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<再発高リスクの乳癌における術後薬物療法> ベージニオ(アベマシクリブ)のmonarchE試験における無浸潤疾患生存期間(IDFS)の結果は?
IDFS主要解析時点において、コホート1集団のアベマシクリブ+内分泌療法群の内分泌療法群に対するIDFSのハザード比(95%信頼区間)は、0.714(0.569~0.896)でした。OS最終解析時では、ITT集団で0.734(0.657~0.820)、コホート1集団で0.726(0.648~0.815)、コホート2集団で0.797(0.508~1.252)でした。
[解説]
再発高リスク※1のホルモン受容体陽性かつHER2陰性の乳癌の術後患者※2を対象に、アベマシクリブ+内分泌療法と内分泌療法を比較した国際共同第Ⅲ相試験(monarchE試験)の主要解析時点(2020年3月16日データカットオフ)において、ITT集団ではアベマシクリブ+内分泌療法群が内分泌療法群と比較して統計学的に有意なIDFSの延長を認めました[ハザード比(95%信頼区間)は0.747(0.598~0.932)、p=0.00957(層別ログランク検定)、有意水準(両側)0.0264)]。コホート1集団のアベマシクリブ+内分泌療法群の内分泌療法群に対するIDFSのハザード比(95%信頼区間)は0.714(0.569~0.896)でした(層別Cox比例ハザードモデル)(表1)1)。2年時点の無浸潤疾患生存率(95%信頼区間)は、アベマシクリブ+内分泌療法群92.1%(90.3~93.6)、内分泌療法群88.4%(86.2~90.2)でした(表1)1)。
OS最終解析時点(2025年7月15日データカットオフ)において、主要評価項目であるITT集団のアベマシクリブ+内分泌療法群の内分泌療法群に対するIDFSのハザード比(95%信頼区間)は0.734(0.657~0.820)でした(層別Cox比例ハザードモデル)(表2)1)。7年時点の無浸潤疾患生存率(95%信頼区間)は、アベマシクリブ+内分泌療法群77.4%(75.6~79.2)、内分泌療法群70.9%(68.9~72.8)でした(表2)1)。
コホート別のアベマシクリブ+内分泌療法群の内分泌療法群に対するIDFSのハザード比(95%信頼区間)は、コホート1集団では0.726(0.648~0.815)、コホート2集団では0.797(0.508~1.252)でした(層別Cox比例ハザードモデル)(表3、4)1)。7年時点の無浸潤疾患生存率(95%信頼区間)は、コホート1集団ではアベマシクリブ+内分泌療法群77.0%(75.0~78.8)、内分泌療法群70.1%(68.0~72.1)(表3)、コホート2集団ではアベマシクリブ+内分泌療法群81.2%(72.0~87.6)、内分泌療法群77.4%(68.4~84.1)でした(表4)1)。
※1 コホート1及びコホート2が設定され、それぞれ以下の患者が対象とされた。
コホート1:以下の①又は②のいずれかに該当する患者
①病理検査で同側腋窩リンパ節の4個以上で転移陽性。
②病理検査で同側腋窩リンパ節の1~3個で転移陽性(術前薬物療法前の細胞診も可)、かつ原発腫瘍径5cm以上(術前薬物療法前の画像検査も可)、又はModified Bloom-Richardson grading systemによる組織学的グレード3。
コホート2:コホート1の基準のいずれにも該当せず、病理検査で同側腋窩リンパ節の1~3個で転移陽性(術前薬物療法前の細胞診も可)、かつ未治療の原発巣におけるKi-67 indexが20%以上の患者。
※2 登録された患者のうち、化学療法歴及び放射線療法歴のある患者はそれぞれ94.4%及び95.4%であった。
表1)monarchE試験におけるIDFSの結果(コホート1集団、サブグループ解析、主要解析時点:2020年3月16日データカットオフ)1)
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アベマシクリブ+ 内分泌療法群 |
内分泌療法群 |
症例数(日本人症例数) |
2555(169) |
2565(175) |
イベント発現例数 |
127 |
182 |
2年無浸潤疾患生存率 |
92.1 (90.3~93.6) |
88.4 (86.2~90.2) |
ハザード比(95%信頼区間) (層別Cox比例ハザードモデル) |
0.714(0.569~0.896) |
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コホート別の解析は統計学的検証を目的とした解析ではない。
層別因子:前治療(術前化学療法あり、術後化学療法あり、化学療法なし)、閉経状態(閉経前、閉経後)及び地域(北米/欧州、アジア、その他)
表2)monarchE試験におけるIDFSの結果(ITT集団、OS最終解析時点:2025年7月15日データカットオフ)1)
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アベマシクリブ+ 内分泌療法群 |
内分泌療法群 |
症例数(日本人症例数) |
2808(181) |
2829(196) |
イベント発現例数 |
547 |
722 |
7年無浸潤疾患生存率 (95%信頼区間) |
77.4 (75.6~79.2) |
70.9 (68.9~72.8) |
ハザード比(95%信頼区間) (層別Cox比例ハザードモデル) |
0.734(0.657~0.820) |
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2025年7月15日時点のデータカットオフは統計学的検証を目的とした解析ではない。
層別因子:前治療(術前化学療法あり、術後化学療法あり、化学療法なし)、閉経状態(閉経前、閉経後)及び地域(北米/欧州、アジア、その他)
表3)monarchE試験におけるIDFSの結果(コホート1集団、サブグループ解析、OS最終解析時点:2025年7月15日データカットオフ)1)
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アベマシクリブ+ 内分泌療法群 |
内分泌療法群 |
症例数(日本人症例数) |
2555(169) |
2565(175) |
イベント発現例数 |
512 |
678 |
7年無浸潤疾患生存率 (95%信頼区間) |
77.0 (75.0~78.8) |
70.1 (68.0~72.1) |
ハザード比(95%信頼区間) (層別Cox比例ハザードモデル) |
0.726(0.648~0.815) |
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コホート別の解析は統計学的検証を目的とした解析ではない。
層別因子:前治療(術前化学療法あり、術後化学療法あり、化学療法なし)、閉経状態(閉経前、閉経後)及び地域(北米/欧州、アジア、その他)
表4)monarchE試験におけるIDFSの結果(コホート2集団、サブグループ解析、OS最終解析時点:2025年7月15日データカットオフ)1)
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アベマシクリブ+ 内分泌療法群 |
内分泌療法群 |
症例数(日本人症例数) |
253(12) |
264(21) |
イベント発現例数 |
35 |
44 |
7年無浸潤疾患生存率 (95%信頼区間) |
81.2 (72.0~87.6) |
77.4 (68.4~84.1) |
ハザード比(95%信頼区間) (層別Cox比例ハザードモデル) |
0.797(0.508~1.252) |
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コホート別の解析は統計学的検証を目的とした解析ではない。
層別因子:前治療(術前化学療法あり、術後化学療法あり、化学療法なし)、閉経状態(閉経前、閉経後)及び地域(北米/欧州、アジア、その他)
《安全性(副次評価項目)》2,3)
monarchE試験の主要解析時点(2020年3月16日データカットオフ)において、安全性解析対象集団の有害事象発現割合はアベマシクリブ+内分泌療法群97.9%(2731/2791例)、内分泌療法群86.1%(2410/2800例)でした(効能又は効果追加承認時)。主な有害事象(いずれかの群で発現割合40%以上)は、下痢[アベマシクリブ+内分泌療法群82.2%(2294/2791例)、内分泌療法群7.1%(199/2800例)]、好中球減少症[アベマシクリブ+内分泌療法群44.6%(1246/2791例)、内分泌療法群5.0%(141/2800例)]でした。
重篤な有害事象は、アベマシクリブ+内分泌療法群344例(肺炎23例、深部静脈血栓症及び肺塞栓症 各16例、下痢15例、尿路感染12例、蜂巣炎11例及び胆嚢炎10例等)、内分泌療法群202例(肺炎14例及び蜂巣炎9例等)に認められました。
死亡※1に至った有害事象は、アベマシクリブ+内分泌療法群で11例(心不全2例、心停止、心筋梗塞、心室細動、下痢、全身健康状態悪化、脳出血、脳血管発作、低酸素症及び肺臓炎 各1例)、内分泌療法群で6例(インフルエンザ、肺炎、敗血症性ショック、尿路性敗血症、消化器腺癌及び肺塞栓症 各1例)に認められました。
治験薬の投与中止※2に至った有害事象は、アベマシクリブ+内分泌療法群463例、内分泌療法群21例に認められました。10例以上に認められた事象は、アベマシクリブ+内分泌療法群の下痢135例、疲労51例、好中球減少症25例、腹痛19例、ALT(GPT)増加16例、肺臓炎12例、悪心10例、白血球減少症10例、血中クレアチニン増加10例でした。
なお、OS最終解析時点(2025年7月15日データカットオフ)における安全性データは既知の安全性プロファイルとも一貫しており、新たな安全性上の懸念は認められませんでした。
※1 治験薬投与期間中又は治験治療の中止から30日以内
※2 アベマシクリブ+内分泌療法群でアベマシクリブ投与のみ中止の場合、又はアベマシクリブ及び内分泌療法の2剤を同時に投与中止した場合、内分泌療法群で治験薬中止の場合
【monarchE試験の概要】1,2)
目的 |
ホルモン受容体陽性(HR+)かつヒト上皮増殖因子受容体2陰性(HER2-)の乳癌の再発高リスク*1の術後患者を対象に、術後内分泌療法併用下におけるアベマシクリブの無浸潤疾患生存期間(IDFS)を術後内分泌療法単独と比較検証する。 *1 コホート1及びコホート2が設定され、それぞれ以下の患者が対象とされた。 コホート1:以下の①又は②のいずれかに該当する患者 ①病理検査で同側腋窩リンパ節(ALN)の4個以上で転移陽性。 ②病理検査で同側ALNの1~3個で転移陽性(術前薬物療法前の細胞診も可)、かつ原発腫瘍径5cm以上(術前薬物療法前の画像検査も可)、又はModified Bloom-Richardson grading systemによる組織学的グレード3。 コホート2:コホート1の基準のいずれにも該当せず、病理検査で同側ALNの1~3個で転移陽性(術前薬物療法前の細胞診も可)、かつ未治療の原発巣におけるKi-67値が20%以上の患者。 |
試験デザイン |
第Ⅲ相、多施設共同、無作為化、非盲検試験 |
対象 |
HR+/HER2-であり、根治的局所治療を完了した再発高リスクの術後乳癌患者5637例[ITT集団アベマシクリブ+内分泌療法群2808例、内分泌療法群2829例、安全性解析対象集団(無作為化され治療を受けた患者):アベマシクリブ+内分泌療法群2791例、内分泌療法群2800例] |
方法 |
対象をアベマシクリブ+内分泌療法群又は内分泌療法群に1:1の比で無作為に割り付けた。アベマシクリブ+内分泌療法群では、アベマシクリブ150mgを1日2回経口投与(最長2年間)+標準的な術後内分泌療法を臨床的必要性に応じて5~10年投与した。内分泌療法群では、標準的な術後内分泌療法を臨床的必要性に応じて5~10年投与した。 |
評価項目 |
主要評価項目:ITT集団における無浸潤疾患生存期間(IDFS)【検証的解析項目】 副次評価項:Ki-67高値(≧20%)集団及びコホート1のKi-67高値集団におけるIDFS、無遠隔再発生存期間(DRFS)、ITT集団における全生存期間(OS*2)【検証的解析項目】、安全性(有害事象及び臨床検査)等 *2 全生存期間の目標イベント数は、主要評価項目の解析後に、術後薬物療法の設定において少なくとも5年間の追跡期間を確保するため、規制当局との協議の上で390件から650件へ増加された。 |
主要評価項目の結果 |
主要評価項目である主要解析時点(2020年3月16日データカットオフ)のITT集団におけるIDFSについて、アベマシクリブ+内分泌療法群の内分泌療法群に対する優越性が検証された[ハザード比(95%信頼区間):0.747(0.598~0.932)、層別Cox比例ハザードモデル]、[p=0.00957*3、層別ログランク検定(両側)](検証的解析結果)。 *3 有意水準(両側)は2.64%。 層別因子:前治療(術前化学療法あり、術後化学療法あり、化学療法なし)、閉経状態(閉経前、閉経後)及び地域(北米/欧州、アジア、その他) |
[引用元]
ベージニオ(再発高リスクの乳癌における術後薬物療法)申請資料概要 CTD2.7.6.3 (承認時評価資料)
Johnston SRD, et al.: Ann Oncol. 2026; 37(2): 155-165(ONC60117)
[略語]
IDFS = 無浸潤疾患生存期間
ITT = intent-to-treat
OS = 全生存期間
最終更新日: September 2026
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