トルツ ® (イキセキズマブ(遺伝子組換え))
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トルツ(イキセキズマブ)の乾癬治療の再発率と再発までの期間はどの程度か?
乾癬患者を対象とした第III相臨床試験(UNCOVER-1、2)において維持投与期間にイキセキズマブが投与されなかった被験者(プラセボ投与群)での再発率は84.4%、イキセキズマブQ4W投与群では17.2%で、イキセキズマブ投与群ではプラセボ投与群と比較して再発の割合は統計学的に有意に低くなりました。再発までの期間(中央値)はプラセボ投与群で148日でした。
[解説]
本剤の尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症に対し承認された用法及び用量は、「通常、成人にはイキセキズマブ(遺伝子組換え)として初回に160 mgを皮下投与し、2週後から12週後までは1回80 mgを2週間隔で皮下投与し、以降は1回80 mgを4週間隔で皮下投与する。なお、12週時点で効果不十分な場合には、1回80 mgを2週間隔で皮下投与できる。」です1)。以下の回答は、承認外の用法及び用量を推奨するものではありません。
<再発率>
・UNCOVER-1、2試験(外国人及び日本人)
乾癬患者を対象とした第III相臨床試験(UNCOVER-1、2)の維持投与期間(12~60週)併合解析セットの有効性解析対象集団で、イキセキズマブが投与されなかった被験者(プラセボ投与群)において再発が認められた割合は84.4%でした。なお、イキセキズマブQ4W投与群では17.2%であり、プラセボ投与群と比較して再発の割合は統計学的に有意に低くなりました(p<0.001、ログランク検定)2)。
・UNCOVER-J試験(日本人)
日本人の乾癬患者を対象とした第III相臨床試験(UNCOVER-J)では、イキセキズマブ投与52週時点でレスポンダー(≥PASI 75)と判断された患者は、イキセキズマブ休薬期間に移行しました。その結果、再発*が認められた割合は87%でした3)。
<再発までの期間>
・UNCOVER-1、2試験(外国人及び日本人)
再発*までの期間(中央値)は、プラセボ投与群で148日でした。なお、イキセキズマブQ4W投与群では再発した被験者が少なく、中央値は算出できませんでした2)。
・UNCOVER-J試験(日本人)
再発*までの期間(中央値)は、143日でした3)。
*UNCOVER-1、2試験の維持投与期間における再発は、イキセキズマブ投与の有無に関わらずsPGAスコアが3以上(中等度以上)と定義しました。UNCOVER-J試験の休薬期間における再発は、≤PASI 50と定義しました。
[引用元]
トルツ申請資料概要CTD2.7.3.5.2(承認時評価資料)
Umezawa, Y. et al.: Long-term efficacy and safety results from an open-label phase III study (UNCOVER-J) in Japanese plaque psoriasis patients: impact of treatment withdrawal and retreatment of ixekizumab. J. Eur. Acad. Dermatol. Venereol., 33(3): 568-576, 2019(AIM00689)
[略語]
Q4W = 4週間隔
sPGA = 医師による静的総合評価(static Physician Global Assessments)
皮疹の重症度を6段階(0:無症状、1:ごく軽度、2:軽度、3:中等度、4:重度、5:きわめて重度)にて評価します。本剤の効果は0又は1の割合について効果判定に用いました。
最終更新日: July 2022
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