オルミエント ® (バリシチニブ)
以下は適正使用情報として、本邦における承認事項(用法・用量、適応、剤形など)以外の情報が含まれる場合がございます。薬剤の使用に際しては、製品情報ページにある最新の電子化された添付文書をご確認ください。
<効能共通>オルミエント(バリシチニブ)投与時に、よくある主な副作用は?
バリシチニブ投与時によく認められる主な副作用は、LDLコレステロール上昇、悪心、腹痛、上気道感染、帯状疱疹、単純ヘルペス、尿路感染、頭痛、ざ瘡、ALT上昇、AST上昇、血小板増加症、トリグリセリド上昇、CK上昇等です。
[解説]
※本剤は、国内外の試験成績に基づいて承認されました。このため、一部国内の承認効能又は効果、用法及び用量と異なる成績が含まれています。
<関節リウマチ>
長期継続試験を含む国内外臨床試験10試験の併合解析(総曝露期間15114人年、投与期間の中央値1682.5日、最長投与期間3405日)において、1回以上バリシチニブが投与された関節リウマチ患者3770例(日本人514例を含む)中2135例(56.6%)に副作用がみられました。主な副作用は、帯状疱疹306例(8.1%)、上咽頭炎241例(6.4%)、上気道感染228例(6.0%)、気管支炎217例(5.8%)、血中クレアチンホスホキナーゼ増加216例(5.7%)等でした1)。
長期継続試験を含む国内外臨床試験10試験の併合解析(総曝露期間1862人年、投与期間の中央値1296.0日、最長投与期間2596日)において、1回以上バリシチニブが投与された日本人の関節リウマチ患者514例中428例(83.3%)に副作用がみられました。主な副作用は、上咽頭炎139例(27.0%)、帯状疱疹100例(19.5%)、血中クレアチンホスホキナーゼ増加52例(10.1%)、肝機能異常46例(8.9%)、リンパ球減少症40例(7.8%)等でした1)。
<アトピー性皮膚炎(成人)>
長期継続試験を含む国内外臨床試験8試験の併合解析【データカットオフ日:2021年11月3日(JAHN)、2021年12月15日(JAIN)、2021年12月21日(JAIX)(総曝露期間4628.4人年、投与期間の中央値587.5日、最長投与期間1422日)】において、1回以上バリシチニブが投与された成人アトピー性皮膚炎患者2636例(日本人352例を含む)中821例(31.1%)に副作用がみられました。主な副作用は、上咽頭炎124例(4.7%)、帯状疱疹73例(2.8%)、上気道感染67例(2.5%)、口腔ヘルペス58例(2.2%)、単純ヘルペス56例(2.1%)等でした2)。
長期継続試験を含む国内外臨床試験8試験の併合解析【データカットオフ日:2021年11月3日(JAHN)、2021年12月15日(JAIN)、2021年12月21日(JAIX)(総曝露期間828.2人年、投与期間の中央値1058.0日、最長投与期間1394日)】において、1回以上バリシチニブが投与された日本人の成人アトピー性皮膚炎患者352例中125例(35.5%)に副作用がみられました。主な副作用は、上咽頭炎20例(5.7%)、帯状疱疹18例(5.1%)、単純ヘルペス15例(4.3%)、毛包炎14例(4.0%)、口腔ヘルペス10例(2.8%)等でした2)。
<アトピー性皮膚炎(小児)>
長期投与期間を含む国内外臨床試験JAIP試験(52週データカットオフ時)【データカットオフは最後の被験者が投与52週に達した時点(総曝露期間750.66人年、投与期間の中央値87週、最長投与期間185週)】において、1回以上バリシチニブが投与された小児アトピー性皮膚炎患者467例(日本人35例を含む)中119例(25.5%)に副作用がみられました。主な副作用は、ざ瘡24例(5.1%)、頭痛17例(3.6%)、血中クレアチンホスホキナーゼ増加11例(2.4%)、単純ヘルペス、好中球減少症 各7例(1.5%)等でした2)。
長期投与期間を含む国内外臨床試験JAIP試験(52週データカットオフ時)【データカットオフは最後の被験者が投与52週に達した時点(総曝露期間67.02人年、投与期間の中央値105週、最長投与期間144週)】において、1回以上バリシチニブが投与された日本人の小児アトピー性皮膚炎患者35例中9例(25.7%)に副作用がみられ、内訳は、帯状疱疹、膿疱性皮疹 各2例(5.7%)、ヘルペス性状湿疹、足部白癬、上気道感染、ざ瘡、接触皮膚炎、口内炎、リンパ球減少症 各1例(2.9%)でした2)。
<円形脱毛症>
長期投与期間を含む国内外臨床試験2試験の併合解析【データカットオフ日:2022年5月24日(JAHO)、2022年5月10日(JAIR)(総曝露期間2217.9人年、投与期間の中央値591.0日、最長投与期間1322日)】において、1回以上バリシチニブが投与された円形脱毛症患者1303例(日本人53例を含む)中394例(30.2%)に副作用がみられました。主な副作用は、ざ瘡52例(4.0%)、上気道感染、血中クレアチンホスホキナーゼ増加 各44例(3.4%)、帯状疱疹29例(2.2%)、頭痛22例(1.7%)、上咽頭炎、毛包炎、体重増加 各21例(1.6%)等でした2)。
長期投与期間を含む国内外臨床試験2試験の併合解析【データカットオフ日:2022年5月24日(JAHO)、2022年5月10日(JAIR)(総曝露期間109.9人年、投与期間の中央値834.0日、最長投与期間1273日)】において、1回以上バリシチニブが投与された日本人の円形脱毛症患者53例中28例(52.8%)に副作用がみられました。主な副作用は、上咽頭炎、帯状疱疹、単純ヘルペス、血中コレステロール増加、トランスアミナーゼ上昇 各3例(5.7%)等でした2)。
<新型コロナウイルス感染症:COVID-19>
SARS-CoV-2による肺炎患者を対象とした国際共同第Ⅲ相試験(ACTT-2試験)で、1回以上バリシチニブが投与されたSARS-CoV-2による肺炎患者507例中26例(5.1%)に副作用がみられました3)。主な副作用は、AST上昇(1.4%)、リンパ球数減少(1.2%)、肺塞栓症(0.8%)、ALT上昇(0.8%)、トランスアミナーゼ上昇(0.4%)、悪心(0.4%)でした4)。
(参考:ACTT-2試験における有害事象の収集及び評価について)
ACTT-2試験ではCOVID-19の症状及び重症度を考慮し、有害事象についてはグレード3又は4*の事象を収集しました。また、治験薬との関連があると判断されたグレード2*以上の薬剤関連過敏症反応、グレードを問わない静脈血栓塞栓関連事象を収集しました3)。
*Division of AIDS(DAIDS)Table for Grading the Severity of Adult and Pediatric Adverse Eventsを用いて、有害事象及び重篤な有害事象の重症度を評価しました。グレード2~5は以下のとおりです3)。
グレード2:中等度
グレード3:高度
グレード4:生命を脅かす可能性のある事象
グレード5:有害事象に関連するすべての死亡はグレード5に分類
<多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎>
長期継続試験を含む国内外臨床試験2試験の併合解析【データカットオフ:2022年中間解析時点(総曝露期間325.7人年、投与期間の中央値546.0日、最長投与期間1010日)】において、1回以上バリシチニブが投与された多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎患者220例(日本人25例を含む)中75例(34.1%)に副作用がみられました。主な副作用は、頭痛、多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎 各7例(3.2%)、低比重リポ蛋白増加6例(2.7%)、血中コレステロール増加、高コレステロール血症 各5例(2.3%)、帯状疱疹、血中トリグリセリド増加、血中尿素増加、好中球減少症、関節痛 各4例(1.8%)等でした1)。
長期継続試験を含む国内外臨床試験2試験の併合解析【データカットオフ:2022年中間解析時点(総曝露期間38.0人年、投与期間の中央値537.0日、最長投与期間991日)】において、1回以上バリシチニブが投与された日本人の多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎患者25例中5例(20.0%)に副作用がみられ、内訳は、多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎2例(8.0%)、肝機能異常、ざ瘡、滑膜切除 各1例(4.0%)でした1)。
オルミエント 適正使用ガイド(関節リウマチ/多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎)
オルミエント 適正使用ガイド(アトピー性皮膚炎/円形脱毛症)
オルミエント 申請資料概要(COVID-19)CTD2.5.5.1.1(承認時評価資料)
[略語]
ACTT-2 = Adaptive COVID-19 Treatment Trial 2
ALT = アラニンアミノトランスフェラーゼ
AST = アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ
COVID-19 = SARS-CoV-2による感染症
SARS-CoV-2 = 重症急性呼吸器症候群コロナウイルス-2
最終更新日: June 2024
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