トルリシティ ® (デュラグルチド(遺伝子組換え))
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トルリシティ(デュラグルチド)投与による膵炎発現症例は?
国内第III相臨床試験のうち、経口血糖降下薬との併用療法試験(GBDQ試験)において、SU併用群の2例が膵炎と判断されました。2例のうち1例は薬剤性膵炎と診断され、試験を中止しました。もう1例は、超音波内視鏡下穿刺吸引術後の膵酵素異常が認められ、デュラグルチドとの因果関係は否定されました。
[解説]
国内第II相(GBCZ試験)及び第III相臨床試験(GBDP、GBDY及びGBDQ試験)では、急性膵炎(疑いも含む)を専門医で構成される外部判定委員会で判定しました。その結果、国内第III相臨床試験のうち、経口血糖降下薬との併用療法試験(GBDQ試験)において、スルホニルウレア系薬剤併用群の2例が膵炎*と判定されました。2例のうち1例は薬剤性膵炎と診断され、試験を中止しました。もう1例は、超音波内視鏡下穿刺吸引術後の膵酵素異常が認められ、デュラグルチドとの因果関係は否定されました1) 2)。
なお、国内臨床薬理試験では、膵炎の有害事象は認められませんでした。
国内第III相臨床試験の結果から、デュラグルチド投与による膵炎発現の明らかなリスク増加は示唆されていないものの、デュラグルチドの電子添文には「11.1重大な副作用」として急性膵炎に対する注意喚起がされています3)。
*因果関係を問わない有害事象
[引用元]
トルリシティ 審査報告書
Emoto, M., Oura, T., Matsui, A., et al.: Pancreatic safety in Japanese patients with type 2 diabetes treated with once weekly dulaglutide 0.75 mg up to 52 weeks in phase 3 clinical trials. ENDOCRINE JOURNAL, 64(2): 191-206, 2017(HMN30601)
最終更新日: April 2023
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