ケサンラ ® (ドナネマブ(遺伝子組換え))
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ケサンラ(ドナネマブ)の作用機序は?
ドナネマブは、脳内の不溶性アミロイドβプラークにのみ存在すると考えられるN3pG Aβ(N末端第3残基がピログルタミル化されたアミロイドβ)を標的とするヒト化免疫グロブリンGサブクラス1(IgG1)モノクローナル抗体です。 ドナネマブは、N3pG Aβに結合し、ミクログリアによる貪食作用を介したアミロイドβプラーク除去を促進すると考えられています。
[解説]
アルツハイマー病では、凝集性の高いアミロイドβの産生が増加し、モノマー、可溶性アミロイドβ凝集体(オリゴマー、プロトフィブリル)、不溶性のフィブリルを経て、アミロイドβプラークが形成され、沈着します。この脳内でのアミロイドβの生成及び沈着はアルツハイマー病の病態の初期に起こる不可欠のイベントとされています(アミロイドカスケード仮説)1,2)。また、不溶性アミロイドβプラークは、毒性を示すと考えられている可溶性アミロイドβ3,4)のリザーバーとして働いている可能性があり、不溶性アミロイドβプラークを除去することにより、有害となり得るアミロイドβ全体の濃度が低下する可能性があります5)。
《ドナネマブの作用機序6)》
ドナネマブは、脳内の不溶性アミロイドβプラークにのみ存在すると考えられるN3pG Aβ(N末端第3残基がピログルタミル化されたアミロイドβ)7.8)を標的とするヒト化免疫グロブリンGサブクラス1(IgG1)モノクローナル抗体です。ドナネマブは、N3pG Aβに結合し、ミクログリアによる貪食作用を介したアミロイドβプラーク除去を促進すると考えられています9)。
図)ドナネマブの作用機序9,10,11)
[引用元]
松村晃寛: 認知症ハンドブック 第2版. 中島健二ほか編, 医学書院, 2020, p516-517.
小野賢二郎: 認知症診療 実践ハンドブック 改訂2版, 山田正仁 編, 中外医学社, 2021, p25-26
Ono K, et al.: Proc Natl Acad Sci U S A. 2009; 106: 14745-14750(CNS31754)
Ono K, et al.: Int J Mol Sci. 2020; 21: 952(CNS31755)
Brody DL, et al.: Alzheimers Res Ther. 2017; 9: 62(CNS31763)
ケサンラ電子添文
Bridel C, et al.: Alzheimers Res Ther. 2017; 9: 38(CNS31762)
Saido TC, et al.: Neuron. 1995; 14: 457-466(CNS31759)
Demattos RB, et al.: Neuron. 2012; 76: 908-920(CNS31768)
Drolle E, et al.: Drug Metab Rev. 2014; 46: 207-223(CNS31769)
Kent SA, et al.: Acta Neuropathol. 2020; 140: 417-447(CNS31770)
[略語]
IgG1=免疫グロブリンGサブクラス1
N3pG Aβ=N末端第3残基がピログルタミル化されたアミロイドβ
最終更新日: August 2024
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