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抗インスリン抗体が発現した場合のオンスイク(インスリン エフシトラ)の有効性及び安全性への影響は?
2型糖尿病患者を対象とした4つの第Ⅲ相試験の併合解析において、治験薬の投与開始後に発現した抗薬物抗体(TE-ADA)の陽性又は陰性別にみたHbA1cのベースラインからの変化量、過敏症関連事象及び注射部位反応関連事象の発現割合は以下のとおりでした。
[解説]
2型糖尿病患者を対象とした4つの第Ⅲ相試験[BDCW(QWINT-1)試験注)、BDCX(QWINT-2)試験、BDCU(QWINT-3)試験、BDCV(QWINT-4)試験]の併合解析1)により、インスリン エフシトラの免疫原性が評価されました。
注)BDCW(QWINT-1)試験では、インスリン エフシトラは日本で承認された用法及び用量とは異なる用量で投与されました。日本におけるインスリン エフシトラの承認された用法及び用量は、「通常、成人では、1週間に1回皮下注射する。初期は通常1回30~140単位とし、患者の状態に応じて適宜増減する。他のインスリン製剤を併用することがあるが、他のインスリン製剤の投与量を含めた維持量は、通常1週間あたり30~560単位である。ただし、必要により上記用量を超えて使用することがある。」です。
これらの試験のインスリン エフシトラ群に組み入れられた被験者のうち、治験薬の投与開始後に発現した抗薬物抗体(TE-ADA)の評価が可能であったのは1,854例でした1)。
免疫原性2型糖尿病併合解析セット(日本人を含む)での免疫原性に関する主な結果は以下のとおりです。
《TE-ADAの状況》1)
ベースライン時にインスリン エフシトラ群の7.6%(140/1,854例)に抗薬物抗体(ADA)が認められ、治験薬投与期間にインスリン エフシトラ群の3.0%(55/1,854例)にTE-ADAが認められました。
《TE-ADAの初回発現までの時間》1)
TE-ADAの初回発現までの時間は、併合した4つの第Ⅲ相試験すべてで同様のプロファイルでした。いずれの試験でも、早い被験者では投与2週後にTE-ADAが認められ、TE-ADA陽性者の50%以上では投与26週までに陽性となりました。
《HbA1cのベースラインからの変化量》1)
TE-ADAの陽性又は陰性別にみたHbA1cのベースラインからの変化量(中央値)は、BDCW(QWINT-1)試験でそれぞれ-1.6%、-1.3%、BDCX(QWINT-2)試験で-0.9%、-1.4%、BDCU(QWINT-3)試験で-0.7%、-0.8%、BDCV(QWINT-4)試験で-1.3%、-1.1%でした。
《過敏症関連事象又は注射部位反応関連事象の発現割合》2)
TE-ADAの陽性又は陰性別の治験薬投与下で発現した過敏症関連事象及び注射部位反応関連事象の発現割合は以下のとおり(表1)(表2)でした。
表1)過敏症関連事象の発現割合(免疫原性2型糖尿病併合解析セット)
|
TE-ADA陰性者 (N=1,799) |
TE-ADA陽性者 (N=55) |
過敏症関連事象 |
85(4.7) |
2(3.6) |
SMQ アナフィラキシー反応(狭義) |
0 |
0 |
SMQ 過敏症(狭義) |
85(4.7) |
2(3.6) |
発疹 |
13(0.7) |
0 |
皮膚炎 |
11(0.6) |
1(1.8) |
接触皮膚炎 |
12(0.7) |
0 |
湿疹 |
10(0.6) |
0 |
過敏症 |
10(0.6) |
0 |
アレルギー性鼻炎 |
9(0.5) |
0 |
蕁麻疹 |
7(0.4) |
1(1.8) |
薬物過敏症 |
4(0.2) |
0 |
血管浮腫 |
3(0.2) |
0 |
アレルギー性皮膚炎 |
2(0.1) |
0 |
アトピー性皮膚炎 |
2(0.1) |
0 |
手皮膚炎 |
2(0.1) |
0 |
医療機器使用部位発疹 |
2(0.1) |
0 |
アレルギー性咳嗽 |
1(0.1) |
0 |
アレルギー性副鼻腔炎 |
1(0.1) |
0 |
適用部位湿疹 |
1(0.1) |
0 |
適用部位過敏反応 |
1(0.1) |
0 |
気管支痙攣 |
1(0.1) |
0 |
アレルギー性結膜炎 |
1(0.1) |
0 |
角膜浮腫 |
1(0.1) |
0 |
医療機器アレルギー |
1(0.1) |
0 |
医療機器使用部位皮膚炎 |
1(0.1) |
0 |
医療機器使用部位湿疹 |
1(0.1) |
0 |
顔面腫脹 |
1(0.1) |
0 |
SMQ 血管浮腫(狭義) |
11(0.6) |
1(1.8) |
蕁麻疹 |
7(0.4) |
1(1.8) |
血管浮腫 |
3(0.2) |
0 |
角膜浮腫 |
1(0.1) |
0 |
顔面腫脹 |
1(0.1) |
0 |
n(%)
MedDRA version 27.0
N:TE-ADAの評価が可能であった被験者数、n:当該事象を発現した被験者数
表2)注射部位反応関連事象の発現割合(免疫原性2型糖尿病併合解析セット)
|
TE-ADA陰性者 (N=1,799) |
TE-ADA陽性者 (N=55) |
注射部位反応関連事象 |
31(1.7) |
2(3.6) |
HLT 注射部位反応 |
24(1.3) |
2(3.6) |
注射部位反応 |
12(0.7) |
1(1.8) |
注射部位内出血 |
3(0.2) |
0 |
注射部位疼痛 |
3(0.2) |
0 |
注射部位紅斑 |
2(0.1) |
0 |
注射部位血腫 |
1(0.1) |
0 |
注射部位肥厚 |
1(0.1) |
0 |
注射部位硬結 |
1(0.1) |
0 |
注射部位浮腫 |
1(0.1) |
0 |
注射部位静脈炎 |
1(0.1) |
0 |
注射部位そう痒感 |
0 |
1(1.8) |
注射部位腫脹 |
1(0.1) |
0 |
HLT 投与部位反応NEC |
0 |
0 |
リポジストロフィー及び限局性アミ ロイドーシス |
7(0.4) |
0 |
脂肪肥大症 |
6(0.3) |
0 |
後天性リポジストロフィー |
2(0.1) |
0 |
n(%)
MedDRA version 27.0
N:TE-ADAの評価が可能であった被験者数、n:当該事象を発現した被験者数
4つの第Ⅲ相試験のうち、日本人被験者が組み入れられた試験はBDCX(QWINT-2)試験、BDCU(QWINT-3)試験であり、TE-ADAの評価が可能であったのは158例でした3)。
免疫原性2型糖尿病併合解析セットの中の日本人集団での免疫原性に関する主な結果は以下のとおりです。
《TE-ADA及びNAbの状況》3)
ベースライン時にインスリン エフシトラ群の0.6%(1/158例)にADAが認められ、治験薬投与期間にインスリン エフシトラ群の3.8%(6/158例)にTE-ADAが認められました。
インスリン エフシトラに対する中和抗体(NAb)は、ベースライン時で検出されず、治験薬投与期間に1.9%(3/158例)に認められました。
《HbA1cのベースラインからの変化量》3)
TE-ADAの陽性又は陰性別にみたHbA1cのベースラインからの変化量(中央値)は、BDCX(QWINT-2)試験でそれぞれ-0.9%、-1.3%、BDCU(QWINT-3)試験で-1.4%、-0.7%でした。
《過敏症関連事象又は注射部位反応関連事象の発現割合》4)
日本人集団におけるTE-ADAの陽性又は陰性別の治験薬投与下で発現した過敏症関連事象及び注射部位反応関連事象の発現割合は以下のとおり(表3)(表4)でした。
表3)過敏症関連事象の発現割合(免疫原性2型糖尿病併合解析セットの日本人集団)
|
TE-ADA陰性者 (N=152) |
TE-ADA陽性者 (N=6) |
過敏症関連事象 |
21(13.8) |
0 |
SMQ アナフィラキシー反応(狭義) |
0 |
0 |
SMQ 過敏症(狭義) |
21(13.8) |
0 |
接触皮膚炎 |
8(5.3) |
0 |
湿疹 |
8(5.3) |
0 |
発疹 |
4(2.6) |
0 |
手皮膚炎 |
2(1.3) |
0 |
適用部位湿疹 |
1(0.7) |
0 |
皮膚炎 |
1(0.7) |
0 |
医療機器使用部位湿疹 |
1(0.7) |
0 |
アレルギー性鼻炎 |
1(0.7) |
0 |
蕁麻疹 |
1(0.7) |
0 |
SMQ 血管浮腫(狭義) |
1(0.7) |
0 |
蕁麻疹 |
1(0.7) |
0 |
n(%)
MedDRA version 27.0
N:TE-ADAの評価が可能であった被験者数、n:当該事象を発現した被験者数
表4)注射部位反応関連事象の発現割合(免疫原性2型糖尿病併合解析セットの日本人集団)
|
TE-ADA陰性者 (N=152) |
TE-ADA陽性者 (N=6) |
注射部位反応関連事象 |
8(5.3) |
1(16.7) |
HLT 注射部位反応 |
4(2.6) |
1(16.7) |
注射部位反応 |
3(2.0) |
1(16.7) |
注射部位肥厚 |
1(0.7) |
0 |
HLT 投与部位反応NEC |
0 |
0 |
リポジストロフィー及び限局性アミ ロイドーシス |
4(2.6) |
0 |
脂肪肥大症 |
4(2.6) |
0 |
n(%)
MedDRA version 27.0
N:TE-ADAの評価が可能であった被験者数、n:当該事象を発現した被験者数
※TE-ADA陽性被験者の定義は以下のとおりです5)。
TE-ADAの評価が可能であった被験者のうち、以下のいずれかに該当する被験者。
治験薬誘発性TE-ADA陽性:ベースライン時にADA陰性であり、ベースライン後にADA陽性の結果を1つ以上有し、その抗体価が1:40以上(ADAアッセイの最小希釈である1:20の2倍以上)である場合。
治験薬増強性TE-ADA陽性:ベースライン時及びベースライン後にADA陽性であり、ベースライン後の抗体価の1つ以上がベースライン時の抗体価の4倍以上(希釈倍率が2段階以上)である場合。つまり、ベースライン時にADA陽性かつ抗体価が1:Bで、ベースライン後に1つ以上ADA陽性の結果がありかつその抗体価が1:Pのとき、P/Bが4以上である場合。
[引用元]
オンスイク申請資料概要CTD2.7.2.4.3.2(承認時評価資料)
オンスイク申請資料概要CTD2.7.2.5 付録表 2.7.2-1, 付録表 2.7.2-2(承認時評価資料)
オンスイク申請資料概要CTD2.7.2.4.3.3(承認時評価資料)
オンスイク申請資料概要CTD2.7.2.5 付録表 2.7.2-3, 付録表 2.7.2-4(承認時評価資料)
オンスイク申請資料概要CTD2.7.2.4.2.5.4(承認時評価資料)
[略語]
ADA=抗薬物抗体
HbA1c=ヘモグロビンA1c
HLT=高水準語
NAb=中和抗体
NEC=他に分類されない
SMQ=MedDRA標準検索式
TE-ADA=治験薬の投与開始後に発現した抗薬物抗体
最終更新日: September 2026
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