［解説］

新型コロナウイルスワクチン及びインフルエンザワクチンとドナネマブの併用について、電子添文上制限はございません¹⁾。

また、新型コロナウイルスワクチン及びインフルエンザワクチンを併用した場合の有効性、安全性について検証した臨床試験データはございません。

新型コロナウイルスワクチン及びインフルエンザワクチンを含む各種ワクチンの使用についてはワクチン投与のベネフィットとリスクを考慮の上、主治医の臨床的なご判断に基づきご検討をお願いいたします。

新型コロナウイルスワクチン及びインフルエンザワクチンとの併用に際しては、該当薬剤の電子添文も合わせてご確認をお願いいたします。

≪投与間隔≫

ドナネマブと他のワクチンとの投与間隔に関して電子添文上の制限はありません¹⁾。

しかし、新型コロナウイルスワクチン及びインフルエンザワクチン接種後に見られる副反応として、発熱や注射部位の痛みなどが起こる可能性があり²⁾³⁾、投与間隔が狭い場合は、ドナネマブの副作用との鑑別をしにくい可能性があります。

≪薬物相互作用≫

ドナネマブはモノクローナル抗体であり、一般的な内因性IgG と同様に異化経路を介して低分子ペプチドやアミノ酸に分解されることが予想されるため、活性代謝物の生成や代謝阻害、酵素誘導を引き起こさないと考えられます^1,4)。また、低分子薬物の代謝及び排泄を担う薬物代謝酵素であるCYP による代謝を受けず、CYP を介した基質としての薬物間相互作用の影響を受けないと考えられます⁴⁾

≪臨床試験における制限≫

プラセボ対照ドナネマブの臨床試験において、ワクチン接種に関連する制限はありませんでした。

［引用元］

1. ケサンラ電子添文

2. 厚生労働省 「新型コロナワクチンについて」 新型コロナワクチンQ&A

3. 厚生労働省 「インフルエンザワクチン（季節性）」

4. ケサンラ申請資料概要（CTD:2.7.2.3.5）（承認時評価資料）