レイボー ® (ラスミジタンコハク酸塩)
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レイボー(ラスミジタン)に反応しなかった場合、同じ片頭痛発作にトリプタンを服用できるか?
ラスミジタンとトリプタン系薬剤の併用について、電子添文上、投与時の用量調整や間隔をあけるといった決まりはありません。 なお、トリプタンを含むセロトニン作動薬は併用注意のカテゴリーとなっています。
[解説]
ラスミジタンとトリプタン系薬剤の併用について、電子添文上、投与時の用量調整や間隔をあけるといった決まりはありません1)。
また、審査報告書には機構の見解として以下が記載されています2)。
<審査報告書>
本薬の投与と同時又は投与前後に既存の急性期治療薬を使用することに関して、本薬の作用機序、臨床試験で示された安全性及びPKプロファイルを考慮すると、本薬又は既存の急性期治療薬を単独で使用しても効果不十分等の場合は、本薬と既存の急性期治療薬を並行して使用することは可能と考える。
なお、トリプタンを含むセロトニン作動薬は、ラスミジタンとの併用によりセロトニン作用が相加的にあらわれることがあることから、電子添文上、併用注意のカテゴリーとなっています1)。セロトニン症候群はセロトニン2A及び1Aが関与している可能性が高く3)~5)、セロトニン再取り込み阻害剤を電子添文では注意喚起として記載しています1)。
ラスミジタンに反応しなかった場合の、同一発作に対するトリプタン系薬剤の投与可否については、トリプタン系薬剤の該当メーカーにお問い合わせください。
《LAHU試験:ラスミジタンとスマトリプタンの薬物相互作用》
ラスミジタン単独投与時と比較して、スマトリプタン併用投与時のラスミジタンのCmaxの幾何平均値は7%、AUC0-∞の幾何平均値は3%減少しました。スマトリプタン単独投与時と比較して、スマトリプタンのCmaxの幾何平均値は10%、AUC0-∞の幾何平均値は4%増加しました1)。
《CENTURION(LAIJ)試験》
片頭痛患者を対象とした外国第III相臨床試験CENTURION(LAIJ)試験の非盲検期において、トリプタン系薬剤の併用が許容されていました。有害事象の発現割合(安全性解析対象集団)※について検討したところ、トリプタン併用ありの集団(ラスミジタンの投与と同時又は投与前後にトリプタンを投与)における投与タイミング別の有害事象の発現割合は、以下のとおりでした(表1)2)。
※データカットオフ:2020年6月12日
表1)トリプタンの投与タイミング別の有害事象の発現割合(非盲検期)(安全性解析対象集団)(CENTURION[LAIJ]試験)2)
トリプタン併用 |
併用あり |
||
トリプタンの投与タイミング |
ラスミジタン投与24時間前~投与前 |
ラスミジタン投与時~投与2時間後未満 |
ラスミジタン投与2時間後~投与24時間後未満 |
有害事象の発現割合 |
38.2%(13/34回) |
33.3%(4/12回) |
38.5%(62/161回) |
全体集団における有害事象の発現割合は28.4%(899/3170回)で、全体集団と比較して、トリプタン併用ありの集団では有害事象の発現割合が高かったものの、ラスミジタンの有害事象とトリプタンの有害事象がそれぞれ発現した影響と考えられ、特定の事象の発現頻度や重症度が増加する傾向はみられませんでした2)。
[引用元]
レイボー審査報告書
重篤副作用疾患別対応マニュアル「セロトニン症候群」(令和3年4月改定)(厚生労働省ホームページ)(最終アクセス日:2025年7月10日)
Scotton, W. J. et al.: Int J Tryptophan Res, 12, 1178646919873925, 2019(CNS31664)
Boyer, E. W. et al.: N Engl J Med, 352(11): 1112-1120, 2005(CNS31781)
最終更新日: July 2025
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