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BDCU(QWINT-3)試験におけるオンスイク(インスリン エフシトラ)の有効性と安全性は日本人と外国人で違いがあるか?(日本人における有効性及び安全性は?)
BDCU(QWINT-3)試験において、投与26週時におけるHbA1cのベースラインからの変化量をインスリン エフシトラ群とインスリン デグルデク群で比較したときの群間差は、日本人集団で-0.31、全体集団で-0.11でした。 また、インスリン エフシトラ群における主な有害事象は、日本人集団及び全体集団ともにCOVID-19や上咽頭炎でした。
[解説]
BDCU(QWINT-3)試験における日本人集団と全体集団の有効性及び安全性は以下のとおりです。
≪有効性≫
日本人サブグループ解析
日本人集団の投与26週時におけるHbA1cのベースラインからの変化量は、インスリン エフシトラ群-0.79%、インスリン デグルデク群-0.47%でした(群間差-0.31、95%CI[-0.57, -0.05]、MMRM)(表1)1)。
表1)投与26週時におけるHbA1cのベースラインからの変化量(日本人、mITT)1) 2)
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インスリン エフシトラ群 (N=87) |
インスリン デグルデク群 (N=44) |
ベースライン (Mean) |
7.64(n=87) |
7.56(n=44) |
変化量a (LS Mean) |
-0.79 |
-0.47 |
インスリン デグルデクとの群間差a[95%CI] |
-0.31[-0.57, -0.05] |
|
Mean:平均値、LS Mean:最小二乗平均値、CI:信頼区間
a:MMRM[固定効果:投与群、無作為化時のBasalインスリンの種類、評価時点、投与群と評価時点の交互作用、共変量:HbA1cのベースライン値][共分散構造は無構造]
日本人集団の投与22~26週のTIR(70~180 mg/dL)は、インスリン エフシトラ群60.99%、インスリン デグルデク群54.36%でした(mITT、群間差6.63、95%CI[0.58, 12.67]、p=0.032※、MMRM)2) 3)。
※名目上のp値
各群の数値及び群間差は最小二乗平均値を示す。
MMRM[固定効果:投与群、スクリーニング時のHbA1c値の層(<8.0%、≧8.0%)、無作為化時のBasalインスリンの種類、評価時点、投与群と評価時点の交互作用、共変量:TIR(70~180 mg/dL)のベースライン値][共分散構造は無構造]
TIR(time in range):CGM測定期間の血糖値が目標範囲内にあった時間
全体集団
全体集団の投与26週時におけるHbA1cのベースラインからの変化量は、インスリン エフシトラ群-0.86%、インスリン デグルデク群-0.75%でした(mITT、群間差-0.11、95%CI[-0.22, 0.01]、MMRM)2) 4)~6)。
各群の数値及び群間差は最小二乗平均値を示す。
MMRM[固定効果:投与群、国又は地域、無作為化時のBasalインスリンの種類、評価時点、投与群と評価時点の交互作用、共変量:HbA1cのベースライン値][共分散構造は無構造]
全体集団の投与22~26週のTIR(70~180 mg/dL)は、インスリン エフシトラ群62.9%、インスリン デグルデク群61.8%でした(mITT、群間差1.39、95%CI[-1.01, 3.80]、p=0.255※、MMRM)2) 4) 5)。
※名目上のp値
各群の数値は平均値、群間差は最小二乗平均値を示す。
MMRM[固定効果:投与群、国又は地域、スクリーニング時のHbA1c値の層(<8.0%、≧8.0%)、無作為化時のBasalインスリンの種類、評価時点、投与群と評価時点の交互作用、共変量:TIR(70~180 mg/dL)のベースライン値][共分散構造は無構造]
TIR(time in range):CGM測定期間の血糖値が目標範囲内にあった時間
≪安全性≫
日本人サブグループ解析
日本人患者の一部※では、低用量の用量調整アルゴリズムを用いました。
BDCU(QWINT-3)試験における安全性解析対象集団の日本人のうち、低用量アルゴリズムを使用した患者の割合は、インスリン エフシトラ群で23.0%(20/87例)、インスリン デグルデク群で15.9%(7/44例)でした7)。
※ 割付前のBasalインスリン1日用量が10単位未満の患者
日本人集団において、無作為割付時から後観察期間までに発現したアルゴリズム別の有害事象の概要は以下のとおり(表2)でした。
表2)アルゴリズム別の有害事象の概要(日本人、安全性解析対象集団)8)
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通常のアルゴリズム |
低用量アルゴリズム |
||
インスリン エフシトラ群 (N=67) |
インスリン デグルデク群 (N=37) |
インスリン エフシトラ群 (N=20) |
インスリン デグルデク群 (N=7) |
|
有害事象 |
59(88.1) |
29(78.4) |
18(90.0) |
6(85.7) |
重篤な有害事象 |
4(6.0) |
0 |
3(15.0) |
0 |
治験薬の投与中止に 至った有害事象 |
0 |
0 |
3(15.0) |
0 |
死亡 |
0 |
0 |
0 |
0 |
n(%)
インスリン エフシトラ群における主な有害事象は、通常のアルゴリズムを用いた集団でCOVID-19及び上咽頭炎[各11例(16.4%)]、低用量アルゴリズムを用いた集団でCOVID-19及び脂肪肥大症[各3例(15.0%)]でした9)。
インスリン エフシトラ群における重篤な有害事象は、通常のアルゴリズムを用いた集団で不安定狭心症、白内障、アルコール性膵炎、創傷、及び低血糖(各1例)、低用量アルゴリズムを用いた集団で前立腺癌、胃癌、及び脳梗塞(各1例)でした10)。
インスリン エフシトラ群における治験薬の投与中止に至った有害事象は、通常のアルゴリズムを用いた集団では認められませんでした。低用量アルゴリズムを用いた集団では3例に発現し、いずれも重篤な有害事象(前立腺癌、胃癌、及び脳梗塞)によるものでした11)。
投与期間及び後観察期間において、死亡に至った有害事象は認められませんでした12)。
日本人集団における投与78週時までの低血糖の患者あたりの年間発現件数及び発現割合は以下のとおり(表3)でした。
表3)低血糖の発現状況(日本人、安全性解析対象集団)4) 13)
|
インスリン エフシトラ群 (N=87) |
インスリン デグルデク群 (N=44) |
||
患者あたりの年間発現件数[発現割合(%)] |
||||
レベル3の低血糖 |
0.016 |
[1.15] |
0 |
|
レベル3又はレベル2の低血糖 |
0.39 |
[31.03] |
0.36 |
[22.73] |
レベル3又はレベル2の夜間低血糖 |
0.06 |
[5.75] |
0.02 |
[2.27] |
低血糖(レベル2): 血糖値54 mg/dL未満
重症低血糖(レベル3): 精神的又は身体的な状態の変化があり、他者からの介助を必要とする低血糖
夜間低血糖: 午前0時(夜中)から午前6時までに発現した低血糖
全体集団
全体集団における無作為割付時から後観察期間までに発現した有害事象の概要は以下のとおり(表4)でした。
表4)全体集団における有害事象の概要(安全性解析対象集団)14)
|
インスリン エフシトラ群 (N=648) |
インスリン デグルデク群 (N=328) |
||
有害事象 |
487 |
(75.2) |
216 |
(65.9) |
重篤な有害事象 |
100 |
(15.4) |
36 |
(11.0) |
治験薬の投与中止に至った有害事象 |
21 |
(3.2) |
3 |
(0.9) |
死亡 |
7 |
(1.1) |
2 |
(0.6) |
n(%)
主な有害事象は、インスリン エフシトラ群でCOVID-19[70例(10.8%)]及び上咽頭炎[58例(9.0%)]、インスリン デグルデク群で上咽頭炎[29例(8.8%)]及びCOVID-19[28例(8.5%)]でした15)。
全体集団における投与78週時までの低血糖の患者あたりの年間発現件数及び発現割合は以下のとおり(表5)でした。
表5)全体集団における低血糖の発現状況(安全性解析対象集団)4) 13)
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インスリン エフシトラ群 (N=648) |
インスリン デグルデク群 (N=328) |
||
患者あたりの年間発現件数[発現割合(%)] |
||||
レベル3の低血糖 |
0.008 |
[0.93] |
0.004 |
[0.61] |
レベル3又はレベル2の低血糖 |
0.83 |
[41.20] |
0.74 |
[37.50] |
レベル3又はレベル2の夜間低血糖 |
0.10 |
[8.49] |
0.10 |
[10.06] |
低血糖(レベル2): 血糖値54 mg/dL 未満
重症低血糖(レベル3): 精神的又は身体的な状態の変化があり、他者からの介助を必要とする低血糖
夜間低血糖: 午前0 時(夜中)から午前6 時までに発現した低血糖
【BDCU(QWINT-3)試験の概要】4) 16)~19)
試験デザイン |
第Ⅲ相、多施設共同、無作為化、非盲検、実薬対照、並行群間試験 |
対象 |
Basalインスリンで治療中の18歳以上の2型糖尿病患者976例(うち日本人131例) |
方法 |
インスリン エフシトラ群又はインスリン デグルデク群のいずれかに2:1の比で無作為割付を行った。組入れ前に安定した用量で使用していた1~3種類のインスリン以外の糖尿病治療薬※の併用又は非併用下で、インスリン エフシトラを週1回又はインスリン デグルデクを1日1回、78週間皮下投与した。 インスリン エフシトラの開始用量は、無作為割付前1週間の空腹時血糖値(中央値)が120 mg/dL超の場合は、割付前のBasalインスリン1日用量の7倍量(週あたりの用量)をさらに3倍に増量した用量を皮下投与した。120 mg/dL以下の場合は週あたりの用量をそのまま開始用量として皮下投与した。2回目の用量は、どちらの場合でも週あたりの用量とした。インスリン デグルデク群の開始用量は、割付前に使用していたBasalインスリン1日用量と同じ用量として1日1回皮下投与した。以降の各薬剤の投与量は、低血糖事象及び空腹時血糖値の中央値(目標値:80~120 mg/mL)に基づいて調節した。 ※ メトホルミン、DPP-4阻害剤、SGLT2阻害剤、α-グルコシダーゼ阻害剤、GLP-1受容体作動薬 |
[引用元]
オンスイク申請資料概要CTD2.7.3.3.3.1.3.1(承認時評価資料)
オンスイク申請資料概要CTD2.7.3.1.3.2.1(承認時評価資料)
オンスイク申請資料概要CTD2.7.3.3.3.1.3.3(承認時評価資料)
オンスイク申請資料概要CTD2.7.6.14.2.3.1(承認時評価資料)
オンスイク申請資料概要CTD2.7.3.3.2.1(承認時評価資料)
オンスイク申請資料概要CTD2.7.4.5.9.1.1(承認時評価資料)
オンスイク申請資料概要CTD2.7.4.5.9.3.1.1(承認時評価資料)
オンスイク申請資料概要CTD2.7.4.5.9.3.2.1(承認時評価資料)
オンスイク申請資料概要CTD2.7.4.5.9.3.4.1(承認時評価資料)
オンスイク申請資料概要CTD2.7.4.5.9.3.5.1(承認時評価資料)
オンスイク申請資料概要CTD2.7.4.5.9.3.3(承認時評価資料)
オンスイク申請資料概要CTD2.7.4.4.2.1.1(承認時評価資料)
オンスイク申請資料概要CTD2.7.6.14.2.4.2(承認時評価資料)
オンスイク申請資料概要CTD2.7.6.14.2.4.5(承認時評価資料)
オンスイク申請資料概要CTD2.7.3.1.1.1.2(承認時評価資料)
オンスイク申請資料概要CTD2.7.6.14.1(承認時評価資料)
オンスイク申請資料概要CTD2.7.6.14.6.1(承認時評価資料)
Philis-Tsimikas A, et al.: Lancet, 405(10497): 2279-2289, 2025(HMN60152)
[略語]
CGM=持続血糖モニター
COVID-19=新型コロナウイルス感染症
DPP-4=ジペプチジルペプチダーゼ-4
GLP-1=グルカゴン様ペプチド-1
HbA1c=ヘモグロビンA1c
mITT=modified intent-to-treat
MMRM(mixed model with repeated measurements)=繰り返し測定値に関する混合効果モデル
SGLT2=ナトリウム−グルコース共同輸送体2
最終更新日: September 2026
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