サインバルタ ® (デュロキセチン塩酸塩)
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肝機能障害患者にサインバルタ(デュロキセチン)を投与した場合の薬物動態と投与量調整の必要性は?
高度の肝機能障害のある患者では消失半減期が延長し、血中濃度が上昇することがあるため、禁忌です。軽度から中等度の肝機能障害のある患者への投与に関して、特に用量調整の必要性はありません。
[解説]
本剤の薬物動態試験(海外)で中等度の肝硬変を有する患者(Child-Pugh Bに分類)と健康成人との間で、デュロキセチン20 mg空腹時単回経口投与時の薬物動態を比較しました。その結果、中等度の肝硬変を有する患者においては健康成人と比べて血中濃度時間曲線下面積(AUC)は約5倍に増大し、半減期(T1/2)は約3倍に延長し、それぞれ有意差が認められました。最高血中濃度(Cmax)には有意差は認められませんでした1)。
そのため、高度の肝機能障害患者(肝不全患者)への投与は禁忌となっています1)~3)。
軽度から中等度の肝機能障害のある患者への投与に関して、特に用量調整の必要性はありません。しかし、軽度から中等度の肝機能障害のある患者に対しては慎重に投与を行ってください1) 3)。
・中等度の肝硬変を有する患者(6例)
AUC:943.09 µg・hr/mL
Cmax:14.17 ng/mL
T1/2:51.33 hr
・健康成人(6例)
AUC:199.93 µg・hr/mL
Cmax:11.92 ng/mL
T1/2:15.35 hr
参考:
上記、薬物動態試験における中等度の肝硬変を有する患者と健康成人の安全性の比較検討では、有害事象の発現頻度が高くなる傾向が認められました(特に悪心、嘔吐、浮動性めまい、下痢)が、重篤な有害事象は認められませんでした2) 3)。
[引用元]
Suri, A. et al.: International Journal of Clinical Pharmacology and Therapeutics, 43(2): 78-84, 2005(CNS13179)
サインバルタ(うつ病・うつ状態)申請資料概要CTD2.7.4.5.1.1(承認時評価資料)
最終更新日: February 2023
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