アリムタ ® (ペメトレキセドナトリウム水和物)
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非小細胞肺癌でのアリムタ(ペメトレキセド)による継続維持療法に対する有効性及び安全性は?
PARAMOUNT試験で、プラセボ群と比較してペメトレキセド維持療法群において、維持療法後の無増悪生存期間(PFS)と生存期間(OS)を有意に延長しました。また、ペメトレキセド維持療法群のほうがプラセボ群と比較して、グレード3の好中球減少、貧血及び疲労が有意に多く発現していました。
[解説]
PARAMOUNT試験は、進行非扁平上皮非小細胞肺癌(non-squamous NSCLC)患者を対象として、ペメトレキセドとシスプラチン(CDDP)による導入療法後、引き続きペメトレキセドによる継続維持療法を行った場合、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)を延長するのかを検討した試験です1) 2)。
プラセボ群と比較してペメトレキセド維持療法群において、維持療法後のPFS1)と生存期間(OS)2)を有意に延長しました(PFS:HR 0.62、p<0.0001、中央値 ペメトレキセド群4.1ヵ月vsプラセボ群2.8ヵ月、OS:未調整HR 0.78、p=0.0195、中央値 ペメトレキセド群13.9ヵ月vsプラセボ群11.0ヵ月、PFS、OSともにログランク検定)。
また、ペメトレキセドとの因果関係が否定できない肺炎による死亡例が1例認められました。
試験薬との関連の可能性がある主な有害事象はペメトレキセド群で疲労16%(59/359例)、貧血14%(50/359例)、悪心11%(39/359例)、好中球減少症8%(30/359例)、及び嘔吐6%(21/359例)でした。プラセボ群で疲労11%(19/180例)、感覚ニューロパチー6%(10/180例)、貧血4%(8/180例)、浮腫3%(6/180例)、及び便秘3%(5/180例)でした。
ペメトレキセド維持療法群のほうがプラセボ群と比較して、グレード3及び4の好中球減少、貧血及び疲労が有意に多く発現していました1) 2)。
参考:
製造販売後臨床試験として、ペメトレキセド+カルボプラチン(CBDCA)併用療法後のペメトレキセド維持療法の安全性と有効性を検討した試験が報告されています。奏効率は35.8%、PFS中央値は5.7ヵ月、OS中央値は20.2ヵ月でした。また、治療と関連する死亡例の報告はありませんでした。
維持療法における主な有害事象は貧血86.7%(52/60例)、好中球減少症73.3%(44/60例)、白血球減少症71.7%(43/60例)、血小板減少症66.7%(40/60例)、及びAST増加56.7%(34/60例)でした。
主なグレード3以上の毒性は、血液毒性であり、ペメトレキセド維持療法による毒性の発現の併用療法からの増加は認められませんでした3)。
[引用元]
Paz-Ares, L. et al.: Maintenance therapy with pemetrexed plus best supportive care versus placebo plus best supportive care after induction therapy with pemetrexed plus cisplatin for advanced non-squamous non-small-cell lung cancer (PARAMOUNT): a double-blind, phase 3, randomised controlled trial. Lancet Oncol., 13(3): 247-255, 2012(ONC30344)
Paz-Ares, L. G. et al.: PARAMOUNT: Final overall survival results of the phase III study of maintenance pemetrexed versus placebo immediately after induction treatment with pemetrexed plus cisplatin for advanced nonsquamous non-small-cell lung cancer. J. Clin. Oncol., 31(23): 2895-2902, 2013(ONC30747)
Okamoto, I. et al.: Pemetrexed and carboplatin followed by pemetrexed maintenance therapy in chemo-naïve patients with advanced nonsquamous non-small-cell lung cancer. Invest. New Drugs, 31(5): 1275-1282, 2013(ONC30766)
最終更新日: January 2023
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