サイラムザ ® (ラムシルマブ(遺伝子組換え))
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サイラムザ(ラムシルマブ)で間質性肺疾患はみられるか? また、間質性肺疾患がある患者への投与は可能か?
間質性肺疾患の副作用発現頻度は、単独投与時頻度不明、併用投与時1.2%です。
[解説]
間質性肺疾患の副作用発現頻度は、単独投与時頻度不明注1) 注3)、併用投与時1.2%注2)です1)。
注1)胃癌患者を対象としたラムシルマブの単独投与による外国第III相無作為化比較試験(REGARD試験)及び肝細胞癌患者を対象としたラムシルマブの単独投与による国際共同第III相無作為化比較試験(REACH-2試験)における発現頻度の集計に基づき記載しました。
注2)胃癌患者を対象としたラムシルマブとパクリタキセル併用投与による国際共同第III相無作為化比較試験(RAINBOW試験)、結腸・直腸癌患者を対象としたラムシルマブとイリノテカン、ホリナート/レボホリナート及び5-フルオロウラシル(5-FU)を含む併用療法(FOLFIRI)による国際共同第III相無作為化比較試験(RAISE試験)、非小細胞肺癌患者を対象としたラムシルマブとドセタキセル併用投与による国内第II相無作為化比較試験(JVCG試験)及び外国第III相無作為化比較試験(REVEL試験)、ラムシルマブとエルロチニブ併用投与又はラムシルマブとゲフィチニブ併用投与による国際共同第Ib/III相試験(RELAY試験)における発現頻度の集計に基づき記載しました。
臨床試験では間質性肺疾患の有害事象発現頻度はプラセボ群と同程度でしたが、ラムシルマブとの因果関係が否定されなかった死亡例が報告され、結腸・直腸癌患者において日本人で1例死亡例が報告されています(死亡例の経過は適正使用ガイド[結腸・直腸癌編]に記載があります)2)。
また、薬剤性肺障害の非特異的なリスク因子として、年齢60歳以上、既存の肺病変(特に間質性肺炎)、肺手術後、呼吸機能の低下、酸素投与、肺への放射線照射、抗悪性腫瘍薬の多剤併用療法、腎障害の存在などが知られているため3)、間質性肺疾患のある患者への投与に際しては注意が必要です。
なお、併用する薬剤での間質性肺疾患に関する注意について、併用する薬剤の電子添文を参照して慎重に投与を検討してください。
参考:
「有害事象」は試験期間中に生じたすべての好ましくない又は意図しない疾病・徴候を意味し、かぜや外傷なども含みます。有害事象のうち治験薬との因果関係が否定できないものが「副作用」と定義されます。
注3)該当する臨床試験において発現が認められなかったため「頻度不明」としています。
[引用元]
日本呼吸器学会: 薬剤性肺障害の診断・治療の手引き第2版, 2018
最終更新日: June 2024
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