トルツ ® (イキセキズマブ(遺伝子組換え))
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トルツ(イキセキズマブ)の投与スケジュールや投与量によって有害事象の発現頻度は変わるのか?
乾癬患者を対象とした第III相臨床試験(UNCOVER-1,2,3)の導入投与期間(12週)において、1件以上の感染症に関連する有害事象が認められた被験者の割合は、イキセキズマブQ4W投与群(27.4%)とイキセキズマブQ2W投与群(27.0%)でした。 イキセキズマブQ2W投与群で、イキセキズマブQ4W投与群と比較して高い発現割合で認められた感染症に関連する有害事象は、結膜炎(0.7% vs 0.1%)及び口腔カンジダ症(0.7% vs 0.2%)でした
[解説]
乾癬患者を対象とした第III相臨床試験(UNCOVER-1,2,3)の導入投与期間(12週)において、1件以上の感染症に関連する有害事象が認められた被験者の割合は、イキセキズマブQ4W投与群(27.4%)とイキセキズマブQ2W投与群(27.0%)でした。
イキセキズマブQ2W投与群で、イキセキズマブQ4W投与群と比較して高い発現割合で認められた感染症に関連する有害事象は、結膜炎(0.7% vs 0.1%)及び口腔カンジダ症(0.7% vs 0.2%)でした。
1件以上の感染症に関連する重篤な有害事象が認められた被験者の割合は、イキセキズマブQ4W投与群0.7%(8例)とイキセキズマブQ2W投与群0.4%(5例)でした。イキセキズマブQ4W投与群で認められた感染症に関連する重篤な有害事象は、蜂巣炎及び丹毒(各2例)、気管支肺炎、急性腎盂腎炎、扁桃炎、尿路感染、及び尿路性敗血症(各1例)であり、イキセキズマブQ2W投与群で認められた感染症に関連する重篤な有害事象は、虫垂炎(2例)、蜂巣炎、口腔膿瘍、及び腹膜炎(各1例)でした。
1 件以上の感染症に関連する試験中止に至った有害事象が認められた被験者の割合は、イキセキズマブQ4W投与群0.3%(4例)とイキセキズマブQ2W投与群0.3%(4例)でした。イキセキズマブQ4W投与群で認められた感染症に関連する試験中止に至った有害事象は、蜂巣炎、気管支肺炎、耳感染、及び尿路性敗血症(各1例)であり、イキセキズマブQ2W投与群で認められた感染症に関連する試験中止に至った有害事象は、虫垂炎(2例)、蜂巣炎及び骨髄炎(各1例)でした1)。感染症に関連する有害事象をイキセキズマブQ2W投与群とイキセキズマブQ4W投与群で比較した結果、全般的に明確な用量反応性は認められませんでした2)。
乾癬患者を対象とした第III相臨床試験(IXORA-P)の 二重盲検投与期間(52週まで)において、投与群別の有害事象の発現割合は、イキセキズマブQ4W投与群79.7%(247/310例)、イキセキズマブQ4W/Q2W投与群75.2%(230/306例)、イキセキズマブQ2W投与群74.2%(452/609 例)で、投与群間で差は認められませんでした3)。
投与群間で最も顕著な違いがみられた有害事象は、注射部位反応で、その発現割合は、イキセキズマブQ4W投与群[5.8%(18/310例)]、イキセキズマブQ4W/Q2W投与群[1.6%(5/306例)]及びイキセキズマブQ2W投与群[8.0%(49/609例)]でした。また、発現割合に投与群間で統計学的に有意な差が認められた有害事象は、尿路感染[イキセキズマブQ4W投与群4.8%(15/310例)、イキセキズマブQ4W/Q2W投与群1.3%(4/306例)、イキセキズマブQ2W 投与群2.5%(15/609例)] 及びインフルエンザ[イキセキズマブQ4W投与群1.9%(6/310例)、イキセキズマブQ4W/Q2W投与群2.9%(9/306例)、イキセキズマブQ2W投与群0.8%(5/609例)]でした。尿路感染では、イキセキズマブQ4W投与群でイキセキズマブQ4W/Q2W投与群と比較して統計学的に有意に高く(p=0.017)、インフルエンザでは、イキセキズマブQ4W/Q2W投与群でイキセキズマブQ2W投与群と比較して統計学的に有意に高くなりました(p=0.020)4)。
Q2W = 2週間隔
Q4W = 4週間隔
Q4W/Q2W
=
4週/2週間隔
12週時以降に投与間隔短縮基準[医師による静的総合評価(sPGA)スコアが2回連続して2以上]に合致した被験者は、16週時から40週時の間に、イキセキズマブ80mg4週間隔投与から2週間隔投与に投与間隔を短縮し、その後は2週間隔投与を継続した。
【トルツ®の国内における承認用法・用量】
通常、成人にはイキセキズマブ(遺伝子組換え)として初回に160
mgを皮下投与し、2週後から12週後までは1回80
mgを2週間隔で皮下投与し、以降は1回80
mgを4週間隔で皮下投与する。なお、12
週時点で効果不十分な場合には、1
回80
mg を2
週間隔で皮下投与できる。
1) トルツ 申請資料概要 初回承認時(CTD2.7.4.5.11.1.2.1.4)(承認時評価資料)
2) トルツ 申請資料概要 初回承認時(CTD2.7.4.5.11.1.2.8)(承認時評価資料)
3) トルツ 申請資料概要 用法用量一変(CTD2.7.4.2.1.1.1)(承認時評価資料)
最終更新日: July 2022
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