ゼップバウンド ® (チルゼパチド)
以下は適正使用情報として、本邦における承認事項(用法・用量、適応、剤形など)以外の情報が含まれる場合がございます。薬剤の使用に際しては、製品情報ページにある最新の電子化された添付文書をご確認ください。
肥満症患者にゼップバウンド(チルゼパチド)を投与した際の胃内容排出への影響は?
海外第1相試験(GPHU試験)においてチルゼパチド投与中のアセトアミノフェンのCmax、AUC0-last、及びtmaxは以下のとおりで、胃内容排出遅延作用が示唆されました。
[解説]
本試験には一部承認効能又は効果、用法及び用量と異なる成績が含まれますが、承認時評価資料であるため掲載します。
BMIが27 kg/m2以上45 kg/m2以下で2型糖尿病を有する又は有しない、肥満又は過体重の治験参加者を対象※1にチルゼパチド及びアセトアミノフェンを投与した海外第1相試験であるGPHU試験において、チルゼパチド5 mg(2日目)及び15 mg(37日目)※2投与下でアセトアミノフェンを投与したとき、アセトアミノフェンのCmaxは、アセトアミノフェン単独投与時(チルゼパチド投与前日)と比較して、それぞれ約55%及び約32%低下しました。その作用は反復投与により経時的に減弱しました1)。
2日目にチルゼパチド5 mg投与下でアセトアミノフェンを投与したときのアセトアミノフェンのCmaxは、アセトアミノフェン単独投与時と比較して、2型糖尿病を有しない治験参加者で55%、2型糖尿病を有する治験参加者で56%低下しました。2型糖尿病を有する治験参加者に対する2型糖尿病を有しない治験参加者のCmaxの最小二乗幾何平均の比(90%CI)は1.03(0.796、1.34)でした。一方、37日目にチルゼパチド15 mg投与下でアセトアミノフェンを投与したときのアセトアミノフェンのCmaxは、アセトアミノフェン単独投与時と比較して、2型糖尿病を有しない治験参加者で20%、2型糖尿病を有する治験参加者で43%低下し、2型糖尿病を有する治験参加者に対する2型糖尿病を有しない治験参加者のCmaxの最小二乗幾何平均の比(90%CI)は1.40(1.06、1.85)でした1)。
アセトアミノフェンのAUC0-lastにおける2型糖尿病を有する治験参加者に対する2型糖尿病を有しない治験参加者の最小二乗幾何平均の比(90%CI)は、チルゼパチド5 mg(2日目)投与下で1.02(0.842、1.23)、チルゼパチド15 mg(37日目)投与下で1.14(0.934、1.40)でした1)。
チルゼパチド5 mg及び15 mg投与下でアセトアミノフェンを投与したとき、tmaxの中央値はアセトアミノフェン単独投与時と比較してそれぞれ1.00時間及び0.50時間遅延しました。tmaxの中央値は、チルゼパチド5 mg及び15 mg投与下でそれぞれ約24時間及び約18時間でした1)。
2型糖尿病を有しない肥満又は過体重の外国人治験参加者及び2型糖尿病を有する肥満又は過体重の外国人治験参加者におけるアセトアミノフェンの薬物動態パラメータに及ぼすチルゼパチドの影響の詳細は表1に示すとおりでした2)。
表1)薬物相互作用試験2)
併用薬 |
チルゼパチド投与量 |
チルゼパチド 投与 |
例数 |
併用薬に対する影響 |
||
Cmax比 [90%信頼区間] |
AUC比 [90%信頼区間] |
tmax差(hr) [90%信頼区間] |
||||
2型糖尿病を有するBMIが27 kg/m2以上の治験参加者にチルゼパチドを週1回反復投与 |
||||||
アセトアミノフェン1 g注1) |
5 mg |
1回目 |
18/18 |
0.44 [0.36,0.53] |
0.88 [0.77,1.00] |
0.25 [0.00,2.28] |
15 mg注2) |
6回目 |
15/18 |
0.57 [0.47,0.70] |
1.08 [0.94,1.25] |
0.50 [0.25,1.25] |
|
BMIが27 kg/m2以上の治験参加者(糖尿病患者を除く)にチルゼパチドを週1回反復投与 |
||||||
アセトアミノフェン1 g注1) |
5 mg |
1回目 |
18/18 |
0.45 [0.38,0.55] |
0.89 [0.78,1.01] |
1.50 [0.25,2.50] |
15 mg注2) |
6回目 |
15/18 |
0.80 [0.66,0.98] |
1.23 [1.07,1.42] |
0.50 [0.00,1.00] |
例数:チルゼパチド併用投与時/チルゼパチド非投与時
AUC:アセトアミノフェンはAUC(0-last)
Cmax比及びAUC比:プラセボ群に対するチルゼパチド群の最小二乗幾何平均値の比
tmax差:プラセボ群に対するチルゼパチド群の中央値の差
注1)アセトアミノフェンは、チルゼパチド初回投与24時間後及びチルゼパチド6回目投与24時間後に投与された
注2)チルゼパチド5、5、10、10、10、15 mgの順に週1回投与
※1
チルゼパチドの承認された効能又は効果は「肥満症」である。ただし、高血圧、脂質異常症又は2型糖尿病のいずれかを有し、食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られず、以下に該当する場合に限る。
・BMIが27 kg/m2以上であり、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する
・BMIが35 kg/m2以上
※2
チルゼパチドの承認された用法及び用量は以下のとおりです。
通常、成人には、チルゼパチドとして週1回2.5 mgから開始し、4週間の間隔で2.5 mgずつ増量し、週1回10 mgを皮下注射する。
なお、患者の状態に応じて適宜増減するが、週1回5 mgまで減量、又は4週間以上の間隔で2.5 mgずつ週1回15 mgまで増量できる。
[引用元]
ゼップバウンド 申請資料概要CTD2.7.2.2.1.2(承認時評価資料)
ゼップバウンド 申請資料概要CTD2.7.6.2(承認時評価資料)
※引用元資料の入手をご希望の場合は上記のリンクをクリックし請求して下さい。
[略語]
BMI=body mass index
Cmax=最高濃度
CI=信頼区間
AUC0-last=0時間から最終定量可能時点までの濃度‐時間曲線下面積
tmax=最高濃度到達時間
GPHU試験 試験概要3)
試験デザイン |
海外第1相、非盲検、固定シークエンス試験 |
対象注3) |
BMIが27 kg/m2以上45 kg/m2以下で2型糖尿病を有する又は有しない肥満又は過体重の治験参加者36例 |
方法注4) |
チルゼパチドを週1回6週間皮下投与した。投与量は1日目及び8日目に5 mg、15日目、22日目及び29日目に10 mg、36日目に15 mgとした。またアセトアミノフェン1 gをチルゼパチド投与前日、2日目及び37日目に経口投与した。 |
注3)チルゼパチドの承認された効能又は効果は「肥満症」である。ただし、高血圧、脂質異常症又は2型糖尿病のいずれかを有し、食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られず、以下に該当する場合に限る。
・BMIが27 kg/m2以上であり、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する
・BMIが35 kg/m2以上
注4)チルゼパチドの承認された用法及び用量は以下のとおりです。
通常、成人には、チルゼパチドとして週1回2.5 mgから開始し、4週間の間隔で2.5 mgずつ増量し、週1回10 mgを皮下注射する。
なお、患者の状態に応じて適宜増減するが、週1回5 mgまで減量、又は4週間以上の間隔で2.5 mgずつ週1回15 mgまで増量できる。
最終更新日: December 2024
お探しの情報が見つからない場合は、こちら よりお問い合わせください。