レイボー ® (ラスミジタンコハク酸塩)
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レイボー(ラスミジタン)とトリプタンを併用した際の有効性、安全性は?上乗せ効果はあるのか?
ラスミジタンとトリプタン系薬剤の併用に関して、併用時の有効性を評価する目的で実施された試験はありません。また、トリプタン系薬剤との同時併用による上乗せ効果についても検討されていません。安全性について、臨床試験の有害事象発現割合や薬物相互作用の結果から、併用に問題が示唆されるような、安全性上の懸念は認められていません。
[解説]
片頭痛患者を対象とした外国第III相臨床試験CENTURION(LAIJ)試験の非盲検期において、トリプタン系薬剤の併用が許容されていました。有害事象の発現割合について検討したところ、ラスミジタンと同時又は投与前後にトリプタンを投与した場合にも、併用に問題が示唆されるような、安全性上の懸念は認められていません1)。
また、ラスミジタンとスマトリプタンとの薬物相互作用を評価した外国第I相臨床試験LAHU試験において、ラスミジタンとスマトリプタンとの間に臨床的に意義のある薬物相互作用はみられませんでした1)。
《CENTURION(LAIJ)試験》
有害事象の発現割合(安全性解析対象集団)※について検討したところ、トリプタン併用ありの集団(ラスミジタンの投与と同時又は投与前後にトリプタンを投与)における投与タイミング別の有害事象の発現割合は、以下のとおりでした1)。
※データカットオフ:2020年6月12日
表1)トリプタンの投与タイミング別の有害事象の発現割合(非盲検期)(安全性解析対象集団)(CENTURION[LAIJ]試験)1)
トリプタン併用 |
併用あり |
||
トリプタンの 投与タイミング |
ラスミジタン 投与24時間前~投与前 |
ラスミジタン 投与時~投与2時間後未満 |
ラスミジタン 投与2時間後~ 投与24時間後未満 |
有害事象の発現割合 |
38.2%(13/34回) |
33.3%(4/12回) |
38.5%(62/161回) |
全体集団における有害事象の発現割合は28.4%(899/3170回)で、全体集団と比較して、トリプタン併用ありの集団では有害事象の発現割合が高かったものの、ラスミジタンの有害事象とトリプタンの有害事象がそれぞれ発現した影響と考えられ、特定の事象の発現頻度や重症度が増加する傾向はみられませんでした1)。
なお、トリプタンの併用の有無により層別した有効性のデータは検討されていません。
また、トリプタン系薬剤との同時併用による上乗せ効果についても検討されていません2)。
《LAHU試験:ラスミジタンとスマトリプタンの薬物相互作用》
ラスミジタン単独投与時と比較して、スマトリプタン併用投与時のラスミジタンのCmaxの幾何平均値は7%、AUC0-∞の幾何平均値は3%減少しました。スマトリプタン単独投与時と比較して、スマトリプタンのCmaxの幾何平均値は10%、AUC0-∞の幾何平均値は4%増加しました1) 2)。
《有害事象・副作用の定義》
有害事象(TEAE) |
治験薬投与後48時間以内の有害事象。 |
重篤な有害事象(TE-SAE) |
治験薬投与後48時間以内の重篤な有害事象。 |
有害事象(AE) |
割り付け後、試験完了までの期間のすべての有害事象。 |
副作用 |
【レイボーの相互作用】(抜粋)2)
薬剤名等 |
臨床症状・措置方法 |
機序・危険因子 |
セロトニン作動薬 選択的セロトニン再取り込み阻害剤 セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤 三環系抗うつ剤等 MAO阻害剤 |
セロトニン症候群があらわれることがある。 |
本剤との併用により、セロトニン作用が相加的にあらわれることがある。 |
[引用元]
レイボー審査報告書
[略語]
AUC0-∞ = 0時間から無限時間まで外挿した血漿中濃度 - 時間曲線下面積
Cmax = 最高血漿中濃度
最終更新日: September 2024
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