トルリシティ ® (デュラグルチド(遺伝子組換え))
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腎機能障害患者にトルリシティ(デュラグルチド)は投与できるか?
デュラグルチドの腎機能障害患者への使用に制限はありません。
[解説]
デュラグルチドの腎機能障害患者への使用に制限はありません1)。
国内第III相試験(GBDP及びGBDY試験)における腎機能の程度別の部分集団解析の結果、有害事象の発現割合及び低血糖症の発現率に関して、ベースラインの腎機能の程度別で発現率は以下のとおりでした2)。
表1)投与26週時におけるいずれかの投与群で5%以上発現した有害事象のCKDステージ別の発現割合(安全性解析対象集団)[GBDP試験]2)
事象名 |
Stage1(N=43) |
Stage2(N=189) |
Stage3(N=48) |
鼻咽頭炎 |
6(14.0) |
26(13.8) |
5(10.4) |
便秘 |
2(4.7) |
15(7.9) |
2(4.2) |
下痢 |
2(4.7) |
13(6.9) |
1(2.1) |
悪心 |
1(2.3) |
12(6.3) |
2(4.2) |
腹部膨満 |
1(2.3) |
5(2.6) |
0(0.0) |
食欲減退 |
0(0.0) |
2(1.1) |
0(0.0) |
MedDRA ver16.1 発現例数(発現割合%)
表2)投与26週時におけるいずれかの投与群で5%以上発現した有害事象のCKDステージ別の発現割合(安全性解析対象集団)[GBDY試験]2)
事象名 |
Stage1(N=29) |
Stage2(N=128) |
Stage3(N=24) |
鼻咽頭炎 |
10(34.5) |
33(25.8) |
6(25.0) |
下痢 |
6(20.7) |
14(10.9) |
2(8.3) |
悪心 |
0(0.0) |
15(11.7) |
2(8.3) |
便秘 |
3(10.3) |
9(7.0) |
4(16.7) |
嘔吐 |
1(3.4) |
8(6.3) |
0(0.0) |
リパーゼ増加 |
2(6.9) |
6(4.7) |
1(4.2) |
MedDRA ver16.1 発現例数(発現割合%)
表3)CKDステージ別の低血糖症の発現率(30日調整)(安全性解析対象集団)[GBDY試験]2)
|
Stage1 (N=29) |
Stage2 (N=128) |
Stage3 (N=24) |
デュラグルチド群*** |
0.03(0.02) |
0.10(0.02) |
0.12(0.06) |
インスリン グラルギン群*** |
0.29(0.10) |
0.19(0.04) |
0.43(0.18) |
***負の二項分布モデルによる平均値(標準誤差)
高度腎機能障害及び末期腎疾患を有する患者にデュラグルチドを使用する場合には、患者の状態を観察しながら慎重に投与いただき、インスリン製剤を併用される場合はインスリン製剤の減量を検討していただきますようお願いします。
また、腎機能低下患者では、Cペプチド値がみかけ上高値に出る場合があり、インスリン依存/非依存状態の鑑別が難しい場合がありますので、特に腎機能低下患者でのインスリン製剤からの切り替えに際しましては、ご注意いただきますようお願いします3)。
[引用元]
トルリシティ申請資料概要CTD2.7.4.5.1.6(承認時評価資料)
インクレチン(GLP-1受容体作動薬とDPP-4阻害薬)の適正使用に関する委員会: 「インクレチン(GLP-1受容体作動薬とDPP-4阻害薬)の適正使用に関する委員会」から(2011年9月29日修正)
最終更新日: July 2022
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