以下は適正使用情報として、本邦の承認事項以外の情報が含まれる場合がございます。薬剤使用に際して、オルミエント 製品ページ にある最新の電子添付文書をご確認ください
<COVID-19>重度の腎機能障害患者(eGFR<30mL/分/1.73㎡)は関節リウマチ及びアトピー性皮膚炎では禁忌だがSARS-CoV-2による肺炎では15≦eGFR<30mL/分/1.73㎡の患者に投与できるのはなぜか?
本剤の投与対象となるSARS-CoV-2による感染症患者における重篤性及びSARS-CoV-2感染症に対する本剤の投与期間(最長14日間)に加え、本剤の薬物動態に関する申請者の考察等を踏まえると、当該患者に対する本剤の投与は治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合には許容でき、用法・用量の目安として2 mgを48時間ごと投与と設定することは可能と判断しました。
[解説]
※本剤は、国内外の試験成績に基づいて承認されました。このため、一部国内の承認効能又は効果、用法及び用量と異なる成績が含まれています。
<新型コロナウイルス感染症:COVID-19>
重度の腎機能障害(eGFR:15~30 mL/min/1.73m2)を有する患者への投与は、既承認の効能・効果の対象であるRA及びAD患者では禁忌とされ、SARS-CoV-2による感染症患者も含め、当該患者への投与経験は限られています。しかしながら、本剤の投与対象となるSARS-CoV-2による感染症患者における重篤性及びSARS-CoV-2感染症に対する本剤の投与期間(最長14日間)に加え、本剤の薬物動態を踏まえると、当該患者に対する本剤の投与は治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合には許容でき、用法・用量の目安として2 mgを48時間ごと投与と設定することは可能と判断されました。ただし、投与に際しては、患者の状態を十分に観察するなど慎重に行う必要があります1)。
<参考情報:腎機能障害患者の用法及び用量の設定根拠>
バリシチニブの主な排泄経路は腎臓であるため、腎機能障害を有する患者ではクリアランスの低下によりバリシチニブの曝露量が増加すると予測されます。COVID-19患者での薬物動態は他の疾患と異ならないと考えられており、薬物動態プロファイルに基づき、バリシチニブの推奨用量を設定しました2)。
重度の腎機能障害(15≦eGFR<30 mL/min/1.73m2)を有する患者ではバリシチニブのAUCに約4倍の増加が認められ、Cmaxへの影響は小さい(1.4倍)ことが示されました。重度の腎機能障害を有する患者にバリシチニブ2 mgを48時間ごとに投与すると、正常な腎機能を有する患者にバリシチニブ4 mgを1日1回投与した場合と同程度の平均1日曝露量が得られると予測されます。そのため、重度の腎機能障害(15≦eGFR<30 mL/min/1.73m2)を有するCOVID-19成人患者に対するバリシチニブの短期間投与については、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合には、2 mgの48時間ごとの投与が適切な用量であり、投与可能であると考えられました2)。
なお、重度の腎機能障害を有する、関節リウマチ、アトピー性皮膚炎、多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎、円形脱毛症の患者へのバリシチニブ投与は禁忌です。
[引用元]
オルミエント審査報告書(SARS-CoV-2による肺炎) p27
オルミエント(COVID-19)申請資料概要 CTD1.8.3.3 (承認時評価資料)
[略語]
AD = アトピー性皮膚炎
AUC = 血漿中濃度‐時間曲線下面積
Cmax = 最高血漿中濃度
COVID-19 = SARS-CoV-2による感染症
eGFR = 推算糸球体ろ過量
RA = 関節リウマチ
SARS-CoV-2 = 重症急性呼吸器症候群コロナウイルス-2
最終更新日: July 2026
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