ケサンラ ® (ドナネマブ(遺伝子組換え))
以下は適正使用情報として、本邦における承認事項(用法・用量、適応、剤形など)以外の情報が含まれる場合がございます。薬剤の使用に際しては、製品情報ページにある最新の電子化された添付文書をご確認ください。
ケサンラ(ドナネマブ)投与中のMRI検査タイミングは?
ドナネマブ投与により、MRI 画像上の異常所見であるARIA があらわれることがあります。ARIA は投与開始から24 週間以内、重篤なARIA は12 週間以内に多く発現することから、電子添文及び最適使用推進ガイドラインを参考の上、治療中のMRI 検査は、ドナネマブ2 回目の投与前、3回目の投与前、増量前(通常4回目の投与前)、7回目の投与前、以降6ヵ月に1回、MRI 検査を実施してください。また、ARIA を疑う症状があらわれた場合もMRI 検査を実施してください。
[解説]
《ドナネマブ治療中のMRI検査のタイミング》
ドナネマブ投与により、MRI画像上の異常所見であるアミロイド関連画像異常(ARIA)があらわれることがあります。ARIAは、MRI検査により診断され、その多くは投与開始から24週間以内に発現し、また多くの重篤なARIAは12週間以内に発現しています1,2)。
このため、電子添文上、投与開始前、2回目の投与前、増量前(通常4回目の投与前)及び7回目の投与前にMRI検査を実施し、ARIAの有無を確認すること、それ以降も定期的にMRI検査を実施することが規定されています。また、必要に応じて3回目の投与前にもMRI検査を実施することが望ましいとされています1)。
最適使用推進ガイドラインでは、本剤の2回目の投与前、3回目の投与前、増量前(通常4回目の投与前)及び7回目の投与前、以降6ヵ月に1回、MRI 検査を実施することとされています3)。
◆治療スケジュール(例)2)
※1 ARIAを疑う症状が発現した場合には、図中のタイミング以外にもMRI検査を実施してください。
※2 本剤投与開始前に、最新(1年以内)のMRI画像により、 ARIAを含む異常所見の有無を確認してください。
※3 必要に応じてMRI検査を実施することが望ましい。
※4 最適使用推進ガイドラインでは、本剤の2回目の投与前、3回目の投与前、増量前(通常4回目の投与前)及び7回目の投与前、以降6ヵ月に1回、MRI 検査を実施することとされています。
※5 1400mgへの増量前(通常4回目の投与前)
(電子添文「6. 用法及び用量」、「7. 用法及び用量に関連する注意」、「8. 重要な基本的注意」をご参照ください。)
(電子添文に基づき設定)
《ARIA及び脳出血発現時及び発現後のMRI検査実施時期》
電子添文上、ARIAを疑う症状が発現した場合、MRI検査を実施することと規定されています。ARIAの症状としては、頭痛、錯乱、悪心、嘔吐、ふらつき、めまい、振戦、視覚障害、言語障害、認知機能の悪化、意識変容、発作等があります1)。
ARIA及び脳出血発現後のMRIモニタリングについては、表のように規定されています1)。
表)ARIA及び脳出血発現後のMRIモニタリング1)
アミロイド関連画像異常-浮腫/滲出液貯留(ARIA-E)
画像上の 重症度 |
MRIモニタリング |
軽度 |
無症候性で投与を継続する場合、ARIA重症化の有無を確認するため、発現から約1~2ヵ月後にMRI検査の実施を考慮する。 無症候性で投与を中断する場合、又は症候性の場合は、中等度、重度のMRIモニタリングに準ずる。 |
中等度 |
発現から約2~4ヵ月後にMRI検査を実施する。画像上ARIA-Eの消失が確認されない場合は、追加のMRI検査を実施する。 |
重度 |
アミロイド関連画像異常-脳微小出血・脳表ヘモジデリン沈着症(ARIA-H)及び脳出血
画像上の 重症度 |
MRIモニタリング |
軽度 |
症候性の場合、発現から約2~4ヵ月後にMRI検査を実施する。画像上ARIA-Hの安定化が確認されない場合は、追加のMRI検査を実施する。 |
中等度 |
発現から約2~4ヵ月後にMRI検査を実施する。画像上ARIA-Hの安定化が確認されない場合は、追加のMRI検査を実施する。 |
重度 |
|
1cmを超える脳出血 |
臨床評価に基づき適宜MRI検査を実施する。 |
<参考:AACI試験におけるMRI検査実施タイミングの許容>
国際共同第Ⅲ相試験TRAILBLAZER-ALZ 2(AACI)試験では、プロトコール上、2回目の投与前、4回目の投与前、7回目の投与前、14回目の投与前、20回目の投与前にMRIの撮像が規定されていました4)。
投与前のMRI検査実施のタイミングは、それぞれ、2回目投与前のMRIは7日前から、4回目投与前のMRIは14日前から、7回目/14回目/20回目投与前のMRIは30日前からの実施が許容されていました4)。
最適使用推進ガイドライン ドナネマブ(遺伝子組換え)
Sims JR, et al.: JAMA. 2023; 330: 512-527(CNS31698)
[略語]
ARIA=アミロイド関連画像異常
ARIA-E=アミロイド関連画像異常-浮腫/滲出液貯留
ARIA-H=アミロイド関連画像異常-脳微小出血・脳表ヘモジデリン沈着症
MRI=核磁気共鳴画像
最終更新日: December 2024
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