ゼップバウンド ® (チルゼパチド)
以下は適正使用情報として、本邦における承認事項(用法・用量、適応、剤形など)以外の情報が含まれる場合がございます。薬剤の使用に際しては、製品情報ページにある最新の電子化された添付文書をご確認ください。
ゼップバウンド(チルゼパチド)による体重減少に伴い体組成はどのように変化したのか?
国際共同第3相試験[GPHK試験(SURMOUNT-1)DXA補遺]において、チルゼパチド用量併合群の全身体脂肪量の変化率はプラセボ群と比較して有意に高い値を示しました。
[解説]
本試験には一部承認効能又は効果と異なる成績が含まれますが、承認時評価資料であるため掲載します。
2型糖尿病を有しない、肥満又は体重に関連する併存疾患を有する過体重の治験参加者を対象※1に、チルゼパチド投与とプラセボ投与を比較した国際共同第3相試験であるGPHK試験(SURMOUNT−1)*1)の二重エネルギーX線吸収測定法(DXA)補遺において、全身体脂肪量のベースラインからの変化率を評価しました2)。
DXA補遺における評価項目である投与72週時における全身体脂肪量のベースラインからの平均変化率は表1に示すとおりであり、チルゼパチド5 mg※2、10 mg、及び15 mgの用量併合群でプラセボ群と比較して統計学的に有意に大きくなりました(p<0.001、LOCFによる欠損値の代入を用いたANCOVA、第1種の過誤の確率を制御していない項目)2,3)(参考情報)。
表1)投与72週時の全身体脂肪量の変化率
(mITT解析対象集団、EAS、DXA補遺)[GPHK試験(SURMOUNT-1)](参考情報)2)
|
チルゼパチド 5 mg※2/10 mg/15 mg併合 (N=124) |
プラセボ (N=36) |
ベースライン(kg)a) |
46.6 |
49.4 |
投与72週時までの変化率b) |
−33.9 |
−8.2 |
プラセボ群との群間差c) (95%CI) |
−25.7*** (−31.4, −20.0) |
− |
b)LOCFで欠測値を補完した。最小二乗平均、ANCOVAによる推定値
c)LOCFで欠測値を補完した。最小二乗平均の差、ANCOVAによる推定値
*** p<0.001 vs.プラセボ群(第1種の過誤の確率を制御していない項目)
また、全身除脂肪体重のベースラインからの減少率はチルゼパチドの用量併合群(-10.9%)でプラセボ群(-2.6%)と比較して有意に高値を示しました(p<0.001、ANCOVA検定)4,5)。
全身除脂肪体重に対する全身体脂肪量比は表2に示すとおりでした。
表2)投与72週時点の除脂肪体重に対する全身体脂肪量比(mITT解析対象集団、EAS、DXA補遺)[GPHK試験(SURMOUNT-1)](参考情報)4)
|
チルゼパチド 5 mg※2/10 mg/15 mg併合 (N=124) |
プラセボ (N=36) |
p値* |
除脂肪体重に対する全身体脂肪量比 |
|||
ベースライン |
0.93(0.022) |
0.95(0.041) |
0.667 |
投与72週時点 |
0.70(0.013) |
0.88(0.025) |
<0.001 |
ベースラインからの減少量 |
-0.24(0.013) |
-0.06(0.025) |
<0.001 |
最小二乗平均値(標準誤差)
* ANCOVA検定
≪GPHK試験(SURMOUNT−1)*における有効性≫
GPHK試験(SURMOUNT−1)において主要評価項目であるベースラインから投与72週時までの体重の平均変化率及び5%以上の体重減少を達成した治験参加者の割合の両方で、いずれのチルゼパチド群でもプラセボ群と比較して優越性を示しました(p<0.001)3)。
表3)体重のベースラインから投与72週時までの変化率及び5%以上の体重減少を達成した治験参加者の割合(mITT集団、EAS[GCP違反例を除く])[GPHK試験(SURMOUNT-1)]3)
|
チルゼパチド10 mg |
チルゼパチド15 mg |
プラセボ |
ベースラインの体重(kg)a) |
106.2 |
105.6 |
104.9 |
投与72週時の体重変化率(%)b) |
-21.4††† |
-22.5††† |
-2.5††† |
プラセボ群との群間差 (95%CI)b) |
-18.9*** (-20.0, -17.8) |
-20.1*** (-21.2, -18.9) |
- |
5%以上の体重減少達成割合(%)c) |
96.30*** |
96.31*** |
28.14 |
a)最小二乗平均
b)最小二乗平均、MMRMによる推定値
c)MMRMによる欠損値の代入を用いたロジスティック回帰分析を用いて解析
*** p<0.001 vs.プラセボ群(第1種の過誤の確率を制御した項目)
††† p<0.001 vs.ベースライン
≪GPHK試験(SURMOUNT−1)*における安全性(後観察期間を含む)≫
GPHK試験(SURMOUNT−1)における有害事象の概要は表4に示すとおりでした。
表4)有害事象の概要(安全性解析対象集団[GCP違反例を除く])[GPHK試験(SURMOUNT-1)]2)
カテゴリーa) |
チルゼパチド5 mg※2 |
チルゼパチド10 mg |
チルゼパチド15 mg |
プラセボ |
治療関連有害事象 |
505(80.9) |
514(81.8) |
495(78.8) |
458(71.9) |
副作用b) |
347(55.6) |
391(62.3) |
384(61.1) |
194(30.5) |
重篤な有害事象 |
39(6.3) |
42(6.7) |
32(5.1) |
44(6.9) |
死亡 |
4(0.6) |
1(0.2) |
1(0.2) |
4(0.6) |
試験中止に至った |
14(2.2) |
16(2.5) |
21(3.3) |
16(2.5) |
治験薬投与中止に至った有害事象 |
28(4.5) |
44(7.0) |
40(6.4) |
20(3.1) |
a)複数のカテゴリーに数えられる場合あり 発現例数(発現割合%)
b)治験薬との因果関係が否定できない有害事象
主な有害事象は表5に示すとおりでした。
表5)いずれかの投与群で発現割合が5%以上の有害事象(安全性解析対象集団[GCP違反例を除く])[GPHK試験(SURMOUNT-1)]2)
|
チルゼパチド5 mg※2 |
チルゼパチド10 mg |
チルゼパチド15 mg |
プラセボ |
悪心 |
154(24.7) |
210(33.4) |
195(31.1) |
61(9.6) |
下痢 |
118(18.9) |
134(21.3) |
144(22.9) |
46(7.2) |
COVID-19 |
94(15.1) |
98(15.6) |
82(13.1) |
90(14.1) |
便秘 |
104(16.7) |
109(17.4) |
74(11.8) |
37(5.8) |
消化不良 |
56(9.0) |
61(9.7) |
70(11.1) |
26(4.1) |
嘔吐 |
52(8.3) |
68(10.8) |
77(12.3) |
11(1.7) |
食欲減退 |
59(9.5) |
73(11.6) |
54(8.6) |
21(3.3) |
頭痛 |
41(6.6) |
43(6.8) |
41(6.5) |
42(6.6) |
腹痛 |
31(5.0) |
33(5.3) |
31(4.9) |
21(3.3) |
脱毛症 |
32(5.1) |
31(4.9) |
36(5.7) |
6(0.9) |
浮動性めまい |
26(4.2) |
35(5.6) |
26(4.1) |
15(2.4) |
おくび |
24(3.8) |
33(5.3) |
35(5.6) |
4(0.6) |
注射部位反応 |
18(2.9) |
36(5.7) |
29(4.6) |
2(0.3) |
MedDRA/J ver24.1 発現例数(発現割合%)
※1
チルゼパチドの承認された効能又は効果は「肥満症」である。ただし、高血圧、脂質異常症又は2型糖尿病のいずれかを有し、食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られず、以下に該当する場合に限る。
・BMIが27 kg/m2以上であり、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する
・BMIが35 kg/m2以上
※2
チルゼパチドの承認された用法及び用量・用法及び用量に関連する注意は以下のとおりです。
6. 用法及び用量
通常、成人には、チルゼパチドとして週1回2.5 mgから開始し、4週間の間隔で2.5 mgずつ増量し、週1回10 mgを皮下注射する。
なお、患者の状態に応じて適宜増減するが、週1回5 mgまで減量、又は4週間以上の間隔で2.5 mgずつ週1回15 mgまで増量できる。
7. 用法及び用量に関連する注意(抜粋)
7.1本剤の用量調節に際しては、以下の点に留意すること。
・患者の体重減少の程度や本剤に対する忍容性に応じて、週1回5 mgで治療を継続することも考慮すること。
[引用元]
ゼップバウンド申請資料概要CTD2.7.6.10.1(承認時評価資料)
ゼップバウンド申請資料概要CTD2.7.6.10.2(承認時評価資料)
ゼップバウンド申請資料概要CTD2.7.3.2.1.2.4.1(承認時評価資料)
ゼップバウンド申請資料概要CTD2.7.4.4.1.1(承認時評価資料)
社内資料[GPHK試験(SURMOUNT−1)]
※引用元資料の入手をご希望の場合は上記のリンクをクリックし請求して下さい。
[略語]
BMI=body mass index
GCP=医薬品の臨床試験の実施の基準
ICH=医薬品規制調和国際会議
MedDRA=ICH国際医薬用語集
MMRM(mixed model for repeated measures)=繰り返し測定値に関する混合効果モデル
GPHK試験(SURMOUNT-1) 試験概要1)
試験デザイン |
第3相、多施設共同、二重盲検、プラセボ対照、無作為化試験 |
対象注1) |
BMIが27 kg/m2以上で高血圧、脂質異常症、閉塞性睡眠時無呼吸又は心血管疾患のいずれかを有する治験参加者もしくはBMIが30 kg/m2以上の治験参加者2517例(日本人102例)(GCP違反が認められた実施医療機関で無作為割付された22 例を除く)。なお、糖尿病患者は除外された。 |
方法注2) |
チルゼパチド5 mg、10 mg、15 mg又はプラセボを週1回72週間皮下投与した。チルゼパチドはいずれの投与群でも最初の4週間は初回投与量の2.5 mgで週1回投与し、その後割り付けられた用量に到達するまで4週間ごとに2.5 mgずつ漸増した。用量漸増期間は最長20週であった。 体重管理のための低カロリー食及び運動量の増加を併せて実施した。 |
GPHK試験(SURMOUNT-1)DXA補遺 試験概要1,2)
試験デザイン |
第3相、多施設共同、二重盲検、プラセボ対照、無作為化試験 |
対象注1) |
GPHK試験に参加した治験参加者のうち、補遺への参加に同意した治験参加者255例 |
方法注2) |
チルゼパチド5 mg、10 mg、15 mg又はプラセボを週1回72週間皮下投与した。チルゼパチドはいずれの投与群でも最初の4週間は初回投与量の2.5 mgで週1回投与し、その後割り付けられた用量に到達するまで4週間ごとに2.5 mgずつ漸増した。用量漸増期間は最長20週であった。 体重管理のための低カロリー食及び運動量の増加を併せて実施した。 |
注1)チルゼパチドの承認された効能又は効果は「肥満症」である。ただし、高血圧、脂質異常症又は2型糖尿病のいずれかを有し、食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られず、以下に該当する場合に限る。
・BMIが27 kg/m2以上であり、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する
・BMIが35 kg/m2以上
注2)チルゼパチドの承認された用法及び用量・用法及び用量に関連する注意は以下のとおりです。
6. 用法及び用量
通常、成人には、チルゼパチドとして週1回2.5 mgから開始し、4週間の間隔で2.5 mgずつ増量し、週1回10 mgを皮下注射する。
なお、患者の状態に応じて適宜増減するが、週1回5 mgまで減量、又は4週間以上の間隔で2.5 mgずつ週1回15 mgまで増量できる。
7. 用法及び用量に関連する注意(抜粋)
7.1本剤の用量調節に際しては、以下の点に留意すること。
・患者の体重減少の程度や本剤に対する忍容性に応じて、週1回5 mgで治療を継続することも考慮すること。
最終更新日: December 2024
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