ストラテラ ® (アトモキセチン塩酸塩)
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ストラテラ(アトモキセチン)の効果の発現時期はいつなのか?
小児期は臨床試験(LYBC試験)において、投与開始2週目からADHD症状(ADHD-RS-IV 総スコア[主要評価項目])の有意な改善が認められていますが、安定した効果を得るためには6~8週間必要です。成人期は臨床試験(LYEE試験)において、投与開始2週目からADHD症状(CAARS-Inv:SV 18項目の総スコア:医師用[主要評価項目])の有意な改善が認められ、6週目以降6割以上の患者でアトモキセチンに対する反応が認められました。
[解説]
<小児期ADHD>
日本人の小児ADHD患者を対象とした8週間の国内第II及びIII相試験(LYBC:プラセボ対照二重盲検試験、用量別)では、アトモキセチン投与開始2週目からADHD症状(ADHD-RS-IV 総スコア:医師用[主要評価項目])の有意な改善が認められていますが1) 2)、安定した効果を得るためには6~8週間必要です。
なお、本試験において、投与開始2週間時点の投与量は0.8 mg/kg/日、6~8週間時点の投与量は維持量1.2~1.8 mg/kg/日でした。これは1週間ごとに漸増したときに得られた結果ですので、漸増期間が延長した場合や用量が少ない場合にはこの限りではありません。
<成人期ADHD>
日本人及びアジア人の成人ADHD患者を対象とした10週間の臨床試験(LYEE:プラセボ対照二重盲検試験)では、プラセボと比較して有意なADHD症状(CAARS-Inv:SV 18項目の総スコア:医師用[主要評価項目])の改善は、投与開始2週目から認められ、6週目以降6割以上の患者でアトモキセチンに対する反応*が認められました3)。
なお、本試験において、投与開始2週間時点の投与量は40 mg/日であり、6週間時点の投与量は維持量80~120 mg/日でした。これは2週間ごとに漸増したときに得られた結果ですので、漸増期間が延長した場合や用量が少ない場合にはこの限りではありません。
LYEE試験の安全性情報は以下のとおりです。
治験薬との因果関係を否定できない有害事象の発現例の割合は、アトモキセチン群で73.6%(142/193例)、プラセボ群で29.2%(57/195例)であり、投与群間で統計学的に有意な差が認められました。
アトモキセチン群で高頻度(10%以上)に認められた治験薬との因果関係を否定できない有害事象は、悪心(40.4%、78/193例)、食欲減退(22.8%、44/193例)、傾眠(15.0%、29/193例)、口内乾燥(10.4%、20/193例)でした。プラセボ群で高頻度(10%以上)に認められた治験薬との因果関係を否定できない有害事象は、傾眠(10.8%、21/195例)のみでした3)。
*最終観察時点におけるCAARS-Inv:SVの18項目のADHD症状総スコアがベースラインから25%以上減少
[引用元]
Takahashi, M. et al.: Journal of Child and Adolescent Psychopharmacology, 19(4): 341-350, 2009(CNS12878)
ストラテラ(小児期ADHD)申請資料概要 CTD2.7.6.3 (承認時評価資料)
ストラテラ(成人期ADHD)申請資料概要 CTD2.7.3.3.2.1.2.1,2.7.6.3.1 (承認時評価資料)
最終更新日: April 2025
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