ケサンラ ® (ドナネマブ(遺伝子組換え))
以下は適正使用情報として、本邦における承認事項(用法・用量、適応、剤形など)以外の情報が含まれる場合がございます。薬剤の使用に際しては、製品情報ページにある最新の電子化された添付文書をご確認ください。
ケサンラ(ドナネマブ)は患者背景に合わせて用量調整する必要はあるか?
電子添文上、患者背景に合わせた用量調整に関する規定はありません。 ベースラインの疾患病理、ベースラインの重症度、APOE ε4 遺伝子型、体重、年齢、腎機能及び肝機能などの患者背景にかかわらず、アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症患者に対して、承認された用法及び用量で投与してください。
[解説]
電子添文上、患者背景に合わせた用量調整に関する規定はありません1)。
ベースラインの疾患病理、ベースラインの重症度、アポリポ蛋白E対立遺伝子4(APOE ε4)遺伝子型、体重、年齢、腎機能及び肝機能などの患者背景にかかわらず、アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症患者に対して、承認された用法及び用量で投与してください。
患者背景がドナネマブの薬物動態、有効性に及ぼす影響は以下の通りです。
《ベースラインの疾患病理、ベースラインの重症度及びAPOE ε4遺伝子型の影響》
国際共同第Ⅲ相試験TRAILBLAZER-ALZ 2(AACI)試験において、事前規定された主な部分集団におけるドナネマブの有効性は下図の通りでした(図)2)。
図)iADRSの事前規定されたサブグループ解析のフォレストプロット(NCS2)
[AACI試験(二重盲検投与期間)]2)
《体重の影響》
母集団薬物動態解析※において、ドナネマブの曝露量(Cmax,ss及びAUCτ,ss)に対する体重の影響を検討したところ、いずれのパラメータも臨床的に影響を及ぼす可能性がある目安として用いた30%の幅に含まれました3)。
《年齢、性別、腎機能、及び肝機能の影響》
母集団薬物動態解析※において、ドナネマブの薬物動態に対する内因性要因の影響を検討したところ、年齢、性別、腎機能、及び肝機能は、ドナネマブの薬物動態に影響を及ぼしませんでした1)。
※ 国際共同第Ⅰ相試験(AACD試験)、海外第Ⅱ相試験[TRAILBLAZER-ALZ(AACG)試験、AACH試験パートB]、国際共同第Ⅲ相試験[TRAILBLAZER-ALZ 2(AACI)試験、AACI試験補遺9]の併合データによる解析。
【ドナネマブの用法及び用量】
通常、成人にはドナネマブ(遺伝子組換え)として1回700mgを4週間隔で3回、その後は1回1400mgを4週間隔で、少なくとも30分かけて点滴静注する。
【AACI:TRAILBLAZER-ALZ 2試験の概要】1,4,5)
[引用元]
ケサンラ電子添文
ケサンラ適正使用ガイド
ケサンラ申請資料概要(CTD:2.7.2.3.7.1)(承認時評価資料)
[略語]
AChE阻害薬=アセチルコリンエステラーゼ阻害薬
AD=アルツハイマー病
APOE ε4=アポリポ蛋白E対立遺伝子4
AUCτ,ss=定常状態の投与間隔の血清中濃度-時間曲線下面積
BMI=ボディマス指数
Cmax,ss=定常状態の最高血清中濃度
iADRS=ADCS-iADL(手段的日常生活機能)及びADAS-Cog13(認知機能)から構成され、アルツハイマー病の連続性を有する変化の観点から総合的な疾患の重症度を測定する評価尺度
MMSE=ミニメンタルステート検査
NCS2=自由度2の自然3次スプライン
PET=陽電子放出断層撮影法
最終更新日: August 2024
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