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ケサンラ(ドナネマブ)の350mgで開始した場合、従来の700mgで投与開始する場合と比較してARIA-Eの発現割合が低くなった理由は?
AACQ試験において、ARIA-Eの発現割合が、700mg開始群 と比較して350mg開始群で低かった理由は不明ですが、一般的にアミロイド標的治療薬の臨床試験では、ARIAの発現の用量依存性及び漸増投与によるリスクの低減が示唆されています。また、初期の低用量投与によってアミロイド除去が遅延し、漏出や炎症が軽減すること、血清中濃度の緩徐な上昇によって血管周囲腔を介したアミロイドの移動が緩やかになることで、脳アミロイド血管症の増悪を抑制する可能性などが考えられます。
[解説]
ドナネマブの海外第Ⅲ相試験TRAILBLAZER-ALZ 6(AACQ)試験の主要評価項目である、24週時までのアミロイド関連画像異常-浮腫/滲出液貯留(ARIA-E)関連事象の発現割合は、350mg開始群※1では13.7%(29/212例)、700mg開始群※2注)では23.7%(49/207例)でした(表)1,2)。350mg開始群のARIA-E関連事象が、700mg開始群注)と比較して減少した理由は不明ですが、一般的にアミロイド標的治療薬の臨床試験では、アミロイド関連画像異常(ARIA)の発現に用量依存性があること、漸増投与によりリスクが低減することが示唆されています3)。
また、AACQ試験では、初期の低用量投与によって抗体のアミロイドβ(Aβ)への結合が低下し、Aβの除去が遅延するため(図)、漏出や炎症が軽減する、及び血清中ドナネマブ濃度の緩徐な上昇によって血管周囲腔を介したアミロイドの移動が緩やかになり、脳アミロイド血管症の増悪を抑制するなどの可能性が考えられます3)。さらに、これらの2つのメカニズムは相互に排他的ではなく、どちらもARIAリスクの低下に寄与している可能性があります3)。
※1 ドナネマブを初回は350mg、2回目は700mg、3回目は1050mg、以降は1回1400mgを4週間隔で静脈内投与。
※2 ドナネマブを最初の3回は1回700mg、以降は1回1400mgを4週間隔で静脈内投与(初回承認時の用法及び用量)。
《AACQ試験におけるARIA-E関連事象の発現割合》1,2)
AACQ試験の安全性解析対象集団※1において、主要評価項目である24週時までのARIA-E関連事象の発現割合※2は、350mg開始群では13.7%(29/212例)、700mg開始群注)では23.7%(49/207例)でした(表)1,2)。24週時のARIA-E関連事象の発現に対する事後相対リスクは40.5%減少し、事後相対リスクが少なくとも20%減少する事後確率は94.1%となり、事前規定された成功基準※3を満たしました1,2)。
表)主要評価項目(検証的な解析結果):24週時までのARIA-E関連事象の発現割合※2及び事後相対リスク減少(AACQ試験、安全性解析対象集団※1)1,2)
ベイズ・ロジスティック回帰モデル※4
*:事後相対リスク減少が0.405(95%信頼区間:0.135、0.616)であり、事前規定された成功基準※3を上回る事後確率(94.1%)が得られた(検証的な解析結果)。
※1 無作為化後、治験薬を1回以上投与したすべての患者。
※2 MRI中央読影で認められたARIA及び治験担当医師により報告されたARIAから頻度を算出した。
※3 事前規定された成功基準:相対リスク減少≧20%となる事後確率>80%。
※4 カテゴリー変数:投与群、APOEε4遺伝子型、ベースラインの微小出血の有無、ベースラインの脳表ヘモジデリン沈着の有無、ベースラインのAβ沈着量(3分位)。すべての傾き母数には拡散事前分布を用い、切片母数には拡散と情報(AACI試験補遺9のARIA-E発現率)の混合事前分布を用いた。
《AACQ試験を併合した外国人データを含む曝露-反応解析におけるAβプラーク推定値》4)
初回承認時の曝露-反応解析の最終モデルに、AACQ試験を併合した曝露-反応解析を実施しました。その結果、ドナネマブの350mg開始群及び700mg開始群注)のAβプラーク推定値は図の通り推移しました4)。
図)ドナネマブ350mg開始群及び700mg開始群注)におけるAβプラーク推定値の推移(AACQ試験を併合した外国人データを含む曝露-反応解析、シミュレーション)4)
注)ドナネマブの用法及び用量は「通常、成人にはドナネマブ(遺伝子組換え)として初回は350mg、2回目は700mg、3回目は1050mg、その後は1回1400mgを4週間隔で、少なくとも30分かけて点滴静注する。」です。
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上記の試験について一部承認外の成績が含まれますが、承認時評価資料のためご紹介しています。 |
[引用元]
ケサンラ申請資料概要(2025年8月承認CTD:2.5.5.4.1)(承認時評価資料)
Wang H, et al.: Alzheimers Dement. 2025; 21: e70062(CNS60000)
ケサンラ申請資料概要(2025年8月承認CTD:2.5.3.2)(承認時評価資料)
[略語]
APOE ε4=アポリポ蛋白E対立遺伝子4
ARIA=アミロイド関連画像異常
ARIA-E=アミロイド関連画像異常-浮腫/滲出液貯留
Aβ=アミロイドβ
MRI=核磁気共鳴画像
TEAE=治験薬の投与開始後に新たに発現又は重症度が悪化した有害事象
最終更新日: June 2025
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