ベージニオ ® (アベマシクリブ)
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<効能共通> 腎機能障害患者にベージニオ(アベマシクリブ)を投与する場合の用法・用量と注意点は?
アベマシクリブ及びその代謝物は腎臓からほとんど排泄されません。母集団薬物動態解析において腎機能障害の影響を検討した結果、軽度及び中等度の腎機能障害はアベマシクリブの曝露量に影響を及ぼしませんでした。重度の腎機能障害を有する患者、末期の腎疾患の患者、透析中の患者はデータが報告されていません。
[解説]
アベマシクリブ及びその代謝物は腎臓からほとんど排泄されません1)2)3)。
母集団薬物動態解析において腎機能障害の影響を検討した結果、軽度(60 mL/min≦CrCl<90 mL/min:383例)及び中等度(30 mL/min≦CrCl<60 mL/min:127例)の腎機能障害はアベマシクリブの曝露量に影響を及ぼしませんでした1)2)3)
なお、重度( CrCl <30 mL/min)の腎機能障害を有する患者、末期の腎疾患の患者、透析中の患者は、国際共同第III相試験(MONARCH 2試験、MONARCH 3試験、monarchE試験)では除外されていたため、データが報告されていません(以下の選択基準を参照)1)2)3)。しかし、重度の腎機能障害は肝代謝酵素及びトランスポーターに影響を与える可能性が報告されていることから、重度の腎機能障害・末期の腎疾患・透析中の患者ではベージニオの薬物動態に影響を与える可能性があります1)2)3)。
MONARCH 2試験
選択基準(抜粋)1)4)
血液、肝臓、腎臓の臓器機能が十分な患者
・ 好中球数1.5×109/L以上、血小板数100×109/L以上、ヘモグロビン8g/dL以上
・ ビリルビン、血清クレアチニン値がULNの1.5倍以下及びアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)がULNの3.0倍以下
MONARCH 3試験
選択基準(抜粋)1)5)
血液、肝臓、腎臓の臓器機能が十分な患者
・ 好中球数1.5×109/L以上、血小板数100×109/L以上、ヘモグロビン8g/dL以上
・ ビリルビンが基準値上限(ULN)の1.5倍以下及びアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)がULNの3.0倍以下(肝転移がみられる場合はALT及びASTがULNの5倍以下)
・ 血清クレアチニン値がULNの1.5倍以下
monarchE試験
以下の基準すべてについて、臓器機能が十分な患者
血液
好中球数1.5×109/L以上、血小板数100×109/L以上、ヘモグロビン8g/dL以上
肝臓
総ビリルビンが基準値上限(ULN)の1.5 倍以下
ジルベール症候群の患者の場合、総ビリルビン値がULNの2 倍以下及び直接ビリルビンが正常範囲内であれば組入れ可能。
ALT及びASTがULNの3.0倍以下
除外基準(抜粋)1)6)
本治験への参加が不可能であると治験責任医師又は治験分担医師が判断する重篤な合併症[重度の腎機能障害(例:推定されるクレアチニンクリアランスが30 mL/min 未満)]、間質性肺疾患、安静時の重度の呼吸困難又は酸素療法を必要とする呼吸困難、胃又は小腸の広範囲な切除を受けたことがある、又はクローン病や潰瘍性大腸炎の合併もしくは慢性的病態のために臨床的に重要な下痢があるなど)を有する患者。
1. ベージニオ 適正使用ガイド https://www.lillymedical.jp/jp/JA/_Assets/non_public/Verzenio/PDF/ABE_TEKISEI_GUIDE.pdf
2. ベージニオ 申請資料概要(承認時評価資料) CTD 2.7.6.13
3. ベージニオ 申請資料概要(承認時評価資料) CTD 2.7.2.3.3
4. ベージニオ 申請資料概要(承認時評価資料) CTD 2.7.6.15.1 試験方法
5. ベージニオ 申請資料概要(承認時評価資料) CTD 2.7.6.16.1 試験方法
6. ベージニオ 申請資料概要(承認時評価資料) CTD 2.7.6.3 I3Y-MC-JPCF試験
最終更新日: December 2021
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