ゼップバウンド ® (チルゼパチド)
以下は適正使用情報として、本邦における承認事項(用法・用量、適応、剤形など)以外の情報が含まれる場合がございます。薬剤の使用に際しては、製品情報ページにある最新の電子化された添付文書をご確認ください。
ゼップバウンド(チルゼパチド)の治療に対する患者満足度は?
国内第3相試験[GPHZ試験(SURMOUNT-J)]及び国際共同第3相試験[GPHK試験(SURMOUNT-1)及びGPHL試験(SURMOUNT-2)]における患者満足度の結果は以下のとおりです。
[解説]
本試験には一部承認効能又は効果と異なる成績が含まれますが、承認時評価資料であるため掲載します。
≪GPHZ試験(SURMOUNT-J)における患者満足度≫
BMIが27 kg/m2以上35 kg/m2未満で肥満に関連する健康障害※1を2つ以上有する、又はBMIが35 kg/m2以上で肥満に関連する健康障害※1を1つ以上有する日本人肥満症患者を対象※2にチルゼパチド投与とプラセボ投与を比較した国内第3相試験であるGPHZ試験において、SF-36v2 acute版身体機能領域スコアのベースラインから投与72週時までの平均変化量は、チルゼパチド10 mg群及びチルゼパチド15 mg群でプラセボ群と比較して統計学的に有意に増加しました(それぞれp<0.05、p<0.001、MMRM)1,2,3)。
図1)投与72週時点のSF-36v2 acute版身体機能領域スコアの変化量(mITT集団、EAS[GCP違反例を除く])[GPHZ試験(SURMOUNT-J)]1,3)
MMRM解析、最小二乗平均値
**p<0.05 vsプラセボ、***p<0.001 vsプラセボ
投与72週時のIWQOL-Lite-CTの総スコア、身体機能複合スコア、身体複合スコア、及び心理社会複合スコアは、チルゼパチド10 mg群及び15 mg群でプラセボ群と比較して、統計学的に有意に増加しました(プラセボに対するチルゼパチド10 mg群及び15 mg群の心理社会複合スコアはp<0.01、それ以外はそれぞれp<0.001、MMRM)1,2,3)。
図2)投与72週時点のIWQOL-Lite-CTの変化量(mITT集団、EAS[GCP違反例を除く])[GPHZ試験(SURMOUNT-J)]1,3)
MMRM解析、最小二乗平均値
**p<0.01 vsプラセボ、***p<0.001 vsプラセボ
≪GPHK試験(SURMOUNT-1)における患者満足度≫
2型糖尿病を有しない、肥満又は体重に関連する併存疾患を有する過体重の治験参加者を対象※2に、チルゼパチド投与とプラセボ投与を比較した国際共同第3相試験であるGPHK試験においてSF-36v2 acute版身体機能領域スコアのベースラインから投与72週時までの平均変化量は、チルゼパチド10 mg及び15 mgの用量併合群で、プラセボ群と比較して有意に増加しました(p<0.001、ANCOVA)4,5)。
表1)SF-36v2 acute版身体機能領域スコア(国民標準値に基づくスコア)のベースラインから投与72週時までの平均変化量(mITT集団、EAS[GCP違反例を除く])[GPHK試験(SURMOUNT-1)]4)
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チルゼパチド10/15
mg |
プラセボ (N=637) |
Efficacy Estimand |
||
N |
1071 |
477 |
ベースライン |
49.5 |
49.6 |
ベースラインからの変化量 |
4.1* |
1.8* |
ベースラインからの変化率(95% CI) |
2.3(1.6, 2.9)** |
N/A |
|
推定値±標準誤差 |
ANCOVA解析、LOCF
N/A=該当なし
*p<0.001 vs ベースライン
**p<0.001 vs プラセボ(第1種の過誤における確率の制御目的)
投与72週時のIWQOL-Lite-CTの総スコア、身体機能複合スコア、身体複合スコア、及び心理社会複合スコアは、チルゼパチド5 mg※3群、10 mg群、及び15 mg群でプラセボ群と比較して、統計学的に有意に増加しました(それぞれp<0.001)4,6)。
≪GPHL試験(SURMOUNT-2)における患者満足度≫
2型糖尿病を有する肥満又は過体重の治験参加者を対象に※2チルゼパチド投与とプラセボ投与を比較した国際共同第3相試験であるGPHL試験においてSF-36v2 acute版身体機能領域スコアのベースラインから投与72週時までの平均変化量は、チルゼパチド10 mg群及び15 mg群で、プラセボ群と比較して統計学的に有意に増加しました(それぞれp<0.001、ANCOVA)7)。この解析では第1種の過誤の確率を制御しませんでした。
表2)SF-36v2 acute版身体機能領域スコア(国民標準値に基づくスコア)のベースラインから投与72週時までの平均変化量(mITT集団、EAS[GCP違反例を除く])[GPHL試験(SURMOUNT-2)]7)
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チルゼパチド10mg (N=302) |
チルゼパチド |
プラセボ (N=307) |
N |
272 |
263 |
262 |
ベースライン |
48.3 |
47.9 |
47.7 |
ベースラインからの変化量 |
3.5* |
3.9* |
1.7* |
ベースラインからの変化率(95% CI) |
1.8** |
2.3*** |
N/A |
|
推定値±標準誤差 |
ANCOVA解析、LOCF
N/A=該当なし
*p<0.001 vs ベースライン
**p<0.01 vs プラセボ(第1種の過誤における確率の制御目的)
***p<0.001 vs プラセボ(第1種の過誤における確率の制御目的)
投与72週時のIWQOL-Lite-CTの総スコア、身体機能複合スコア、身体複合スコア、及び心理社会複合スコアは、いずれのチルゼパチド群でもプラセボ群と比較して、統計学的に有意に増加しました(それぞれp<0.001、ANCOVA)7,8)。この解析では第1種の過誤の確率を制御しませんでした7)。
※1
|
本試験における健康障害の定義 |
耐糖能異常 |
空腹時血糖値又は0時間経口ブドウ糖負荷試験(OGTT) 110~125 mg/dL、もしくは2時間 OGTT 140~199 mg/dLであり、糖尿病の診断基準を満たさず、糖尿病診療ガイドライン2019で「境界型」として記述される血糖範囲 |
脂質異常症 |
トリグリセリド150 mg/dL以上 |
非アルコール性脂肪性肝疾患 |
肝臓脂肪含有率(HFF) 5%以上 |
※2
チルゼパチドの承認された効能又は効果は「肥満症」である。ただし、高血圧、脂質異常症又は2型糖尿病のいずれかを有し、食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られず、以下に該当する場合に限る。
・BMIが27 kg/m2以上であり、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する
・BMIが35 kg/m2以上
※3
チルゼパチドの承認された用法及び用量・用法及び用量に関連する注意は以下のとおりです。
6. 用法及び用量
通常、成人には、チルゼパチドとして週1回2.5 mgから開始し、4週間の間隔で2.5 mgずつ増量し、週1回10 mgを皮下注射する。
なお、患者の状態に応じて適宜増減するが、週1回5 mgまで減量、又は4週間以上の間隔で2.5 mgずつ週1回15 mgまで増量できる。
7. 用法及び用量に関連する注意(抜粋)
7.1本剤の用量調節に際しては、以下の点に留意すること。
・患者の体重減少の程度や本剤に対する忍容性に応じて、週1回5 mgで治療を継続することも考慮すること。
[引用元]
ゼップバウンド申請資料概要CTD2.7.3.2.1.1.4.10(承認時評価資料)
ゼップバウンド申請資料概要CTD2.7.6.9.2(承認時評価資料)
ゼップバウンド申請資料概要CTD2.7.3.2.1.2.4.6(承認時評価資料)
ゼップバウンド申請資料概要CTD2.7.6.10.2(承認時評価資料)
社内資料[GPHK試験(SURMOUNT-1)]
ゼップバウンド申請資料概要CTD2.7.3.2.1.3.4.6(承認時評価資料)
社内資料[GPHL試験(SURMOUNT-2)]
ゼップバウンド申請資料概要CTD2.7.6.9(承認時評価資料)
ゼップバウンド申請資料概要CTD2.7.6.10(承認時評価資料)
ゼップバウンド申請資料概要CTD2.7.6.11(承認時評価資料)
※引用元資料の入手をご希望の場合は上記のリンクをクリックし請求して下さい。
[略語]
BMI=body mass index
mITT= modified intent-to-treat
EAS=有効性解析対象集団
MMRM=繰り返し測定値に関する混合効果モデル
SF-36v2=Short-Form-36 Health Survey version 2
GCP=医薬品の臨床試験の実施の基準
IWQOL-Lite-CT=Impact of Weight on Quality of Life-Lite Clinical Trials
ANCOVA=共分散分析
LOCF=最終観測値の代入
GPHZ試験(SURMOUNT-J) 試験概要1,9)
試験デザイン |
第3相、多施設共同、二重盲検、プラセボ対照、無作為化試験 |
対象注1) |
BMIが27 kg/m2以上で2つ以上の肥満に関連する健康障害*を有する又はBMIが35 kg/m2以上で1つ以上の肥満に関連する健康障害*を有する肥満症患者225例(GCP違反が認められた実施医療機関で無作為割付された42例を除く)。なお、糖尿病患者は除外された。
* 組み入れ基準では、耐糖能異常(空腹時血糖110~125 mg/dL又は75 g経口ブドウ糖負荷試験の血糖2時間値140~199 mg/dL)、脂質異常症(空腹時トリグリセリド150 mg/dL以上)又は非アルコール性脂肪性肝疾患(肝臓脂肪含有率5%以上)とした。 |
方法 |
チルゼパチド10 mg、15 mg又はプラセボを週1回72週間皮下投与した。チルゼパチドはいずれの投与群でも最初の4週間は初回投与量の2.5 mgで週1回投与し、その後割り付けられた用量に到達するまで4週間ごとに2.5 mgずつ漸増した。用量漸増期間は最長20週であった。 体重管理のための低カロリー食及び運動量の増加を併せて実施した。 |
GPHK試験(SURMOUNT-1) 試験概要10)
試験デザイン |
第3相、多施設共同、二重盲検、プラセボ対照、無作為化試験 |
対象注1) |
BMIが27 kg/m2以上で高血圧、脂質異常症、閉塞性睡眠時無呼吸又は心血管疾患のいずれかを有する治験参加者もしくはBMIが30 kg/m2以上の治験参加者2517例(日本人102例)(GCP違反が認められた実施医療機関で無作為割付された22 例を除く)。なお、糖尿病患者は除外された。 |
方法注2) |
チルゼパチド5 mg、10 mg、15 mg又はプラセボを週1回72週間皮下投与した。チルゼパチドはいずれの投与群でも最初の4週間は初回投与量の2.5 mgで週1回投与し、その後割り付けられた用量に到達するまで4週間ごとに2.5 mgずつ漸増した。用量漸増期間は最長20週であった。 体重管理のための低カロリー食及び運動量の増加を併せて実施した。 |
GPHL試験(SURMOUNT-2) 試験概要11)
試験デザイン |
第3相、多施設共同、二重盲検、プラセボ対照、無作為化試験 |
対象注1) |
2型糖尿病を有するBMIが27.0 kg/m2以上の治験参加者912例(日本人41例)(GCP違反が認められた実施医療機関で無作為割付された26 例を除く) |
方法 |
チルゼパチド10 mg、15 mg又はプラセボを週1回72週間皮下投与した。チルゼパチドはいずれの投与群でも最初の4週間は初回投与量の2.5 mgで週1回投与し、その後割り付けられた用量に到達するまで4週間ごとに2.5 mgずつ漸増した。用量漸増期間は最長20週であった。 体重管理のための低カロリー食及び運動量の増加を併せて実施した。 |
注1)チルゼパチドの承認された効能又は効果は「肥満症」である。ただし、高血圧、脂質異常症又は2型糖尿病のいずれかを有し、食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られず、以下に該当する場合に限る。
・BMIが27 kg/m2以上であり、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する
・BMIが35 kg/m2以上
注2)チルゼパチドの承認された用法及び用量・用法及び用量に関連する注意は以下のとおりです。
6. 用法及び用量
通常、成人には、チルゼパチドとして週1回2.5 mgから開始し、4週間の間隔で2.5 mgずつ増量し、週1回10 mgを皮下注射する。
なお、患者の状態に応じて適宜増減するが、週1回5 mgまで減量、又は4週間以上の間隔で2.5 mgずつ週1回15 mgまで増量できる。
7. 用法及び用量に関連する注意(抜粋)
7.1本剤の用量調節に際しては、以下の点に留意すること。
・患者の体重減少の程度や本剤に対する忍容性に応じて、週1回5 mgで治療を継続することも考慮すること。
最終更新日: April 2025
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