ケサンラ ® (ドナネマブ(遺伝子組換え))
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ケサンラ(ドナネマブ)の臨床試験におけるARIA発現時の薬物療法は?
AACI試験でのARIA発現時のコルチコステロイド療法のガイダンスは表1の通りです。AACI試験二重盲検投与期間および非盲検安全性評価期間においてARIA-Eの治療に処方されたコルチコステロイドの薬剤は表2の通りです。ARIA-Eが発現した場合には、必要に応じてコルチコステロイド等による支持療法を行ってください。またARIA-Hの症状が認められた場合にはARIA-Eも併発していることが多いためARIA-E発現時と同様の処置を行ってください。
[解説]
国際共同第Ⅲ相試験TRAILBLAZER-ALZ 2(AACI)試験でのARIA発現時におけるコルチコステロイド療法のガイダンスは表1の通りでした1)。
ARIA-Eが発現した場合には、必要に応じてコルチコステロイド等による支持療法を行ってください2)。また、ARIA-Hの症状が認められた場合にはARIA-Eも併発していることが多いため、ARIA-E発現時と同様の処置を行ってください2)。
表1) ARIA-E発現時におけるコルチコステロイド療法のガイダンス1)
症候性の場合の推奨 |
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重症度 |
推奨 |
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中等度の症候性ARIA-E |
ステロイド経口または静脈内投与を検討 |
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重度の症候性ARIA-E |
入院の上、注意深く観察し、ステロイド静脈内投与を検討 (外来で経口に切り替え可能) |
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投与量 |
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投与経路 |
デキサメタゾン |
メチルプレドニゾロン |
静脈内投与 |
初回投与10
mg、 |
1000 mg/day |
経口投与 |
初回投与8 mg、その後8時間ごとに4 mg、1週間かけて減量 |
初日24-48
mg、その後1週間かけて減量。 |
TRAILBLAZER-ALZ 2(AACI)試験の二重盲検投与期間および独立して実施された非盲検安全性評価期間(AACI試験安全性補遺)において、ドナネマブ投与患者でのARIA-Eの治療に処方されたコルチコステロイドの薬剤は表2の通りです1)。
コルチコステロイド治療の中央値は17日間でした。コルチコステロイドは重度のARIA-Eがみられた患者に最も高い頻度で処方されました(ドナネマブ投与患者でARIA-Eの治療を受けた患者のうち、ARIA-Eの最大重症度が重度の患者の25.9%、中等度の患者の3.6%、軽度の患者の1.0%に処方)1)。
表2)AACI試験(二重盲検投与期間)および非盲検安全性評価期間(AACI試験安全性補遺)におけるドナネマブ投与患者でのARIA-Eの治療に処方された薬剤1)
治療法 |
ARIA-Eの治療を受けた ドナネマブ投与患者 |
コルチコステロイド |
21 (50.0) |
静脈内コルチコステロイド |
11 (26.2) |
デキサメタゾン |
7 (16.7) |
メチルプレドニゾロン |
4 (9.5) |
経口コルチコステロイド |
19 (45.2) |
デキサメタゾン |
7 (16.7) |
プレドニゾン |
5 (11.9) |
メチルプレドニゾロン |
8 (19.0) |
Jennifer A Zimmer, et al.: JAMA Neurol. 2025 Mar 10:e250065
[略語]
ARIA=アミロイド関連画像異常
ARIA-E=アミロイド関連画像異常-浮腫/滲出液貯留
ARIA-H=アミロイド関連画像異常-脳微小出血・脳表ヘモジデリン沈着症
最終更新日: March 2025
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