ケサンラ ® (ドナネマブ(遺伝子組換え))
以下は適正使用情報として、本邦における承認事項(用法・用量、適応、剤形など)以外の情報が含まれる場合がございます。薬剤の使用に際しては、製品情報ページにある最新の電子化された添付文書をご確認ください。
他のアミロイド標的治療薬からケサンラ(ドナネマブ)へ切り替えた試験はあるか?切り替え方法は?
他のアミロイド標的治療薬からドナネマブへ切り替えた臨床試験はありません。そのため、有効性及び安全性が確認された体系的な切り替え方法は確立されていません。 他のアミロイド標的治療薬からドナネマブへ切り替える際は、患者のアミロイド β病理を示唆する所見及び認知機能の状態を考慮の上、ドナネマブ投与の適否をご判断ください。また、前治療の効果持続期間も考慮の上、ドナネマブの投与開始時期をご検討ください。
[解説]
他のアミロイド標的治療薬からドナネマブへ切り替えた臨床試験はありません。そのため、有効性及び安全性が確認された体系的な切り替え方法は確立されていません。
《ドナネマブへの切り替えに関する留意事項》
他のアミロイド標的治療薬からドナネマブへの切り替えについては、患者のアミロイドβ病理を示唆する所見及び認知機能の状態を考慮の上、ご判断ください。ドナネマブの効能又は効果は「アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症の進行抑制」であり1)、それより早期又はより後期のアルツハイマー病に対する治療薬として、ドナネマブの有効性及び安全性は確立されていません。
電子添文の記載、海外第Ⅲ相試験TRAILBLAZER-ALZ 6(AACQ)試験※1注)及び国際共同第Ⅲ相試験TRAILBLAZER-ALZ 2(AACI)試験※2注)で用いられた診断基準、組み入れられた患者の臨床症状スコアの範囲、試験結果等を十分に理解した上で、ドナネマブ投与の適否をご判断ください1)。
他のアミロイド標的治療薬からドナネマブへ切り替える際は、前治療の効果持続期間も考慮の上、ドナネマブの投与開始時期をご検討ください。
※1 AACQ試験の350mg開始群では、ドナネマブを初回は350mg、2回目は700mg、3回目は1050mg、以降は1回1400mgを4週間隔で静脈内投与し、700mg開始群では、ドナネマブを最初の3回は1回700mg、以降は1回1400mgを4週間隔で静脈内投与した(初回承認時の用法及び用量)。
※2 AACI試験のドナネマブ群では、ドナネマブを最初の3回は1回700mg、以降は1回1400mgを4週間隔で静脈内投与した(初回承認時の用法及び用量)。
【ドナネマブの禁忌(次の患者には投与しないこと)】
2.1 本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
2.2 本剤投与開始前に血管原性脳浮腫が確認された患者[ARIAのリスクが高まるおそれがある。]
2.3 本剤投与開始前に5個以上の脳微小出血、脳表ヘモジデリン沈着症又は1cmを超える脳出血が確認された患者[ARIAのリスクが高まるおそれがある。]
【ドナネマブの効能又は効果に関連する注意(抜粋)】
5.4 「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、第Ⅲ相試験で用いられた診断基準、組み入れられた患者の臨床症状スコアの範囲、試験結果等を十分に理解した上で本剤投与の適否を判断すること。
【ドナネマブの重要な基本的注意(抜粋)】
8.3 本剤投与開始前のMRI検査で重度の白質病変が認められた患者において、本剤の投与を開始した経験はない。重度の白質病変が認められた患者への本剤投与の可否は、本剤投与によるリスクとベネフィットを考慮した上で、慎重に判断すること。
注)ドナネマブの用法及び用量は「通常、成人にはドナネマブ(遺伝子組換え)として初回は350mg、2回目は700mg、3回目は1050mg、その後は1回1400mgを4週間隔で、少なくとも30分かけて点滴静注する。」です。
上記の試験について一部承認外の成績が含まれますが、承認時評価資料のためご紹介しています。 |
[引用元]
[略語]
ARIA=アミロイド関連画像異常
最終更新日: July 2025
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