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乾癬、乾癬性関節炎の治療ガイドラインでトルツ(イキセキズマブ)の位置づけは?


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イキセキズマブの位置づけについて世界的に確立されたガイドラインはありませんが、日本皮膚科学会、米国皮膚科学会、英国皮膚科医協会から情報が出されています。

[解説]

乾癬においてイキセキズマブの位置づけについて世界的に確立されたガイドラインはありませんが、日本皮膚科学会、米国皮膚科学会、英国皮膚科医協会から以下のような情報が出されています。


日本皮膚科学会による「乾癬における生物学的製剤の使用ガイダンス(2022年版)」1では、イキセキズマブを含む生物学的製剤による全身療法が推奨される患者として、紫外線療法を含む既存の全身療法で十分な効果が得られず、皮疹が体表面積(Body Surface Area;BSA)の10%以上に及ぶ患者、または既存治療抵抗性の難治性皮疹または関節症状を有し、生活の質(Quality of Life;QOL)が高度に障害されている尋常性乾癬および乾癬性関節炎の患者、膿疱性乾癬(汎発性)及び乾癬性紅皮症の患者が挙げられています。また、乾癬性関節炎においては、IL-17阻害薬の選択順位はTNF阻害薬とほぼ同等とされています1


米国リウマチ学会(ACR)と米国国立乾癬財団(NPF)による乾癬性関節炎のガイドライン2018では、乾癬性関節炎患者におけるイキセキズマブを含むIL-17阻害薬の選択順位はTNF阻害薬に次ぐものの、TNF阻害薬が禁忌の場合や、重症の尋常性乾癬の皮疹がある場合にはIL-17阻害薬の使用を考慮することとされています2


米国皮膚科学会乾癬ガイドラインでは、対象疾患・用法用量等においてイキセキズマブの推奨度が3段階で示されています3


英国皮膚科医協会British Association of Dermatologistsによる乾癬に対する生物学的製剤治療のガイドラインでは、イキセキズマブを含む生物学的製剤の治療アルゴリズムが紹介されており、イキセキズマブは他の全身療法を先ず考慮した上でのセカンドラインでの推奨となっています4


乾癬性関節炎に対しては、乾癬性関節炎の薬物療法による管理についての欧州リウマチ学会議(EULAR)の勧告(2023年版)において、既存の全身療法で十分な効果が得られない場合や、体軸関節炎や付着部炎が顕著な場合には、IL-17抗体製剤を含む生物学的製剤による全身療法が推奨されています。なお、その場合、乾癬皮膚症状を有する(BSA>10%)場合はIL-17阻害薬が好ましいが、炎症性腸疾患やぶどう膜炎を合併する場合はTNF阻害薬やIL-23阻害薬、IL-12/23阻害薬、JAK阻害薬が好ましいとされています5


GRAPPA (The Group for Research and Assessment of Psoriasis and Psoriatic Arthritis)2021では、csDMARDs(従来型疾患修飾性抗リウマチ薬)に対して不十分な反応を示す乾癬性関節炎患者において、末梢関節炎の領域ではIL-17阻害薬とTNF阻害薬の有効性は同等であるとされています6


参考:

その他、参考となるガイドライン等として以下の報告があります。

Mrowietz, U. et al.: J Eur Acad Dermatol Venereol, 28(4): 438-453, 2014(中等度-重度局面型乾癬の管理における適切な治療の最適化と移行に関するコンセンサス報告)(AIM00019

Ramiro, S. et al.: Ann Rheum Dis, 75(3): 490-498, 2016(関節症性乾癬に対する薬物療法:2015年版EULAR関節症性乾癬治療推奨事項の文献レビュー)(AIM00062

Nast, A. et al.: J Eur Acad Dermatol Venereol, 31(12): 1951-1963, 2017EUにおける尋常性乾癬の治療ガイドライン)(AIM00715

Nast, A. et al.: Arch Dermatol Res, 304(2): 87-113, 2012(尋常性乾癬治療のドイツS3ガイドライン[縮約版])(AIM00205



[引用元]

  1. 日本皮膚科学会乾癬分子標的薬安全性検討委員会: 日皮会誌, 132(10): 2271-2296, 2022(最終アクセス日:20241225日)

  2. Singh, J. A. et al.: Arthritis Rheumatol, 71(1): 5-32, 2019AIM00721

  3. Menter, A. et al.: J Am Acad Dermatol, 80(4): 1029-1072, 2019AIM00717

  4. Smith, C. H. et al.: Br J Dermatol, 183(4): 628-637, 2020AIM00867

  5. Gossec, L. et al.: Ann Rheum Dis, 83(6): 706-719, 2024

  6. Coates, L. C. et al.: Nat Rev Rheumatol, 18(8): 465-479, 2022AIM00865

最終更新日: January 2025

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