ストラテラ ® (アトモキセチン塩酸塩)
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ストラテラ(アトモキセチン)の投与初期に発現する副作用及び長期投与時に発現する副作用は?
小児期ADHDでは、頭痛、食欲減退、傾眠、悪心などの有害事象が初期に発現する傾向があり、長期投与により有害事象の種類及び有症率が変化する傾向は認められませんでした。成人期ADHDでは、悪心、食欲減退、口内乾燥などの有害事象が初期に発現する傾向があり、長期投与によって初発例が経時的に増加する傾向は認められませんでした。
[解説]
<小児期注意欠陥・多動性障害(ADHD)>
国内臨床試験(LYBC試験及びLYDA試験併合解析)では、鼻咽頭炎、頭痛、食欲減退、傾眠、悪心、嘔吐、腹痛、下痢などの有害事象が投与初期に発現する傾向が認められています1)。国内長期継続投与試験(LYDA試験、投与期間4年間)において、長期投与後に比較的よく見られたのは頭痛、食欲減退、傾眠、腹痛、悪心などでした。しかし、これらは二重盲検短期投与期間(約8週間)を設定した国内臨床試験(LYBC試験)でも認められており、長期継続投与により発現した有害事象の種類及び有症率が変化する傾向は認められませんでした2)。
海外において、プラセボ対照試験13試験とオープン試験3試験のデータを基に長期投与の安全性を評価した結果の報告があります。アトモキセチンの3年以上の長期投与で、短期治療と比較して、新規もしくは予測できない有害事象は認められていません3)。
<成人期ADHD>
日本を含むアジア地域で実施した国際共同第III相試験(LYEE試験)では、悪心、食欲減退、口内乾燥、口渇、嘔吐などの有害事象が投与初期に発現する傾向が認められています4)。
国際共同第III相試験(LYEE試験、投与期間10週間)及びLYEE試験を完了した日本人患者を対象とした長期継続試験(LYEK試験、投与期間48週間)の併合解析において、高頻度に認められた有害事象は、悪心、鼻咽頭炎、口渇、頭痛、食欲減退、傾眠、便秘でした。いずれの事象についても、長期投与によって初発例が経時的に増加する傾向は認められませんでした5)。
これらは、短期投与試験(LYEE試験)でも多く認められています。
海外で実施した長期投与試験3試験の併合解析において、アトモキセチン群で高頻度に認められた有害事象は、悪心、口内乾燥、食欲減退、疲労、頭痛、不眠症でした6)。
[引用元]
ストラテラ(小児期ADHD)申請資料概要CTD2.7.4.2.1.1.1.5.1(承認時評価資料)
後藤 太郎 他: 臨床精神薬理, 13(9): 1759-1770, 2010(CNS13666)
Donnelly, C. et al.: Journal of the American Academy of Child and Adolescent Psychiatry, 48(2): 176-185, 2009(CNS12681)
ストラテラ(成人期ADHD)申請資料概要CTD2.7.4.2.1.1.1.4.2(承認時評価資料)
ストラテラ(成人期ADHD)申請資料概要CTD2.7.4.2.1.1.1.4.1(承認時評価資料)
ストラテラ(成人期ADHD)申請資料概要CTD2.7.4.2.1.1.3.2(承認時評価資料)
最終更新日: August 2022
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