資料)
マンジャロ申請資料概要CTD2.7.6.19.1(承認時評価資料)
Inagaki N, Takeuchi M, Oura T, et al. Efficacy and safety of tirzepatide monotherapy compared with dulaglutide in Japanese patients with type 2 diabetes (SURPASS J-mono): a double-blind, multicentre, randomised, phase 3 trial. Lancet Diabetes Endocrinol. 2022;10(9):623-633.(HMN30759)
マンジャロ申請資料概要CTD2.7.6.20.1(承認時評価資料)
Kadowaki T, Chin R, Ozeki A, et al. Safety and efficacy of tirzepatide as an add-on to single oral antihyperglycaemic medication in patients with type 2 diabetes in Japan (SURPASS J-combo): a multicentre, randomised, open-label, parallel-group, phase 3 trial. Lancet Diabetes Endocrinol. 2022;10(9):634-644.(HMN30760)
[略語]
SU=スルホニルウレア
SGLT2=ナトリウム・グルコース共役輸送体2
GPGO試験(SURPASS J-mono) 試験概要2,3)
試験デザイン |
第III相、多施設共同、無作為化、実薬対照、二重盲検、並行群間試験 |
対象 |
食事・運動療法で血糖コントロールが不十分な日本人2型糖尿病患者636例 |
方法 |
チルゼパチドは週1回、52週間皮下投与した。チルゼパチド5 mg群、10 mg群及び15 mg群のいずれでも初回投与量を2.5 mgとし、維持用量に達するまで4週間ごとに2.5 mgずつ増量し、維持用量を5 mg、10 mg又は15 mgとした。用量漸増期間は最大24週間であり、最も用量漸増期間が長いチルゼパチド15 mg群では、20週間かけてチルゼパチド15 mgまで増量した後に、維持用量を4週間投与して定常状態に到達させた。 デュラグルチドは、0.75 mgを週1回、52週間皮下投与した。 |
GPGP試験(SURPASS J-combo) 試験概要4,5)
試験デザイン |
第III相、多施設共同、無作為化、非盲検、長期投与、併用療法試験 |
対象 |
経口血糖降下薬の単独療法で血糖コントロールが不十分な日本人2型糖尿病患者 443例 |
方法 |
チルゼパチドは週1回、52週間皮下投与した。チルゼパチド5 mg群、10 mg群及び15 mg群のいずれでも初回投与量を2.5 mgとし、維持用量に達するまで4週間ごとに2.5 mgずつ増量し、維持用量を5 mg、10 mg又は15 mgとした。 チルゼパチドの投与期間中に併用した経口血糖降下薬はスルホニルウレア剤(SU薬)、ビグアナイド系薬剤、α-グルコシダーゼ阻害剤、チアゾリジン系薬剤、速効型インスリン分泌促進剤(グリニド薬)又はSGLT2阻害剤であり、低血糖の発現により用量調整が必要になった場合を除き、一定の投与量を維持した。 |
最終更新日: September 2022
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