サイラムザ ® (ラムシルマブ(遺伝子組換え))
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≪肝細胞癌≫サイラムザ(ラムシルマブ)/添付文書の効能・効果において、「がん化学療法後に増悪した血清AFP値400ng/mL以上の切除不能な肝細胞癌」とあるが、「血清AFP値400ng/mL以上」と設定されているのはなぜか?
切除不能な肝細胞癌に対するREACH試験の部分集団解析に基づいて、REACH-2試験では「血清AFP値400ng/mL以上」の患者への投与が設定されました。「血清AFP値400ng/mL未満」の患者への投与は承認用法外となります。
[解説]
切除不能な肝細胞癌に対するREACH試験の部分集団解析に基づいて、REACH-2試験では「血清AFP値400ng/mL以上」の患者への投与が設定されました。「血清AFP値400ng/mL未満」の患者への投与は承認用法外となります。
REACH試験では、RAM投与群はプラセボ群と比較し、OSにおいて統計学的な差は認められませんでした1,2,3)が、事前に規定されたベースライン時の血清AFP値が400ng/mL以上の部分集団解析において、RAM投与による有効性が示されました1,2,3)。
REACH試験の結果を受け、ベースライン時のAFP400ng/mL以上の患者を対象としたREACH-2試験が行われ、その結果、RAM投与群はプラセボ群と比較し、統計学的に有意なOSの延長が認められました1,2,3)。これらの試験成績に基づき、RAMの投与対象患者として、添付文書の効能・効果において「血清AFP値が400 ng/mL以上」と記載されることになりました1,2,3)。「血清AFP値400ng/mL未満」の患者への投与は承認用法外となります。
[薬剤名]
RAM:サイラムザ(一般名:ラムシルマブ)
[臨床試験名]
REACH試験:第III相無作為化比較試験(国際共同試験)
ソラフェニブに不耐容、又はソラフェニブによる治療中もしくは治療後に増悪した切除不能な肝細胞癌患者を対象に、二次治療としてbest supportive care (BSC)の併用下で、サイラムザとプラセボを比較する多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験
(本試験は国内承認対象外の患者を含む:本剤の効能・効果は「がん化学療法後に増悪した血清AFP値が400ng/mL以上の切除不能な肝細胞癌」)
REACH-2試験: 第III相無作為化比較試験(国際共同試験)
ソラフェニブに不耐容、又はソラフェニブによる治療中もしくは治療後に増悪した切除不能な肝細胞癌患者のうち、ベースライン時の血清AFP値が400ng/mL以上の患者を対象に、二次治療としてbest supportive care (BSC)の併用下で、サイラムザとプラセボを比較する多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験
[引用元]
1. Zhu, A.X. et al.: The Lancet Oncol., 20(2), 282-296 (2019)
2. サイラムザ審査報告書(肝細胞癌承認時)
最終更新日: May 2022
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