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<閉塞性睡眠時無呼吸症候群>ゼップバウンド(チルゼパチド)投与による胃腸関連有害事象(悪心、嘔吐、便秘及び下痢等)の対処法は?


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チルゼパチドに特化した対処方法はありません。症状に合わせた処置をお願いします。

[解説]

チルゼパチドに特化した対処方法はありません。症状に合わせた処置をお願いします。また、胃腸障害等の発現により忍容性が得られない患者では減量又は漸増の延期を考慮してください1)。

下痢、嘔吐又は食欲不振で食事がとれないような状態が持続し、脱水状態が懸念される場合は、十分な水分摂取を行い、速やかに医師に相談するよう患者及びその家族に指導してください2)。

なお、一般的にGLP-1受容体作動薬による下痢の発現機序としてGLP-1の作用による胃内容排出の遅延及び消化管運動の低下といった作用が考えられます3)。消化管運動抑制により下痢になっていると考えられる場合、腸運動抑制薬(ロペラミド等)の使用は避けていただくことを検討ください。


中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群を対象とした国際共同第3相試験[GPI1及びGPI2試験(SURMOUNT-OSA)]では、治療期間の最初の24週間(20週間の用量漸増+4週間)において、胃腸関連症状により2.5 mg又は5 mgに忍容性が得られない場合、チルゼパチドの投与を中止しました。

7.5 mgから15 mgまでの用量漸増に忍容性が得られない場合、盲検下で用量を減量し、その後4週間ごとに2.5 mgずつMTD(10 mg又は15 mg)まで再漸増しました。

この減量・再漸増のサイクルは、治療期間の最初の24週間において1回のみ許可されました4)。


[参考]

≪GPI1及びGPI2試験(SURMOUNT-OSA)における胃腸障害による治験薬の投与中止割合≫

BMIが30 kg/m2以上(日本人はBMI 27 kg/m2以上)で、AHIが15回/h以上の中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群患者を対象に、チルゼパチド投与とプラセボ投与を比較した国際共同第3相試験(GPI1及びGPI2試験)の併合解析において、胃腸障害による治験薬の投与中止割合は以下のとおりでした5)。

  • チルゼパチドMTD群(233例):5例(2.1%)

  • プラセボ群(234例):1例(0.4%)


なお、治験薬の投与中止に至った胃腸関連有害事象でチルゼパチドMTD群の1例以上で発現した基本語(PT)は、悪心、下痢、腹痛、鼡径ヘルニア及び嘔吐でした。その発現割合は以下のとおりでした5)。

  • チルゼパチドMTD群(233例):悪心1.3%、下痢0.9%、腹痛0.4%、鼡径ヘルニア0.4%、嘔吐0.4%

  • プラセボ群(234例):悪心0%、下痢0.4%、腹痛0.4%、鼡径ヘルニア0%、嘔吐0%



[引用元]

  1. ゼップバウンド 電子添文

  2. ゼップバウンド インタビューフォーム

  3. Baggio LL et al. International Textbook of Diabetes Mellitus, Third Edition,Chapter 12. Edited by DeFronzo RA, John Wiley & Sons, Ltd. 2004; p191-223(HMN30788)

  4. Obstructive Sleep Apnea Master Protocol GPIF: A Study of Tirzepatide (LY3298176) in Participants With Obstructive Sleep Apnea (SURMOUNT-OSA).
    ClinicalTrials.gov identifier: NCT05412004. Updated
    April 30, 2025. Accessed May 1, 2026.

  5. ゼップバウンド(閉塞性睡眠時無呼吸症候群)申請資料概要CTD2.5.5.2.3.3(承認時評価資料)

  6. ゼップバウンド(閉塞性睡眠時無呼吸症候群)申請資料概要CTD2.7.6.2(承認時評価資料)

  7. ゼップバウンド(閉塞性睡眠時無呼吸症候群)申請資料概要CTD2.7.6.3(承認時評価資料)

  8. ゼップバウンド(閉塞性睡眠時無呼吸症候群)申請資料概要CTD2.5.4.5.6.1(承認時評価資料)

  9. ゼップバウンド(閉塞性睡眠時無呼吸症候群)申請資料概要CTD2.5.4.2.2.1(承認時評価資料)

  10. ゼップバウンド(閉塞性睡眠時無呼吸症候群)申請資料概要CTD2.5.4.2.2(承認時評価資料)

  11. ゼップバウンド(閉塞性睡眠時無呼吸症候群)申請資料概要CTD2.5.4.2(承認時評価資料)

  12. Malhotra A et al. Tirzepatide for the Treatment of Obstructive Sleep Apnea and Obesity. N Engl J Med. 2024;391:1193-1205.(HMN60107)



[略語]

AHI=無呼吸低呼吸指数

BMI(body mass index)=体格指数

MTD=最大耐用量

PAP=気道陽圧



GPI1及びGPI2試験(SURMOUNT-OSA) 試験概要6-12)

試験デザイン

第3相、多施設共同、無作為化、プラセボ対照、二重盲検、並行群間試験

対象

各試験はともに、BMIが30 kg/m2以上(日本人はBMI 27 kg/m2以上)で、ポリソムノグラフィーによるAHIが15回/h以上の中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群患者[GPI1試験:234例(日本人7例)、GPI2試験:235例(日本人13例)]


・GPI1試験:PAP療法を望まない又は使用できない患者を対象

・GPI2試験:スクリーニング前に少なくとも3ヵ月連続してPAP療法を実施中であり、試験期間中にPAP療法を継続する予定の患者を対象

方法

MTDとしてチルゼパチド10 mg、15 mg又はプラセボを週1回、52週間皮下投与した。チルゼパチドは、最初の4週間は初回投与量の2.5 mgで週1回投与し、その後MTDに到達するまで4週間ごとに2.5 mgずつ漸増した。用量漸増期間は最長20週であった。

12.5 mg又は15 mgの用量に忍容できなかった場合、試験の残りの期間の用量は最低維持用量である10 mgとし、最低維持用量を忍容できなかった場合は、チルゼパチドの投与を中止した。

食事のカロリー制限及び身体活動の増加を併せて実施した。


最終更新日: May 2026

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