サインバルタ ® (デュロキセチン塩酸塩)
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糖尿病性神経障害に伴う疼痛でのサインバルタ(デュロキセチン)の初期用量(20 mg/日開始)の設定根拠は?
国内臨床試験の結果から、デュロキセチンの初期用量を20 mgとすることで忍容性が高くなるため、初期用量を20 mgとして1週間投与することとしました。
[解説]
糖尿病性神経障害に伴う疼痛でのデュロキセチンの初期用量(20 mg)の設定根拠は以下のとおりです。
うつ病・うつ状態の患者を対象とした優越性試験1)、及びオープンラベル試験2)においてデュロキセチンの初期用量を40 mgに設定したところ、投与初期の有害事象による中止・脱落例が多く認められました。
そのため、糖尿病性神経障害に伴う疼痛を対象とした全ての国内臨床試験では、被験者の安全性を考慮して初期用量を20 mgとしました。結果、プラセボ対照試験である用量反応性試験及び優越性試験の投与開始1週間後の有害事象発現による中止率は以下のとおりでした。
<用量反応性試験>
デュロキセチン20 mg群3.7%(2/54例)、デュロキセチン40 mg群7.4%(4/54例)、デュロキセチン60 mg群3.6%(2/55例)、プラセボ群1.8%(1/55例)
<優越性試験>
デュロキセチン併合群2.3%(4/172例)、プラセボ群0.6%(1/167例)
このことから初期用量を20 mgとすることで、忍容性が高くなると判断し、初期用量を20 mgとして1週間投与することが妥当とされました3) 4)。
参考:
【デュロキセチン「糖尿病性神経障害に伴う疼痛」の承認用法及び用量(電子添文抜粋)】
通常、成人には1日1回朝食後、デュロキセチンとして40 mgを経口投与する。投与は1日20 mgより開始し、1週間以上の間隔を空けて1日用量として20 mgずつ増量する。
なお、効果不十分な場合には、1日60 mgまで増量することができる4)。
[引用元]
樋口輝彦 他: 臨床精神薬理, 12(7): 1595-1612, 2009(CNS12787)
筒井末春 他: 臨床精神薬理, 12(7): 1565-1577, 2009(CNS12785)
サインバルタ(糖尿病性神経障害に伴う疼痛)申請資料概要 CTD2.7.6.1.1,2.7.6.1.2 (承認時評価資料)
最終更新日: September 2024
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