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<肥満症>ゼップバウンド(チルゼパチド)の投与による精神疾患や抑うつ状態に及ぼす影響は?
肥満症の臨床試験である国内第3相試験[GPHZ試験(SURMOUNT-J)]、国際共同第3相試験[GPHK試験(SURMOUNT-1, 投与72週時)及びGPHL試験(SURMOUNT-2)(Pooled解析)]における大うつ病性障害又は自殺念慮の発現状況は以下のとおりでした。
[解説]
本試験には一部承認効能又は効果と異なる成績が含まれますが、承認時評価資料であるため掲載します。
≪GPHZ試験(SURMOUNT-J)における大うつ病性障害又は自殺念慮の発現状況≫
BMIが27 kg/m2以上35 kg/m2未満で肥満に関連する健康障害※1を2つ以上有する、又はBMIが35 kg/m2以上で肥満に関連する健康障害※1を1つ以上有する日本人肥満症患者を対象※2にチルゼパチド投与とプラセボ投与を比較した国内第3相試験(GPHZ試験)では、いずれの投与群でも大うつ病性障害、自殺念慮又は自殺行為関連の有害事象は認められませんでした1,2)。
≪GPHK試験(SURMOUNT-1, 投与72週時)及びGPHL試験(SURMOUNT-2)(Pooled解析)における大うつ病性障害又は自殺念慮の発現状況≫
2型糖尿病を有しない、肥満又は体重に関連する併存疾患を有する過体重の治験参加者を対象※2に、チルゼパチド投与とプラセボ投与を比較した国際共同第3相試験(GPHK試験)及び2型糖尿病を有する、肥満又は過体重の治験参加者を対象※2に、チルゼパチドとプラセボ投与を比較した国際共同第3相試験(GPHL試験)(Pooled解析)において、大うつ病性障害、自殺念慮又は自殺行為関連の有害事象の発現状況は表1に示すとおりでした。
表1)大うつ病性障害、自殺念慮又は自殺行為関連の有害事象(安全性解析対象集団[GCP違反例を除く])[GPHK試験(SURMOUNT-1)及びGPHL試験(SURMOUNT-2)(Pooled解析)]2)
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チルゼパチド (N=624) |
チルゼパチド (N=930) |
チルゼパチド
(N=931) |
プラセボ (N=944) |
有害事象発現例数(%) |
10(1.60) |
22(2.37) |
15(1.61) |
25(2.65) |
うつ病(自殺/自傷を除く) |
10(1.60) |
21(2.26) |
14(1.50) |
25(2.65) |
うつ病 |
8(1.28) |
14(1.51) |
10(1.07) |
18(1.91) |
抑うつ気分 |
0 |
6(0.65) |
2(0.21) |
5(0.53) |
大うつ病 |
2(0.32) |
1(0.11) |
1(0.11) |
2(0.21) |
混合性不安抑うつを伴う適応障害 |
0 |
1(0.11) |
0 |
0 |
気分の落ち込み |
0 |
0 |
1(0.11) |
0 |
自殺/自傷 |
0 |
1(0.11) |
1(0.11) |
1(0.11) |
自殺企図 |
0 |
1(0.11) |
1(0.11) |
0 |
自殺念慮 |
0 |
0 |
0 |
1(0.11) |
MedDRA/J ver25.1 発現例数(%) |
||||
なお、GPHK試験にてチルゼパチド群2例に自殺企図が認められ、内訳は、チルゼパチド10 mg群1例、チルゼパチド15 mg群1例でした。本治験参加者らにはメンタルヘルス上の診断及び明らかな要因がありました。GPHL試験では自殺企図は認められませんでした2)。
また、高度又は重篤な大うつ病性障害、自殺念慮又は自殺行為関連の有害事象の発現割合は、チルゼパチド群で0.20%(5例)及びプラセボ群で0.11%(1例)でした。チルゼパチド群の5例(高度4例、重篤4例)はGPHK試験の治験参加者でした。チルゼパチド群で認められた高度又は重篤な事象は、いずれも社会的ストレス又はうつ病、心的外傷後ストレス障害、及び不安などの既存の精神的健康問題の影響が示唆されました。GPHL試験のプラセボ群1例に、高度で非重篤なうつ病が認められました2)。
※1
|
本試験における健康障害の定義 |
耐糖能異常 |
空腹時血糖値又は0時間経口ブドウ糖負荷試験(OGTT) 110~125 mg/dL、もしくは2時間 OGTT 140~ 199 mg/dLであり、糖尿病の診断基準を満たさず、糖尿病診療ガイドライン2019で「境界型」として記述される血糖範囲 |
脂質異常症 |
トリグリセリド150 mg/dL以上 |
非アルコール性脂肪性肝疾患 |
肝臓脂肪含有率(HFF) 5%以上 |
※2
チルゼパチドの承認されている効能又は効果である「肥満症」は、高血圧、脂質異常症又は耐糖能障害(2型糖尿病、耐糖能異常等)のいずれかを有し、食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られず、以下に該当する場合に限る。
・BMIが27 kg/m2以上であり、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する
・BMIが35 kg/m2以上
※3
チルゼパチドの承認された「肥満症」の用法及び用量・用法及び用量に関連する注意は以下のとおりです。
6. 用法及び用量(抜粋)
通常、成人には、チルゼパチドとして週1回2.5 mgから開始し、4週間の間隔で2.5 mgずつ増量し、週1回10 mgを皮下注射する。
なお、患者の状態に応じて適宜増減するが、週1回5 mgまで減量、又は4週間以上の間隔で2.5 mgずつ週1回15 mgまで増量できる。
7. 用法及び用量に関連する注意(抜粋)
7.4 患者の体重減少の程度や本剤に対する忍容性に応じて、週1回5 mgで治療を継続することも考慮すること。
[引用元]
Kadowaki et al. Efficacy and safety of once-weekly tirzepatide in Japanese patients with obesity disease (SURMOUNT-J): a multicentre, randomised, double-blind, placebo-controlled phase 3 trial. Lancet Diabetes Endocrinol. 2025(HMN30838)
ゼップバウンド(肥満症)申請資料概要CTD2.7.4.4.2.5(承認時評価資料)
ゼップバウンド(肥満症)申請資料概要CTD2.7.6.9(承認時評価資料)
ゼップバウンド(肥満症)申請資料概要CTD2.7.6.10(承認時評価資料)
ゼップバウンド(肥満症)申請資料概要CTD2.7.6.11(承認時評価資料)
[略語]
BMI(body mass index)=体格指数
GCP=医薬品の臨床試験の実施の基準
ICH=医薬品規制調和国際会議
MedDRA=ICH国際医薬用語集
GPHZ試験(SURMOUNT-J) 試験概要1,3)
試験デザイン |
第3相、多施設共同、二重盲検、プラセボ対照、無作為化試験 |
対象注1) |
BMIが27 kg/m2以上で2つ以上の肥満に関連する健康障害*を有する又はBMIが35 kg/m2以上で1つ以上の肥満に関連する健康障害*を有する肥満症患者225例(GCP違反が認められた実施医療機関で無作為割付された42例を除く)。なお、糖尿病患者は除外された。
* 組み入れ基準では、耐糖能異常(空腹時血糖110~125 mg/dL又は75 g経口ブドウ糖負荷試験の血糖2時間値140~199 mg/dL)、脂質異常症(空腹時トリグリセリド150 mg/dL以上)又は非アルコール性脂肪性肝疾患(肝臓脂肪含有率5%以上)とした。 |
方法 |
チルゼパチド10 mg、15 mg又はプラセボを週1回72週間皮下投与した。チルゼパチドはいずれの投与群でも最初の4週間は初回投与量の2.5 mgで週1回投与し、その後割り付けられた用量に到達するまで4週間ごとに2.5 mgずつ漸増した。用量漸増期間は最長20週であった。 体重管理のための低カロリー食及び運動量の増加を併せて実施した。 |
GPHK試験(SURMOUNT-1, 投与72週時) 試験概要4)
試験デザイン |
第3相、多施設共同、二重盲検、プラセボ対照、無作為化試験 |
対象注1) |
BMIが27 kg/m2以上で高血圧、脂質異常症、閉塞性睡眠時無呼吸症候群又は心血管疾患のいずれかを有する治験参加者もしくはBMIが30 kg/m2以上の治験参加者2517例(日本人102例)(GCP違反が認められた実施医療機関で無作為割付された22 例を除く)。なお、糖尿病患者は除外された。 |
方法注2) |
チルゼパチド5 mg、10 mg、15 mg又はプラセボを週1回72週間皮下投与した。チルゼパチドはいずれの投与群でも最初の4週間は初回投与量の2.5 mgで週1回投与し、その後割り付けられた用量に到達するまで4週間ごとに2.5 mgずつ漸増した。用量漸増期間は最長20週であった。 体重管理のための低カロリー食及び運動量の増加を併せて実施した。 |
GPHL試験(SURMOUNT-2) 試験概要5)
試験デザイン |
第3相、多施設共同、二重盲検、プラセボ対照、無作為化試験 |
対象注1) |
2型糖尿病を有するBMIが27.0 kg/m2以上の治験参加者912例(日本人41例)(GCP違反が認められた実施医療機関で無作為割付された26 例を除く) |
方法 |
チルゼパチド10 mg、15 mg又はプラセボを週1回72週間皮下投与した。チルゼパチドはいずれの投与群でも最初の4週間は初回投与量の2.5 mgで週1回投与し、その後割り付けられた用量に到達するまで4週間ごとに2.5 mgずつ漸増した。用量漸増期間は最長20週であった。 |
注1)チルゼパチドの承認されている効能又は効果である「肥満症」は、高血圧、脂質異常症又は耐糖能障害(2型糖尿病、耐糖能異常等)のいずれかを有し、食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られず、以下に該当する場合に限る。
・BMIが27 kg/m2以上であり、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する
・BMIが35 kg/m2以上
注2)チルゼパチドの承認された「肥満症」の用法及び用量・用法及び用量に関連する注意は以下のとおりです。
6. 用法及び用量(抜粋)
通常、成人には、チルゼパチドとして週1回2.5 mgから開始し、4週間の間隔で2.5 mgずつ増量し、週1回10 mgを皮下注射する。
なお、患者の状態に応じて適宜増減するが、週1回5 mgまで減量、又は4週間以上の間隔で2.5 mgずつ週1回15 mgまで増量できる。
7. 用法及び用量に関連する注意(抜粋)
7.4 患者の体重減少の程度や本剤に対する忍容性に応じて、週1回5 mgで治療を継続することも考慮すること。
最終更新日: May 2026
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