オルミエント ® (バリシチニブ)
以下は適正使用情報として、本邦における承認事項(用法・用量、適応、剤形など)以外の情報が含まれる場合がございます。薬剤の使用に際しては、製品情報ページにある最新の電子化された添付文書をご確認ください。
<効能共通>オルミエント(バリシチニブ)の副作用「CPK増加」の発現状況は?
CPK増加の発現状況は以下の通りです。
[解説]
※本剤は、国内外の試験成績に基づいて承認されました。このため、一部国内の承認効能又は効果、用法及び用量と異なる成績が含まれています。
<関節リウマチ>
関節リウマチ患者を対象とした長期継続試験を含む国内外臨床試験10試験の併合解析において、バリシチニブが投与された症例のうち、CPK増加のCTCAEグレードの悪化が認められた患者の割合は58.0%(2071/3568例)でした1)。
<アトピー性皮膚炎(成人)>
成人アトピー性皮膚炎患者を対象とした長期継続試験を含む国内外臨床試験8試験の併合解析において、バリシチニブが投与された症例のうち、CPK増加のCTCAEグレードの悪化が認められた患者の割合は33.7%(872/2587例)でした2)。
<アトピー性皮膚炎(小児)>
小児アトピー性皮膚炎患者を対象とした長期投与期間を含む国内外臨床試験JAIP試験(52週データカットオフ時)において、バリシチニブが投与された症例のうち、CPK増加のCTCAEグレードの悪化が認められた患者の割合は38.7%(179/463例)でした2)。
<円形脱毛症>
円形脱毛症患者を対象とした長期投与期間を含む国内外臨床試験2試験の併合解析において、バリシチニブが投与された症例のうち、CPK増加のCTCAEグレードの悪化が認められた患者の割合は41.5%(532/1282例)でした2)。
各グレードへの変化は以下の表の通りです。
<多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎>
多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎患者を対象とした長期継続試験を含む国内外臨床試験2試験の併合解析において、バリシチニブが投与された症例のうち、CPK増加のCTCAEグレードのグレード3への悪化が認められた患者の割合は2.7%(6/219例)、グレード4への悪化が認められた患者の割合は1. 4%(3/219例)でした1)。
(関節リウマチはversion 3.0、多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎はversion 5.0)
<新型コロナウイルス感染症:COVID-19>
※ACTT-2試験ではCOVID-19の症状及び重症度を考慮し、有害事象についてはDAIDSのグレード3又は4の事象を収集しました。なお、以下に示す結果は臨床検査値異常を含まない有害事象です。
SARS-CoV-2による肺炎患者を対象とした国際共同第Ⅲ相試験(ACTT-2試験)におけるCPK増加の発現割合は、バリシチニブ+レムデシビル併用群で0.4%(2/507例)、プラセボ+レムデシビル投与群で0.4%(2/509例)でした3)。
(参考:ACTT-2試験における有害事象の収集及び評価について)
ACTT-2試験ではCOVID-19の症状及び重症度を考慮し、有害事象についてはグレード3又は4*の事象を収集しました。また、治験薬との関連があると判断されたグレード2*以上の薬剤関連過敏症反応、グレードを問わない静脈血栓塞栓関連事象を収集しました4)。
*Division of AIDS(DAIDS)Table for Grading the Severity of Adult and Pediatric Adverse Eventsを用いて、有害事象及び重篤な有害事象の重症度を評価しました。グレード2~5は以下のとおりです4)。
グレード2:中等度
グレード3:高度
グレード4:生命を脅かす可能性のある事象
グレード5:有害事象に関連するすべての死亡はグレード5に分類
[引用元]
1. オルミエント 適正使用ガイド(関節リウマチ/多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎)
2. オルミエント 適正使用ガイド(アトピー性皮膚炎/円形脱毛症)
3. 社内資料:オルミエント 照会事項回答(COVID-19)(承認時評価資料)
4. オルミエント 申請資料概要(COVID-19)(CTD2.5.5.1.1)(承認時評価資料)
[略語]
ACTT-2 = Adaptive COVID-19 Treatment Trial 2
COVID-19 = SARS-CoV-2による感染症
CPK = クレアチンホスホキナーゼ
CTCAE = 有害事象共通用語規準
SARS-CoV-2 = 重症急性呼吸器症候群コロナウイルス-2
最終更新日: June 2024
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